Vol.53 作られた幸せの上に生きているのではないか?『Feel Good Inc. / Gorillaz』

公開日: : 最終更新日:2016/06/12 ANALYZE ,

Feel Good Inc. / Gorillaz

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

AppleのかっこいいCM曲シリーズiPod編もそろそろおしまいです。前回、前々回はこちら

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AppleのCMは選曲も素晴らしいということでやってきたわけですが、もちろんこのCMも当時中学生の僕を射抜いたのでした。

使われている曲は前回、前々回と比べてはるかにヒットしたのではないかと感じます。この曲ですね

Gorillaz – Feel Good Inc.

どっしりとしたベースラインと鋭く刺さるドラムスがかっこいいGorillazのFeel Good Inc.輪郭がしっかりと書かれている作画のアニメーションが印象的な曲です。

Gorillazはイギリスの4人組カートゥーンバンドという設定でして、実際の楽曲制作はBlurのデーモン・アルバーンが行っています。ロック色を強く残したヒップホップな楽曲となっております。

ボーカルもデーモン・アルバーンで、Feel Good Inc.ではゲストとしてDe La Soulが参加しています。ラップ部分がDe La Soulですね。笑い声がとっても怖いですね、でも悪役じゃないですよ?

iPodのCMではラップ部分がカッコ良く使われているので僕はそこに惚れ込んで聴きましたが、全体としてカッコ良い曲です。

さて、どんな曲なのでしょうか?

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歌詞について

韻を踏みつつも比喩表現で構成されている歌詞でして、結構難しいです。架空のバンドなので内容も架空のものになっていますが、実際はデーモン・アルバーンがいますので歌詞も実は今の世の中について歌っているんですね。

City’s breaking down on a camel’s back.
They just have to go ‘cos they don’t know wack
So all you fill the streets it’s appealing to see
You won’t get out the county, ‘cos you’re bad and free
街はラクダの背中で崩れ落ちる
みんなただ進む、ダメだってことを知らないのさ
だからみんなが通りを埋めるのは魅力的だったよ
君はここを抜け出さない だってダメではあるけど自由だもんね

『Feel Good(気分が良い)』という名前のinc.(組織)に住んでる人々に対してのメッセージですね。良い世界に生きてるから、自由を手に入れたからと呑気に暮らしてるけど、それは偽りのものでドンドンダメになっていってるぜ?って忠告してるんですね。

ラクダはヨタヨタとゆっくり進む国や世界のことでしょう。みんな何も分かってないって嘆いているんです。

You’ve got a new horizon it’s ephemeral style.
A melancholy town where we never smile.
And all I wanna hear is the message beep.
My dreams, they’ve got to kiss me ‘cause I don’t get sleep, no
君は新しい未来を見つけたと思ってるだろうがそんなものはないさ
憂鬱な街では誰も笑わない
僕はメッセージの着信音ばかり聞こえる
夢がキスしてくるんだ 僕が眠らないからね

主人公以外のほとんどの人が未来があると感じているんですが、それは作られたものだよとなってます。本当は誰も笑ってない。助けを求めるようなメッセージが留守番電話かな?入ってくるんだけど、そのビーって音しか聞こえてこないよと。主人公自身、憂鬱で眠れないんですね。

Windmill, windmill for the land.
Turn forever hand in hand
Take it all in on your stride
It is sinking, falling down
Love forever, love is free
Let’s turn forever, you and me
Windmill, windmill for the land
Is everybody in?
大地の風車は手動で永遠に回り続ける
君のペースでやればいいさ そして崩れ落ちていくんだ
愛は永遠で自由だ さぁ回そうよ永遠に
君と僕で大地の風車を
みんなついてきてるかい?

ここはコーラス部分です。一人一人がしっかりと世の中を見て動かす意識をしていないとすぐに平和な世の中なんて崩れ落ちるんだよ。ってな感じですね。嘆いてはいますが、でも風車を回していこうよと優しく歌います。

先ほども言ったように、これは現実に起きていることを比喩表現で(しかも難しい単語ばかりで)歌っています。

平和で整った世の中で幸せだと浮かれているけど、偉い人たちに任せっきりでいると偽りの世界さえも崩れていってしまうよ。というメッセージソングとなっています。

De La Soulのラップ部分も不気味な笑い声で悪役のようですが、主人公と同じようなことを言っています。

主人公はみんなに嘆いて説得するような形ですが、De La Soulの部分は煽ってハッパをかける形をとっています。

お前らはこの状態でFeel Goodなんだろ?俺たちは違うぜ!よく見てろよ、俺たちは戦い進んでいくんだ。どうすんだお前は?

こんな具合。歯切れの良いラップがカッコイイ...

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コード進行について

まずはヴァース部分、ベースがかっこいい部分です!

譜面で
g1

キーエディターで
g2

コードを判別する材料がベースラインのみとなっていますので、こういった進行のようにも聞こえます。が、BやF#はパッシング気味に入っているだけと考えられるため、D#m→A#m→G#mの3コードと考えても良いと思います。

マイナーキーのⅠm→Ⅴm→Ⅳm→Ⅰmと実にシンプルでロックなコード進行だと言えます。ベースラインだけで渋くかっこよく演出されているのが良いですね!

こういったシンプルなものほどミックスが難しくなるし、1つ1つの音やメロディがハッキリしてしまうので難易度は高いと感じます。難易度が高いほどにかっこよさも。難しいですね!!

続きましてコーラス部分。ここはベースラインはなくなりギターとシンセ音での判別です。

譜面で
g3

キーエディターで
g4

ここも3コードのみでのシンプルなコード進行です。4小節目がⅠmからⅤmに変わっただけですが、アレンジがガラッと変わってるので雰囲気がまるで別物です。

この楽曲はアレンジとミックスがものを言う作品だということがわかります。シンプルに3和音の3コードで攻める場合は、それ以外の部分に最善の注意が必要だということですね!スカスカアレンジは大変ですっ

<h2最後に

MV自体も魅力的ですよね!唯一実写で登場するDe La Soulの存在感もかなり大きく、映像作品としてもかなり楽しめます。

僕もこんなラップがしたい...

GANO

シンプルコードにかっこいいラップ

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    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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