Vol.63 たった2小節のループを延々使うBreakbeats。『Forget It / Cut & Paste』
公開日:
:
最終更新日:2018/07/23
ANALYZE Cut & Paste, GANO's ANALYZE

Forget It / Cut & Paste
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
前回のThe Chemical Brothersの記事にて「テクノとかブレイクビーツとか歌詞やコード進行が重視されてない音楽も紹介したい」と書いたんですね。
歌詞とコード進行についての記事がメインだったので、その2つが重視されていない音楽は紹介しづらかったんです。
でも僕が最初に作り始めた音楽はHip Hopだし、その次はHouseだったわけで、いわゆるダンスミュージックってものも好きなのでご紹介したいんですよ!
悩ましいなぁ〜っと思っていたところ、音楽ブロガーのラカさん(@MelodealeRaka)から
@Past_Orange リズムパターンに注目して紹介するというのはどうでしょ?
— ラカ@ MeloDealer (@MelodealeRaka) 2015, 10月 15
と助言をいただきまして、よしやってみるかとなったわけです。ありがとうラカさん。
というわけでBreakbeats曲を紹介してみたいと思います!
Cut and Paste – Forget it
Cut & PasteはイギリスのMatt CantorとAndy Gardnerのユニットです。Cut & Pasteという名前からわかるように、非常に検索しづらい!!どうしてそんな名前にしたんだ〜となりますが、Breakbeats音楽は『切って貼り付ける』音楽なので仕方ないかなとも思います。
Breakbeatsとは様々な曲のサンプリングで成り立っている音楽でして、いろいろな曲からドラムやベースを取ってきてカッコよくなるように変えちゃおうぜ!って音楽です。
Hip HopやDrum’n Bassなどの音楽と近いジャンルで、堺があいまいでもありますね。HouseやTechnoでもこの手法は使われるので、厳密にどこまでがBreakbeatsというのはなさそうです。
Cut & Pasteが有名というよりは、Forget Itが有名な印象ですね。ダンスミュージックはミュージシャンではなく曲に注目されることが多いので、一発屋のようなイメージがつきがちですが、ちゃんと他にも作品は出てます。ユニット名もコロコロ変わっちゃうしいろんな人と作品出すし本人たちが名前にこだわってない感じもします。
さて、どのような構造になっているか見ていきましょう!
スポンサーリンク
Cut & Pasteのドラムパターン
基本的に2小節のループです。その2小節が徐々に変化していくのが気持ちが良いですね!
どうでしょうか、書いてみたんですが見づらいかなぁ。
最初はこの組み合わせで進みます。カッチリとした印象を受けるのは、ほとんどのパートが8分音符で割り振られているところです。大部分のアクセントが8分で流れていくため、その間を縫うように16分音符でベースが鳴るところがForget Itの特徴ですね。
そしてカッコ良いのはSnareパート。2拍目4拍目に叩くかと思いきや、1小節2発目は4拍の裏で叩かれます。この聴き手を裏切りつつもカッコよく決めるのがBreakbeatsの醍醐味と言っていいでしょう!4拍目裏で叩いといて、2小節目はしれっと2、3、4拍で叩くところも音だけですがスカしてる感があり、真似したくなりますね。
そして、新たにSnareが加わります。こちらはしっかりと2拍4拍で叩かれるので安定感がありますね。
サンプリングで多用されまくっているIncredible Bongo BandのApacheのボンゴも登場し、一気に細かいノリに変わります。画像ではボンゴは主要なところだけしか色付けしていませんが、うす〜く細かいボンゴが入ってます。
Incredible Bongo Band – Apache
Hihatのオープンが1発だけ追加されているところも気持ち良さが増すポイントですね。
最後にScratchが加わり大まかなビートの完成です。
このようなビートを打ち込む際は、何でもかんでも裏を取ったり16で刻むのではなく、美味しいところだけをそうすることでスカした格好良さが出ると思います。
ビートメイキングの参考になればと思います!
最後に
ラカさんのブログではDTMに役立つ情報が載っています。
特に僕がお世話になっているのは無料で手にいれることのできるプラグインやサンプリング音源の記事ですね。Forget ItのようなBreakbeats系のドラムループが無料で手に入ったりしてマジで助かってます。
海外のサイト&メールは英語が読めないとよく分からないしなんだか怖くてダウンロードするのをためらってしまうこともあるのですが、ラカさんのところに載っていれば大丈夫だろう!って勝手に思ってます。
DTMで作曲をされる方はラカさんのブログもチェックしてみてくださいね。
GANO
このドラムパターンもかっこよい

関連記事
-
-
Vol.79 花嫁を奪って駆け落ち。それは道に迷うのか、それとも拓くのか。『Get Lost / Breakbot』
Get Lost / Breakbot どうも、GANO(@Past_Orange)です。
-
-
Vol.85 巡り巡ってやっと君と出会えたよ。『Runnin Around / Zak Waters』
Runnin Around / Zak Waters どうも、GANO(@Past_Orange)
-
-
Vol.127 ♭9や♭13が半音でぶつかり不穏な空気を演出する繊細な1曲。『Dream On / Aerosmith』
Dream On / Aerosmith どうも、GANO(@Past_Orange)です。
-
-
Vol.104 かつて僕らはポップキッズと呼ばれ、そして君を愛していた。『Pop Kids / Pet Shop Boys』
Pop Kids / Pet Shop Boys どうも、GANO(@Past_Orange)です
-
-
Vol.37 無理に明るくして誤魔化してる、本当の気持ちをはっきり言えない『Tongue Tied / Grouplove』
Tongue Tied / Grouplove どうも、GANO(@Past_Orange)です。
-
-
Vol.87 フリジアン・スケールで怪しく問う。『What Do You Want? / Gotye』
What Do You Want? / Gotye どうも、GANO(@Past_Orange)で
-
-
Vol.28 渋さがさらに切なさを強調する、嘆く男の失恋歌。『美しく燃える森 / 東京スカパラダイスオーケストラ』
美しく燃える森/東京スカパラダイスオーケストラ どうも、GANO(@Past_Orange)です。
-
-
Vol.96 まっすぐな表現が可愛らしい曲!『Heartbeat / tahiti 80』
Heartbeat / tahiti 80 どうも、GANO(@Past_Orange)です。
-
-
Vol.137 スモーキーな雰囲気を出すために、1つのコード進行に代理コードを詰め込んだ。『A.G.I.T. / Suchmos』
A.G.I.T. / Suchmos どうも、GANO(@Past_Orange)です。 今
-
-
Vol.5 Earth, Wind & Fire や Michael Jacksonへのリスペクトを感じるディスコソング。『Treasure / Bruno Mars』
Treasure / Bruno Mars どうも、GANO(@Past_Orange)です。






