『夢は叶う』は歌詞で使わないほうがいい。みんな薄っぺらいって思ってるよ

公開日： 2015/06/24 : 最終更新日：2018/07/23 作詞作曲法作詞, 夢, 歌詞

『夢は叶う』は薄っぺらい

どうも、GANO（@Past_Orange）です。

歌詞を書きたい皆さん、これみてください。

インディーズのソロシンガーの方の編曲を担当することがまあまああるんだけど、「夢は叶う」的な歌詞が多い。めっちゃ多い。そういうのって「付き合いたいからいきなり告白しちゃう」みたいな感じがする。ただただそこに行きたいだけっていう。中身がない。

— こおろぎ (@Kohrogi34) 2015, 6月 21

編曲だけでなく幅広く音楽活動をされているこおろぎさんのツイートです。あえて誰でも観覧できるツイッターで、しかも仕事を依頼した人にも届きそうな場所でこの発言をしています。

これは作詞する者へのアドバイスだと僕は感じています。

『夢は叶う』って、薄っぺらくないですか？みんな薄々感づいてます、その歌詞には中身がないって。

今回は『夢は叶う』を考えていきましょう。

なぜ『夢は叶う』は薄っぺらいか

誰が『夢は叶う』って言うのか？

睡眠中の夢ではないので、各々が目指すなりたい将来のことを『夢』と言いますよね。大物ミュージシャンになりたい！とか、プロ野球選手になりたい！！とか。

そういった目指す将来のために努力を重ねている人は『夢は叶う』とは言いません。『夢を叶える』だったり『夢を叶えたい』だったり。そこには願望があって、努力があって、野心があります。そういった『将来のために今何をしているか』がテーマになっています。

目指す側は『夢は叶う』ってことを知らない。だってまだ叶ってないから。

叶ってない人から言われてもなんとも思いませんよね？駆け出しのインディーズシンガーが『夢は叶う』と歌っても叶ってないだろって突っ込みがくるだけです。

突っ込みを待つ歌ならアリです。

その薄っぺらさを売りとするコミックソングなら目指す側が『夢は叶う』を使っても大丈夫です。

今度は夢を叶えた人。大物ミュージシャンになった人やプロ野球選手になった人が歌う場合。僕が思うに、みんなの憧れの存在になった人って、もう夢は見ないんじゃないかと思います。壮絶な努力と苦労と時間とお金をかけてやっと達成されたと思うので、『夢は叶う』なんて軽はずみな発言はしないです。

叶えるまでの過程にある辛い思いを聞き手にも味合わせたい人なんていないし、辛い思いをしようが関係ないよって考えているので、あえて『夢は叶う』とは言いません。

『夢が叶った』ならアリです。

夢が叶った結果の話をするなら、説得力があるし中身もあるでしょう。夢を歌うのは叶えたい人と叶った人しかいません。

『夢は叶う』と歌う人は誰で、そして誰に歌うのでしょう？

『夢は叶う』と使うのは、叶えたい人を騙したい人です。

大物になったら若手が出てきて席を奪われたくないですよね？僕が大物だったら『夢は叶うから、努力はそんなに必要ないよ〜』と歌って若手を蹴落とします。もしくは『僕に月謝３万円払えば週に１時間レッスンをしてあげる、そうすれば夢は叶うよ〜』と歌って金儲けしますね。

とっても嫌な奴ですよね。でもこっちの方が『夢は叶う』の奥にドロドロとした人間の感情が見えてきて面白いと思いませんか？

『夢は叶う』を歌詞に使う場合は、具体的な内容と奥に見える人間の感情が必要です。

夢は叶うから、頑張ろう！なんて、薄っぺらくて聴いてられません。

自分自身を騙す説が出ました

こんな意見もありました。

”『夢は叶う』と使うのは、叶えたい人を騙したい人”かぁ。僕は、そう自分自身を騙したくて夢は叶うと歌うのだと思う。『夢は叶う』は歌詞で使わないほうがいい。みんな薄っぺらいって思ってるよ http://t.co/tZBTF3j2Q9 @Past_Orangeさんから

— きくよ[Q29]@M3に出よう (@kikuyo_nmx) 2015, 6月 24