Vol.8 3拍子のソウルナンバーを4拍子のハウスに変えてしまった力作。『Just A Little Lovin’ / Irfane』

公開日: : 最終更新日:2018/07/23 ANALYZE ,

Just A Little Lovin’ / Irfane

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

以前、サンプリングとは何か? という記事を書きました。

この、サンプリングという手法が最大限に生かされた曲を今回は紹介します。


Just A Little Lovin’ / Irfane

聴いてもらうとわかるように、3拍子の曲をブツブツ切って無理やり4拍子にしています。

この粗さがかっこいいですよね!

実はこれ、ブートレグ(海賊版)でして、サンプリングした原曲側に許可を取っていないままリリースされています。

なのでちゃんとしたジャケもないし綺麗な音源もありません。

でもクラブシーンでは大ヒット!

仕方がないので正規版をリリースする流れとなりました。

そこらへんの流れも今回は紹介したいと思います。

サンプリングした原曲のお話、そして歌詞とコード進行について勉強していきましょう!

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Just A Little Lovin’の元ネタについて

まずは楽曲の元ネタについてです。

オリジナルは1969年にリリースされたこちら。


Just a Little Lovin’ / Dusty Springfield

Dusty Springfieldが歌うこの曲がオリジナルです。

3拍子でスローに、ソウルフルに歌い上げています。

朝方にゆったりとコーヒーでも飲みながら

こんな世界も悪くないわ
悪いこともあるけど、きっと良いこともあるわよ

なんて歌ってるんでしょうか。優しい歌、好きです。

作詞はCynthia Weil、作曲はBarry Mann。この2人、夫婦です。

多くのカヴァーが生まれた

この時代は作詞家、作曲家、歌手というのがしっかり別れている事が多く、この曲も多くの歌手がカヴァーしています。

僕はMel Dancyの歌うJust A Little Lovin’が結構好きです。

(動画が見つからないので割愛)

そしてそのカヴァーの中で大事になるのがこの曲です。


Just A Little Lovin’ / Sarah Vaughan

オリジナルはCmでしたが、Sarah VaughanはB♭mですね。

このカヴァーはジャズ風で渋さが出てます。

Dusty Springfieldは優しい日差しの中で聴きたいですが、Sarah Vaughanは夜のバーで聴きたいですね。ん〜、渋い。

Jazzカヴァーからハウスへ

そしてこの、Sarah Vaughanカヴァーをサンプリングして作られたのがこの曲となります。


Just A Little Lovin’ / Irfane

3拍子を切り貼りして4拍子に変えてしまっています。キーもB♭mからBmへ。

まさに力技ですね!

ブツブツと入るレコードノイズや、すべてをまとめ上げるスラップベースが非常にカッコいいですよね。

ボーカルはIrfneなので、その名義でリリースされていますが、トラック制作は別です。

この絶妙なサンプリングをみせたのはドイツを拠点に活動するDJ集団/プロデューサー軍団のJazzanova。

Sonar Kollektivというレーベルもやっているので、知ってる方も多いはずです。

海賊版から正規リリースへ

非常にカッコ良い曲ですが、サンプリング元であるSarah Vaughan側に使用許可を得ていないブートレグになります。

ブートレグであるため、このレコードの入手は困難でした。

2002年当時クラブシーンでは人気曲となりながらも、需要と供給のバランスが全く上手くいかないという時期が長く続きました。

すでに海賊版でリリースしてしまったこと、原曲をブツブツに切ってしまっていることもあり、Sarah Vaughan側から許可が下りることはありませんでした。

Sarah Vaughan側から許可を取ることを諦め、新しくサンプリングし直して正規リリースとなりました。


Just A Little Lovin’ / Irfane feat. Outlines

すでにあるカヴァーからサンプリングしたのか、それとも新しくカヴァーし直したものをサンプリングしたのかは定かではありません。

ですが、綺麗に録音し直されているため少しスッキリしすぎにも思えます。

キーもB♭mに戻り、MVもちょいダサ。

確かにカッコ良いですが、あの粗さが好きだった方には少し残念ですよね。

多くの変化を経て作られた楽曲だということがわかります。

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Just A Little Lovin’の歌詞について

では、歌詞を引用して見ていきましょう。

Just a lil’ lovin’
Early in the mornin’
Just a lil’ lovin’
Early in the day

For started of the day

繰り返されるサンプリングされたコーラス部分ですね。

目覚めた時にある小さな幸せのことを歌っています。

それは朝日のことかもしないし、小鳥のさえずりかもしれません。

普段からある、些細なことも幸せに感じるってことだと思います。

Hold me tight
And say that you love me
It’s what I need to hear
When I open up my eyes

Your my light
The sun shines above me
When the clouds reappear
You breakin’ up my skies

ヴァース部分では愛のメッセージが強烈なほどに入ってきます。

目覚めた時には愛していると言いながらきつく抱きしめて欲しいと要求してますね。

どんなに曇り空でもあなたがいれば晴れた朝みたいなものよってことでしょう。

I want to let you know
For everybody said I was saying
Felt like my dream come true
The second sec I eyes on you

To you my happiness
I owe to you the simple song I play
Co’z you give me a lil’ lovin’
Early in the day

あなたが大好きってことはずっと言ってきたから、みんな知ってるのよ! と教えたいって感じでしょうか。

結構な好き好きアピールですね!

あなたは愛をくれるから、私もその喜びをこの歌で伝えるよ。

そんな優しいメッセージが詰められた曲となっています。

ハウスなので、少しメッセージが強めに感じます。

歌詞を書く際の参考にしてくださいね。

続いて、コード進行との関わりです。

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
thumbnail

Just A Little Lovin’のコード進行について

ではコード進行を見ていきましょう。

同名の楽曲を多く記載してしまったので、改めましてこちらの動画を貼っておきます。


ブートレグとしてリリースされたJust A Little Lovin’のコード進行を見ていきましょう。

コード進行1 譜面で
jll1

キーエディターで
jll2

Just A Little Lovin’のキーはBマイナーになります。

Bm7→Em7→F#m7→E/BなのでⅠm7→Ⅳm7→Ⅴm7→Ⅳ/Ⅰです。

マイナースケールの主要三和音を使ったシンプルなコード進行です。

コードEもハーモニックマイナースケールに出てくるコードですので、ダイアトニックコードのみのコード進行となります。

マイナーコードが続き最後にメジャーコードがくることで、ここで変化が起こるよという合図ができています。

ゆったりとしたコード進行だと感じます。

原曲の方ではE/BではなくEとなっています。

コード進行2 譜面で
jll3

キーエディターで
jll4

Bm7→Em7→F#m7→G#m7なのでⅠm7→Ⅳm7→Ⅴm7→#Ⅵm7です。

ほとんどコード進行1と変わりませんが、最後のコードのみG#m7となっています。

急にノンダイアトニックコードが差し込まれるため、ハッとしますよね。

F#m7をそのままスライドさせた形ですが、これは同主調Bメジャーからの借用とも言えます。

そのため、マイナーの雰囲気で来た中に明るい展開が来るような雰囲気が差し込まれます。

ここから明るくなるのでは? そう思わせるようなコード進行です。

最後に

今回は僕の知る曲の中で1番の「サンプリング曲」を紹介してみました。

こういうブツブツサンプリング、楽しいです。

GANO

IrfaneはBreakbotと仕事が多め



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    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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