『SING』はダメ人間ばっかり出てくる! 歌の力ってすごいよねで全て回収しちゃう映画

公開日: : 最終更新日:2019/03/19 映画

『SING』はダメ人間ばっかり出てくる!

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

2017年3月17日に日本でも公開となった映画『SING』を観てきました!


『ミニオンズ』シリーズであったり、昨年だと『ペット』を製作した「イルミネーション・エンターテイメント」の最新作になります。

ウッチャンナンチャンの内村や長澤まさみ、トレンディエンジェルの斎藤さんなどが演じる日本語吹き替え版も話題になっていますが、今回は字幕版で観てきましたよ。

ざっくりとした感想は「ダメ人間ばっかり出てくるやんけ! これ、音楽関係の人あるあるだな……。全然話回収してくれないけど、歌のパワーすごい」って感じです。

歌い踊る動物たちが可愛らしくて、そして間抜けな場面も多く終始爆笑でした。

まず予告編を観ていきましょう!


『SING/シング』字幕版 予告篇90秒

いやぁ〜、非常に楽しそう! そしてね、また詐欺予告!! 本編と違う部分がちらほらと。

ここ期待して行くと裏切られるので最初に言っておきますと、がっつり流されているSing For The Moment / Eminemは本編で使用されていません。


Eminem – Sing For The Moment

えぇもちろん、サンプリング元であるDream / Aerosmithも使用されません!


Dream On by Aerosmith lyrics

別予告であったSing / Ed Sheeranも使われませんよ〜!


Ed Sheeran – Sing [Official Video]

ここら辺に僕自身ワクワクしていたのでちょっと残念。でも他にもテンションが上がる曲ばかりなので、ここだけに期待してなきゃ大丈夫です!

『SING』はこんな人にオススメ!

どんな人が『SING』を楽しめるか考えてみました。

・古いものから新しいものまで欧米の音楽が好きな人
・子供と一緒に映画館へ行きたい人
・音楽業界に関わりのある人

Frank SinatraやGipsy Kingsから、Sam SmithやNicki Minajと振り幅があるので、これ知ってる!となるはず。ただし日本でヒットした曲ではなく欧米でのヒット曲ばかりですので、そこだけ注意が必要ですかね。

そして子連れでもOK! エッチなシーンとかありませんし、難しさもなし。動物たちが歌って踊る姿は子供から大人まで楽しめます。

あとはミュージシャンだったり、企画運営側の音楽関係者も楽しめると思います。こういうやついるよね〜なんて言いながら観て欲しいですね。

ではネタバレを含んだ感想を載せていきますね!

スポンサーリンク

『SING』はダメ人間ばっかり出てくる! バスターがダメ人間(ダメコアラ)


出典:YouTube

『SING』の主人公であるコアラのバスター・ムーン、予告編だけ観ると潰れかけの劇場を復活させるために10万ドルを懸けた歌のコンテストを開催するという立ち位置です。

このバスターがダメ人間、いやダメコアラか、もう全然ダメ! 劇場自体はバスターの父親が一生懸命働いて買ってくれたもの、劇場を持つことが夢だったバスターだけど、考える企画はどれも大コケ。

どんどん資金がなくなっていくものだから、友人の父親からの資金調達も底つき、銀行の融資も返済できず、劇場スタッフたちへの賃金も未払い。しかもそれ全部バックれ! ひどい大人です。

全然資金がないのに「コンテストで復活するぞ!」なんて言い出して、部屋にあるガラクタ詰め込んで「ハイこれで1000ドルぐらいの価値になるでしょ、賞金1000ドルでコンテストやっちゃうよ〜」という強行っぷり。

コンテスト出場者も、見世物なんだからと勝手にコンビを組ませたり、そのハードロックは流行らないからポップス歌えと強要したり、ピアノを弾けと押し付けたり。これが音楽業界か……。

実はスタッフの印刷ミスで賞金が10万ドルになっちゃってたんだけど、それに気づいても出場者に告げず10万ドルのまま騙して出演させちゃう! 電気は隣の店からパクっちゃう!! 水もパクっちゃう!! 設備費もかけてないから劇場もぶっ壊れちゃう!!! ひどい主人公です。

でも夢は諦めたくないから一生懸命、父親のように洗車屋として資金を集め、騙して集めた演者たちもなぜかバスターの元に集まり見事劇場は成功を収めます。なんだこれは!!!

このダメコアラ「どん底まで落ちたらあとは上がるだけだ!」という超ポジティブコアラでして、なんだか憎めない。見た目が可愛いし。

こういうね、ポジティブなだけが取り柄の(人選にはセンスがあり)やつ、音楽業界にいたりしますよね、「何か面白いことやりましょうよ!僕らで!」って声かけてくるやつ。音楽業界に限らずいるか!

ある意味あるあるネタ映画かもしれません。

スポンサーリンク

『SING』はダメ人間ばっかり出てくる! 演者とその家族もダメ

ネズミのマイクがダメ!


出典:YouTube

このサックス吹きのマイク、ひどいです。路上でパフォーマンスしていて投げ銭もらうと「俺の演奏が1セントだって!なめんな!あり金全部よこせ!!」という始末。そこちゃんと喜びなさいよ。

賞金が手に入る予定だからカード先に作っちゃって豪快に買い物。さらにポーカーでイカサマしてギャングから金をパクる。他の演者をクズ扱い。ひどいネズミですよまったく。

でもね、歌がうまい。My Way / Frank Sinatraなんて痺れます。だからなんだか憎めない。歌うまいんすもんね。

ゴリラのジョニーの親父がダメ!


出典:YouTube

歌手になりたいゴリラのジョニー、彼かなりの美声です。Stay With Me / Sam Smithがまた上手い!

ジョニーはいいんですよ、これから頑張れって感じで応援したくなる。ダメなのはこの親父!

まず強盗団の団長で、悪さしては逃げてを繰り返している。息子のジョニーはその手伝いをさせられちゃってるんですね。

結局ジョニーが歌のコンテストの練習もありしくじって親父は刑務所に入るんですが、歌手になりたいと告げるとお前なんか知らないとジョニーを勘当。

でもテレビでジョニーが歌っているのを見て「俺の息子だよ!」って都合良くないか親父!!

でもジョニーはそんな親父を愛してる。どんなに悪いやつでも、勘当されても、ジョニーは親父に認められて嬉しいんです。ちょっとここで泣けます。これが親子なんだなぁ。

ヤマアラシのアッシュの彼氏がダメ!


出典:YouTube

ロックスターを目指すヤマアラシのアッシュ。歌声が渋くていいんですよね〜。

彼氏と一緒にコンテストを受けますが合格はアッシュのみで、彼氏のために歌いたくない曲も歌っちゃう!って張り切るんだけど、彼氏がさっさと次のヤマアラシ見つけちゃうんですよね。彼氏がなかなかダメヤマアラシ。

彼氏のダメっぷりセリフ集「俺がメインボーカルだ」「資金調達のためにポップス歌ってこいよ」「お前に歌は作れない、まぁ俺を見てると簡単に思えるかもしれないけどな」いやぁ〜、ダメダメヒモバンドマンって感じで最悪! いるよね〜。

そんな彼氏でも好きなアッシュ。浮気される前はCall Me Maybe / Carly Rae Jepsenをバスターに歌えと強要されても「こんな10代の女の子の気持ち〜なんて歌えないわよ!」と怒っていたのに、浮気発覚後は号泣しながらCall Me Maybe歌っちゃう、アッシュ可愛い。

象のミーナの家族がダメ!


出典:YouTube

歌はとっても上手いんだけど、人前で歌を歌うのがとっても怖い象のミーナ。

声はシンガーソングライターのTori Kelly、プロの歌手なので歌はめっちゃ上手いです。ラストのDon’t You Worry ‘Bout A Thing / STEVIE WONDERはもしかしたら原曲より良いかも。


Tori Kelly – Don’t You Worry ‘Bout A Thing

極度のアガリ症なわけなのですが、これ家族に原因がありそう。

コンテストに出ろ!と怒鳴る祖父や、ミーナの話を聞こうとせず話をドンドン進める母親や仲間たち。引っ込み事案な性格になったのはこの家族たちが原因に思えて仕方なかったですね〜。押し付けてはダメよ〜。

報道のやつがダメ!

バスターが演者を集めて復活コンサートをする際、笑い者にするためにテレビ局がわざわざ撮影にくるんですよ。

最初は散々ディスっていたにも関わらず、演者たちの歌や観客の盛り上がりに圧倒され、いつの間にか絶賛する形に。独占放送!みたいな立ち位置に変わっているような印象で、結構、これ、ゲスいよね……。

もちろんこのテレビ放送がなかったら人は集まらなかったわけで100%悪いわけではないけど、ゲスいなぁ。

とまぁダメなやつまだまだいるんですけど、キリがないのでこの辺にしておきましょう。

『SING』はダメ人間ばっかり出てくる! それでも救いが必要だ


出典:YouTube

このように『SING』にはダメなやつが山盛り出てくるんですよね。

で、じゃあダメな映画なのか?って。そんなことはありません。テーマはやはり「どん底まで落ちたらあとは上がるだけ」。これです。

実際のミュージシャンだってそうじゃないですか。ヤク中やアル中、DVに脱税、殺人や自ら命を絶ってしまうミュージシャンがいっぱいいましたよね。

そんな彼らはダメなのかもしれないけど、音楽的才能があって這い上がってきて再評価されたりしています。

才能と、過去を振り切る力、そして努力することができればダメな人も再び上ることができるんです。

そんなメッセージが込められた作品だったと感じます。救いがある映画!

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
thumbnail

最後に

これサントラどうなるんだろう?と思っていましたが、しっかりカヴァーとして収録されていました。

歌の内容と、動物たちそれぞれの境遇がマッチしているので、照らし合わせて再度鑑賞すると面白いですよ。

あと、日本からはきゃりーぱみゅぱみゅの楽曲が3曲、「にんじゃりばんばん」「きらきらキラー」「こいこいこい」が使用されているのでお知らせです。

ダメでもいいじゃない! そんな気分になれるでした。

GANO

こっちはずっと号泣!



仕事依頼thumbnail

スポンサーリンク

関連記事

映画『アントマン&ワスプ』 “サイズチェンジ”でスパイアクションはブーストする! 終始笑顔で観れる優しい世界

映画『アントマン&ワスプ』 "サイズチェンジ"でスパイアクションはブーストする! どうも、

記事を読む

『ダークタワー』は親子で観ると良い映画。初級編って感じのファンタジー、中二心をくすぐられます。

『ダークタワー』は親子で観ると良い映画 どうも、GANO(@Past_Orange)です。

記事を読む

2017年11月に観た映画! 体を乗っ取られ監視され雨に打たれながら頭吹っ飛ばして糸電話で蘇生しました

2017年11月に観た映画! どうも、GANO(@Past_Orange)です。 11月は家

記事を読む

『ラ・ラ・ランド』は心をえぐられる! 夢を見せることで理想と現実のギャップを叩きつけてくる映画

『ラ・ラ・ランド』は心をえぐられる! どうも、GANO(@Past_Orange)です。 2

記事を読む

映画『ライトハウス』 狂っていくのか狂っていたのか。おかしな状況に恐怖しながらも、やっぱり笑ってしまう!

映画『ライトハウス』 狂っていくのか狂っていたのか。おかしな状況に恐怖しながらも、やっぱり笑ってしま

記事を読む

映画『Mr.ノーバディ』何者でもないオデンさんの爽快アクション! 何者でなければいけない現代のプレッシャーが作品を後押しする

映画『Mr.ノーバディ』何者でもないオデンさんの爽快アクション! 何者でなければいけない現代のプレッ

記事を読む

『ブレードランナー 2049』は虚無を感じる映画。美しい映像で魅せる偽物とモブの存在。

『ブレードランナー 2049』で虚無を感じる映画 どうも、GANO(@Past_Orange)です

記事を読む

『ザ・マミー』はトム・クルーズの腹筋を観る映画。週末テレビでやってたら家族で片手間に観てね

『ザ・マミー』はトム・クルーズの腹筋を観る映画 どうも、GANO(@Past_Orange)です。

記事を読む

2018年7月に観た映画! 『デッドプール』 『トランスフォーマー』 『ルーシー』 『レイダース / 失われたアーク』 『ハドソン川の奇跡』 『ガーディアン・オブ・ギャラクシー:リミックス』 『宇宙戦争』 『スパイダーマン ホームカミング』 『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』

2018年7月に観た映画! どうも、GANO(@Past_Orange)です。 7月は家で9

記事を読む

4DXとIMAXはどちらが楽しめるのか。スター・ウォーズの新作で比べてみました。

4DXとIMAXはどちらが楽しめるのか どうも、GANO(@Past_Orange)です。

記事を読む

  • gano1
    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
    詳しくはこちら
  • 仕事依頼
    thumbnail