Vol.139 6/4の大きなノリが1つのコード進行を怪しく感じさせる。『King And Cross / Ásgeir』

公開日: : ANALYZE ,

King And Cross / Ásgeir

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

多数決で導き出した答えが必ずしも良い方向に進むとは限らなくて、少数派を切り捨てるような結果だとなお不幸になります。

少数派がいることを忘れて行動してしまっては、国全体が衰退していくことになる。

今回紹介するのはこの曲!

Ásgeir – King And Cross

アイスランドのシンガーソングライター、Ásgeir(アウスゲイル)の2013年の楽曲です。

エレクトロなサウンドとアコースティックギターが綺麗に溶け込んでいますね。

歌声も澄んでいて心地よい楽曲ですが、なんだが悲しそう。どんな内容の楽曲なのでしょうか?

では、歌詞とコード進行を勉強していきましょう!

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King And Crossの歌詞について

歌詞の一部を引用して見ていきましょう。

Glistening nighttime dew, and she is walking with me
From the house of red, I hear a child crying
Foxes heading home, their prey hangs from their jaws
And the forest knows, but it won’t share the secret
夜霧が光る道を彼女は僕と一緒に歩いている
赤い家から子供の泣き声が聞こえる
キツネたちは獲物をくわえながら巣に戻る
森たちは知っているが、その秘密を教えてはくれない

夜霧が光る道を歩いている、これはありふれた日常生活の歌なのかなと思わせるような出だしですね。

ありふれた日常の中で子供の泣き声が聞こえてくるわけですが、わざわざ赤い家と言っています。

この赤い家、本当に最初から赤かったのでしょうか? 子供が泣き続けているってことは親がいないってことかも。血の赤かもしれません。

キツネの狩りも、これは人間について言っているように感じます。力がものを言う原始的な方向に進んでしまったのかも。

森たちはどんな秘密を知っているのでしょう? ここも人間の比喩のよう。木1本(1人)なら心の内を語れても、森(大勢)になると右へならえで何も言えなくなる。そんな比喩に聞こえます。

When the king takes sides
Leaving moral minds; soldiers take their share
Nighthawks seem to sense that now is the time
Deep inside them burns the raging fire of life
He’ll take back what he owns
王はどちらかに味方して道徳を知る人々を捨てた時
兵士たちは分け前を奪っていく
夜盗たちは今が好機だと嗅ぎつけている
体の奥底で人生の激しい炎を燃やしながら彼は自分のものを取り返す

王様が出てきましたね、国を仕切るトップです。

道徳を知る人々を捨てる、これは多数決で多い方の意見のみを取り入れて少数派をバッサリ切り捨てたってことでしょうか?

国のトップが国全体ではなく支持者のみを生かす動きをすると、国を守る兵士は悪さをして、盗賊が動き出し、人々は生きる為に原始的な行動に移る。

そんなメッセージが込められている気がします。

極端な政策による国家の崩壊、道徳を捨て権力に目がくらむトップ。そういった状況を危惧する内容だと感じました。いかがでしょうか?

歌詞を書く際の参考にしてくださいね。

続いて、コード進行との関わりです。

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King And Crossのコード進行について

それではコード進行を見ていきましょう。

King And Crossは1つのコード進行でできています。

譜面で

キーエディターで

King And CrossのキーはC#マイナーになります。

AM7→F#m7/B→C#m7→F#m7なのでⅥM7→Ⅳm7/Ⅶ→Ⅰm7→Ⅳm7です。

ダイアトニックコードのみを使用したコード進行ですが、4和音を使っていたり分数コードを使っていたりと、サウンドをぼやかしているような印象を受けますね。

F#m7/Bは響きがリッチだから使っている面もありますが、理由がもう1つ。

AM7からC#m7へ進む場合、通常ダイアトニックコードをスライドさせて使うならB7のはず。

ここをF#m7/Bにすることで、ずっとド#とミを保留することができるんですね。オルガンポイントみたいですが、最低音じゃないので保留とだけ言っておきます。

ド#とミの短3度の響きが物悲しさを常に感じさせるんですね。

淡々とお話しは進んでいって、その状況を説明しているだけなのだけれど、なぜかすごく悲しそう。そんなコード進行です。

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
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最後に

悲しさと優しさを感じるような、メッセージ性を感じる楽曲でした。

政治的発言をミュージシャンがするのは日本ではタブー視されていますが、このような比喩での表現ももっと多くあればと思いますね。

GANO

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    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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