Vol.124 ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の主題歌! コード進行がやたら多いよ。『恋 / 星野源』
公開日:
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最終更新日:2018/07/23
ANALYZE GANO's ANALYZE, 星野源
恋 / 星野源
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
TBS系火曜ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」に主演として新垣結衣さんと夫婦役を演じる星野源。海野つなみ著者の同名漫画が原作となります。
星野源は主演に加え主題歌も担当しています!
星野 源 – 恋
東洋風のイントロから始まるダンサブルな楽曲となっています! 星野源節が炸裂していますね。
MVディレクターは関和亮、ダンス振り付けはMIKIKOとPerfumeかな? と思うようなメンバー。星野源もアミューズに移籍しましたのでその流れですね。
そしてギターに浮雲こと長岡亮介、ベースにハマ・オカモト、ドラムに河村”カースケ”智康とこちらも豪華なメンバーとなっていますね。隙がない。
では、歌詞とコード進行を勉強していきましょう!
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恋の歌詞について
歌詞の一部を引用して見ていきましょう。耳コピなので間違ってたら教えてくださいね。
営みの街が暮れたら 色めき
風たちは運ぶわ カラスと人々の群れ
意味なんかないさ 暮らしがあるだけ
ただ腹を空かせて 君のもとへ帰るんだ
営みの街とは昼間の賑わっている風景ですね。それが暮れる、夜になって仕事が終わるってことですね。すると家の電気がついて夜なのに昼間より街が色めきだす。
これが普通の暮らしだよねって歌詞ですね、当たり前にあるという。そしてそんな風景を見ながら奥さんの待つ家に帰る。ただただお腹が空いたから、そんな内容ですね。
物心ついたらふと見上げて思うことが
この世にいる誰も 2人から
この部分はなんでしょうね、物心ついたときといえば一般的には子供のころ、小学校中学年ぐらいでしょうか。そのときから何かを思うようになるんですね。
2人とは自分と君、夫婦のことですね。その2人から誰も、なんなんでしょう?
胸の中にあるもの いつか見えなくなるもの
それはそばにいること いつも思い出して
君の中にあるもの 距離の中にあることを
恋をしたの あなたの 指の交ざり 頬の香り
夫婦を越えてゆけ
胸の中にあって、いつか見えなくなる。見えないんだけどなくなったわけではない感情をなるべく思い出さないとね。そんな感じ。
当たり前にそばにいることだって、この距離感にだって以前は嬉しさとか愛情が関係していたのに夫婦になっちゃうと忘れがちになってしまう、そんな言い回しに聞こえます。
でも恋したことは本当。友人から恋人、恋人から夫婦になったけど友人や恋人だった頃の”愛”も忘れずに、そして夫婦以上の間柄になっていこう。そんな歌詞の内容になっています。
明確な言葉を出さないところが、夫婦間だけでわかる会話のようですね。
歌詞を書く際の参考にしてくださいね。
続いて、コード進行との関わりです。
恋のコード進行について
では、コード進行を見ていきましょう。コード進行のパターン組み換えが多い為長くなっています。大変でしたよ〜。
ここではイントロ・Aメロ・Bメロ・サビ・間奏・Cメロ・アウトロとして考えていきます。
イントロ
イントロ1 譜面で
キーエディターで
恋のキーはAメジャーになります。
DM7→A7/G→F#m7→A7なのでⅣM7→Ⅰ7/♭Ⅶ→Ⅵm7→Ⅰ7です。
2つ目のA7/Gが特殊ですが、DM7からの強進行、その後の半音下降のためこの形になったと思われます。
イントロでは東洋風のメロディがメインとなっていますので、それを活かすためのコード進行ではないでしょうか。
なかなか使うのは難しそう。
イントロ2 譜面で
キーエディターで
DM7→Aaug7/G→F#m7→A7なのでⅣM7→Ⅰaug7/♭Ⅶ→Ⅵm7→Ⅰ7です。
イントロ1でのコード進行のA7/GをAaug7/Gに変えたコード進行です。
こちらもイントロ1と同様に、東洋風メロディーにバリエーションを持たせるためのコード進行だと言えます。
イントロ3 譜面で
キーエディターで
Bm7→C#m7→DM7→Bm7/EなのでⅡm7→Ⅲm7→ⅣM7→Ⅱm7/Ⅴです。
今までの予測しづらい流れとは打って変わって、ここではかなり正直なコード進行です。
Bm7からダイアトニックコードを駆け上がりAメロへの綺麗な助走を決めています。
最後はE7でなくBm7/Eを使うことで上品な表現をしています。
盛り上げる部分の直前で使用すると効果的ですね。
Aメロ
Aメロ1 譜面で
キーエディターで
A→C7→F#m→A#dim7なのでⅠ→Ⅲ7→Ⅵm→#Ⅰdim7です。
トニックから始まる語り出しのようなコード進行ですね。
内声がミ→ミ#→ファ#→ソと半音で登っていくところが特長です。
最後のA#dim7はDへ進むためのドミナント7thであるA7の根音を半音上げた形です。強烈な進行感を与えることができます。
Aメロ2 譜面で
キーエディターで
D→C#m→Bm→Bm7/EなのでⅣ→Ⅲm→Ⅱm→Ⅱm7/Ⅴです。
Ⅳからダイアトニックコードを下ってきてトゥーファイブする定番のコード進行ですね。
最後のBm7/EはE7を上品にした形、この曲では頻繁に使われる代用です。
わかりやすく使いやすいコード進行だと思います。このような順次進行からの強進行をする流れは星野源らしいですね。
Aメロ3 譜面で
キーエディターで
もう1度Aメロ1を繰り返したのち、Aメロ3になります。
D→C#m→E→A→DなのでⅣ→Ⅲm→Ⅴ→Ⅰ→Ⅳです。
ダイアトニックコードを使ったわかりやすいコード進行ですね。
D→C#mときてBmまで下ってくることはせずドミナントからトニックへ解決します。
最後のDはAメロ1に戻る際にA→Aとなると変化がないため挿入された飾りのような役割です。
Aメロ4 譜面で
キーエディターで
D→C#m→E→A→C#m/EなのでⅣ→Ⅲm→Ⅴ→Ⅰ→Ⅲm/Ⅴです。
Aメロ3と似ていますね。今度はAメロ1に戻るのではなくBメロへと進むので最後にC#m/Eが使われています。Bメロの頭のコードがDなのでね。
EではなくC#m/Eを使うのはドミナントを使うとトニックへ帰りたくなってしまうから。そしてベースラインがスムーズにつながるからです。
次のコード進行次第で最後のコードを置き換えていくと使いやすいですよ。
Bメロ
Bメロ1 譜面で
キーエディターで
D→C#m→Aaug/E#→F#mなのでⅣ→Ⅲm→#Ⅴaug→Ⅵmです。
C#m→E#aug→F#mで内声がミ→ミ#→ファ#と半音で登っていくのが特長のコード進行です。
内声の動きに加えC#m→F#mの強進行を滑らかにつなぐためにE#augが使われています。
augの響きが不穏すぎてあまり使いたくない場合はC#/E#を使うのもアリですね。メロディとの兼ね合いを考えて使い分けましょう。
Bメロ2 譜面で
キーエディターで
D→C#m→Aaug/E#→F#m→EmなのでⅣ→Ⅲm→#Ⅴaug→Ⅵm→Ⅴmです。
Bメロ1のコード進行の最後にEmを加えた形です。これは次のBメロ3のコード進行の頭Dへスムーズにつなぐために加えられています。
ノンダイアトニックコードのEmがなぜこんなにスムーズに使えるかというと、Aメジャーの下属調Dメジャーからの借用なんですね。F#m→Em→Dとだけ弾いてみるとわかると思います。
このようにして近親調から借用してくるとスムーズなつながり、少しの浮遊感を与えることができます。
Bメロ3 譜面で
キーエディターで
D→C#m→E→E#m♭5→F#mなのでⅣ→Ⅲm→Ⅴ→#Ⅴm♭5→Ⅵmです。
この曲ではミ→ミ#→ファ#の動きが多く出てきますね!
E#m♭5はC#7の根音省略形です。C#mから強進行する間に、尺伸ばし&アクセントを加えるためにE→E#m♭5が付け加えられています。
少し怪しいコード進行ですね、使いやすいと思います!
この後にイントロ3が来てサビに移ります。
サビ
サビ1 譜面で
キーエディターで
A→C#m→F#m→C#mなのでⅠ→Ⅲm→Ⅵm→Ⅲmです。
C#m→F#mのみ強進行、それ以外は特に特長的な部分はありません。トニックで始まりいったりきたりする、素朴なコード進行。
サビの歌い出しで印象的なメロディをつけるため、コードは派手にしなかった。そのような感じでしょうか。
ベースをスケール内で下方に順次進行しても使うことができるので、もうちょっと味濃くしたいなって方はそのようにして使ってください。
サビ2 譜面で
キーエディターで
D→C#m→Bm→C#m→Bm7/EなのでⅣ→Ⅲm→Ⅱm→Ⅲm→Ⅱm7/Ⅴです。
ダイアトニックコードをいったりきたり、ベースのみ最後に強進行するコード進行です。ここでもE7の代わりにBm7/Eが使われています。
勢いのあるわかりやすいコード進行です。ぜひ1度ご使用を。
サビ3 譜面で
キーエディターで
A→C#m→F#m→AなのでⅠ→Ⅲm→Ⅵm→Ⅰです。
サビ1と似ていますが、最後にトニックに戻ってきて終止していますね。F#mからの終止なので終止感は薄めです。
サビ1を使えばよいと僕的には思うのですが、変化を与えるためにベースを元に戻したのかと。メロディとの被りも避けていますね。
特別な狙いがない場合はこのような時はサビ1を使う方が良いですね。
サビ4 譜面で
キーエディターで
Bm→Bm7/EなのでⅡm→Ⅱm7/Ⅴです。
散々出てくる流れですが、ここでは単体。4小節周りの楽曲に対し2小節削ってこのコード進行を使用しています。3小節にプラス2小節はみ出したとも言えますね。
コード進行から作曲を始めると枠をはみ出しにくいですが、星野源の場合は結構このようなはみ出しをします。
これは歌詞で言いたいことがあったためですね。違和感なく1小節や2小節追加するメロディセンスが星野源の特長です。
サビ5 譜面で
キーエディターで
Bm→C#m→Bm→Bm7/E→AなのでⅡm→Ⅲm→Ⅱm→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅰです。
順次進行と強進行を使った素直なコード進行です。物語を順序立てて説明しているような丁寧なコード進行ですね。
ここでやっと綺麗に終止します。とっても使いやすいコード進行です。
間奏
間奏1 譜面で
キーエディターで
A→Am♭5/CなのでⅠ→Ⅰm♭5/♭Ⅲです。
m♭5という不穏で不安定な響きに加え、内声がミ→ミ♭、ド#→ドと2箇所も半音で下降してきます。
これにより非常にBm7へ行きたくなります。
トニックから全音上のコードに移動したい時に、このようにⅠm♭5/♭Ⅲを間に挟むと怪しさが出て良いですよ。
間奏2 譜面で
キーエディターで
D→C#m→Bm7→B♭M7→AなのでⅣ→Ⅲm→Ⅱm7→♭ⅡM7→Ⅰです。
特長的なのはB♭M7ですね。B♭M7抜きでも成立しますが、これをいれることで洒落た終止ができます。
Bm7→B♭M7でラとレは固定、シとファ#が半音で下降します。そして最後はすべて半音スライド。
繊細で優しい終止に感じます。BPMの遅い曲で使うと繊細さがより際立つかと思います。
Cメロ
Cメロ1 譜面で
キーエディターで
F#m7→Em7→A7→DM7→G#m7♭5なのでⅥm7→Ⅴm7→Ⅰ7→ⅣM7→Ⅶm7♭5です。
Cメロらしく雰囲気がガラッと変わりましたね!
これはAメジャーの下属調Dメジャーに一時転調しています。
最後のG#m7♭5はE9の根音省略形です。Aへ進みたい響きですが、Cメロ2ではAの代理コードF#m7へ戻ります。
マイナーに帰ってしまうため、少しCメロは悲しい雰囲気がしませんか?
Cメロ2 譜面で
キーエディターで
F#m7→B7→Bm7/EなのでⅥm7→Ⅱ7→Ⅱm7/Ⅴです。
ここでは一時転調から強進行を使って勢いよく元の調に戻るコード進行を使っています。少し後ろ向きなサウンドから一気に明るい方へ引っ張られますね!
内声がミ→レ#→レと半音で下降してきて美しいですね。
セカンダリードミナントや強進行を使い勢いがありますが、最後の分数コードが柔らかく包み込んでくれるコード進行だと思います。
勢いはつけたいけど乱暴には行きたくない、そんなときにどうでしょうか。
アウトロ
アウトロ1 譜面で
キーエディターで
サビのコード進行の最後を変えていくのがこのアウトロ部分になります。
Bm→C#m→Bm→Bm7/E→A→F#mなのでⅡm→Ⅲm→Ⅱm→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅰ→Ⅵmです。
サビ5のコード進行の最後にF#mをつけてBmへ強進行でもどれるようにしているコード進行です。
楽曲の最後の盛り上がりに使えるコード進行ですね。
アウトロ2 譜面で
キーエディターで
Bm→Bm7/E→A→F#mなのでⅡm→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅰ→Ⅵmです。
アウトロ1の後半部分のみ繰り返している形ですね。まだ繰り返したいから最後にF#mをつけています。
アウトロ3 譜面で
キーエディターで
Bm→Bm7/E→AなのでⅡm→Ⅱm7/Ⅴ→Ⅰです。
トゥーファイブワンですね! 最後の最後で綺麗に終止しました。繰り返した分達成感がありますね。
Bm→E7→Aより柔らかく上品にしたい、そういうときはBm→Bm7/E→Aです。
これですべてのコード進行が終わりました。ぜひ作曲に活用してくださいね。
最後に
非常にコード進行数が多い楽曲でしたが、どうでしたでしょうか?
実際にはコードの組み換えが多かったり、差し替えたりしているだけなので覚えるコード自体はそこまで多くはないです。
実に星野源らしい楽曲でした。ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。お疲れさまです!
GANO
こちらは大人っぽい楽曲ですよ
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