Vol.103 見上げるほどの身長差の相手と、ライバルたちとの恋のカケヒキ。 『オ・モ・イ アプローチ / NI+CORA』

公開日: : 最終更新日:2018/07/23 ANALYZE ,

オ・モ・イ アプローチ / NI+CORA

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

アイドル育成カード&リズムアクションゲーム『Tokyo 7th シスターズ』をご存知でしょうか?

通称『ナナシス』ですね! リズムゲームが多くリリースされる中、以前より気になっていたんですよね。

なぜ数あるリズムゲームの中でナナシスに惹かれたか、それは曲がとってもカッコ良いからなんです!!

ツイッターの広告とかで流れてて聴いてみたらめちゃめちゃカッコよくて。

音ゲーで音楽って最重要だと僕は感じています。ナナシスはバッキバキのエレクトロサウンドが主になっていて僕好みなんですよね。

エレクトロからテクノポップ、ディスコの曲調を取り入れたアイドルソングが揃っていまして、中田ヤスタカサウンド好きにもオススメできるのではと思います。

ってことで、今回はナナシスの楽曲をご紹介します!


NI+CORA 「オ・モ・イ アプローチ」

天堂寺ムスビとアレサンドラ・スースのユニット「NI+CORA」の初期楽曲ですね!

初期楽曲なのでゲーム開始直後からプレイできるんですけど、これはハマりますね。

2000年代後半のエレクトロ、日本のテクノポップリバイバルから、現在のディスコリバイバルに通ずるものを感じます。

ここら辺が好きな人はナナシスの楽曲バッチリ合いますので、ぜひ触ってみてください!

さて、作詞はカナボシ☆ツクモさん、作曲はU-ji aka 霊長類Pさんです。

カナボシ☆ツクモさんって、正体不明?ここもナナシスならではの設定があるそう。

U-ji aka 霊長類PさんはボカロPもやられている作曲家さんですね。キラキラしたハウスサウンドが特徴的な方なんですね!

では、オ・モ・イ アプローチの歌詞とコード進行を見ていきましょう!

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オ・モ・イ アプローチの歌詞について

では、歌詞の一部を引用して見ていきましょう!

他の誰かのドレスを踏まないで
ずっと同じ鼓動だけ tsu tsu tsu 続けてる
少し届かない私には低めからの
“オ・モ・イ”アプローチ

ドレスを着るような場所、パーティー会場とかでしょうか? もしくはダンスルームとか、上品な印象ですね。

ドレスを踏むということは、それだけ距離が近いということ。私以外の誰かと近づかないでよ! という想いが込められていますね。

そして、低めからのアプローチ。これは身長差のことですね。見上げるような相手に対して恋心を抱いているとわかります。

ワンステップ
耳を立てて、声見つけたら
ツーステップ
色褪せてた運命を忘れるの

だって 世界の謎みたいに
打ち込まれてるカケヒキ
きっと痛いの でも知ってるの
引き込まれていく

ステップを踏んでるので、やっぱりダンスルームのような場所なのではないでしょうか。

大勢の人ごみの中で相手の声を見つけたんですね。以前運命のように感じて、でも何事もなく過ぎてしまった日々を忘れて、もう一度アプローチしよう!ってことですね。

でも、すでにカケヒキは始まっている。恋のカケヒキですね!

これは意中の相手とのことでもあり、ライバルたちのことでもあります。

一度だけの視線だとは言わないで
きっといつかの誰かも chu chu chu 気にしてる
戦闘開始の合図なら私だけに既に聞こえてる

以前の運命を感じた時の話ですね、目線があったこと。それをたった一度だけ、大したことじゃないなんて言わないでよ!ってことです。

あなたにとってはたまたま一度目があっただけかもしれないけど、私も、そして他の人たちもそれを気にしてるのよ!って主張してます。

戦闘開始とは、相手と周りのライバルたちとの恋のカケヒキのこと。近く前から勝負をかけてるってことなんですね!

後半部分も恋のカケヒキの様子、想いを寄せる姿が可愛らしく描かれています。

乙女心が前面に出た歌詞だと思います!

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オ・モ・イ アプローチのコード進行について

今回はサビ・間奏・Aメロ・Bメロと分けて見ていきたいと思います。

サビ1 譜面で
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キーエディターで
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Cマイナーの曲ですね。A♭M7→G7→Cm7→B♭mなのでⅥM7→Ⅴ7→Ⅰm7→Ⅶmです。

ⅥM7→Ⅴ7→Ⅰm7、ロクゴーイチはマイナー曲の定番中の定番コード進行です。

このロクゴーイチの次に何を持ってくるかで展開を変化させることができますね。

この場合では最後にB♭mが来ていますね。これは近親調のA♭メジャーから借用してきたものです。

Cm7→B♭m→A♭M7と繰り返しが綺麗に聞こえるように補助的に入っていると感じます。

丁寧なコード進行だと感じますね!

サビ2 譜面で
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キーエディターで
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A♭M7→G7→Cm7→Bm(C♭m)→B♭mなのでⅥM7→Ⅴ7→Ⅰm7→♭Ⅰm→Ⅶmです。

前半2小節とほぼ一緒なのですが、よりなだらかなコードの流れをつくるためⅠm7→♭Ⅰm→Ⅶmが使われています。

単純にマイナーコードを半音で下ってきているんですね! おしゃれです。

こういった違いを出すことで2小節のコード進行に変化をつけています。

ちょっとした工夫ですが印象がガラッと変わっていますね!

間奏 譜面で
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キーエディターで
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サビ後の間奏部分、前半2小節はサビ1と同じコード進行ですので割愛。

後半2小節はA♭M7→G7→Cm7→E♭7なのでⅥM7→Ⅴ7→Ⅰm7→Ⅲ7です。

ここでもロクゴーイチの流れはそのままに、最後だけE♭7に変更されています。

これはA♭M7へ行くためのセカンダリードミナントになります。

サビ1&サビ2のコード進行もA♭M7へ戻るための工夫がされています、間奏部分だって同じ。

しっかりとバリエーションを変えて展開を作っています。考えられてる!

同じコード進行のようで微妙に違う、飽きさせない展開です。

Aメロ1 譜面で
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キーエディターで
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A♭M7→B♭→Cm7なのでⅥM7→Ⅶ→Ⅰm7です。

ダイアトニックコードを順番に上がっていって終止するコード進行。

ゆえに淡々とした印象を与えますね。歌詞でも情景の説明箇所って感じですよね。

落ち着いている感じ。

Aメロ2 譜面で
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キーエディターで
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A♭M7→Gm7→Cm7なのでⅥM7→Ⅴm7→Ⅰm7です。

Aメロ1よりもⅤm7→Ⅰm7が使われているためしっかりと終止している印象です。

強進行で終止感が強くなっていますね、ハキハキしゃべっているような。

Bメロ1 譜面で
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キーエディターで
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Fm7→Gm7→A♭M7→Cm7なのでⅣm7→Ⅴm7→ⅥM7→Ⅰm7です。

Bメロに来てやっとコード進行の頭がA♭M7から変わりましたね!

ガラッと場面が展開したような印象を受けます。温存していた感ありますね!

Fm7→Gm7→A♭M7と上っていきつつもA♭M7と構成音のほとんど変わらないCm7へ。

一応は終止していますが、非常に弱い終止の仕方。腑に落ちないって感情にぴったりかと思います。

Bメロ2 譜面で
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キーエディターで
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Fm7→Gm7→B♭→Cm7なのでⅣm7→Ⅴm7→Ⅶ→Ⅰm7です。

Bメロ1との変化はA♭M7がB♭に変わっただけ。なのに前のめり感が若干増したような印象を受けませんか?

これもBメロ1があるため比較すると前のめりに聴こえるだけなんですけど、サビに向かうぞ!って明らさますぎずに表現できているなと思います。

やや前傾姿勢になったような。Bメロに入った時からサビに向かう準備はされていたってことなんです。

展開を見据えたコード付けがされていますね!

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
thumbnail

最後に

似たコード進行を連ねて乙女心の微妙な変化を表現した可愛い&カッコ良い曲です。

ナナシスは楽曲に力を入れている感が強いので、音楽好きの方には一度ダウンロードして遊んでみて欲しいですね。

あと、ムスビですね。ムスビが良いですよ。ムスビがね、好きだよ僕は。

GANO

リズムゲームならデレステもいかがですか?



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  • gano1
    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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