僕が既存の楽曲を考える際に、時代背景をあまり重視したくない理由

公開日: : 最終更新日:2018/07/23 作詞作曲法 , , ,

楽曲の解析

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

上部メニューにあるANALYZEコーナーでは、既存の楽曲を歌詞やコード進行から分析したものを紹介しています。楽曲が伝えようとする想いをいろんな視点から考えお伝えするのが目的です。

その視点のひとつに『時代背景』というものがあります。

その曲が作られた時代を考えることによって、その作者の想いを汲み取ることができるのです。

 

時代背景を探ることは確かにとっても大事なのですが、

 

僕はあまり重要視したくありません。

 

分かってます、知ってると知らないのでは歌詞の意味が変わってくることなんてたくさんあります。ですが、あえてそこを見ないようにして楽曲を分析する理由があるんです。

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時代背景は確かではない

時代はどんどん変わっていきます。その時の人々の気持ちを歌おうとして、その時代の影響が歌詞に出てしまっている曲はたくさんあるわけです。


ポケベルが鳴らなくて/国武万里

 

ポケベルが〜鳴らなくて〜と言われても今の10代はピンと来ないんです。今のLINEがこの時代のポケベルだよと説明しないといけません。

ですが、そこはその次の歌詞『待ちぼうけ』『今どこで何をしているの?』『電話できない』からポケベルがなんなのかを汲み取るべきと考えています。

音楽は聴覚情報を最優先すべきと僕は思います。それが一番確かであり、時代背景という情報は不確かだからです。


神田川/かぐや姫

 

この曲を聴いてどう思うでしょうか?特に印象的なこの部分

ただあなたの優しさが怖かった

優しさが怖いというのはどんな感情だろうと考えた時、僕は

『この優しさがなくなってしまったら怖い』

という感情だと思いました。

 

この曲がリリースした当時、学生運動が盛んな時代だったそうです。この曲は学生運動の活動家だった主人公が女性との生活を歌った曲だそうです。その情報を得て解釈すると

『あなたとの生活が幸せで、活動家としての自分を忘れそうで怖い』

ということになります。全く違った意味になるし、これはこれで良いなと感じます。

ですが、僕にとって学生運動はまったく身近ではないし、そういう意味だよと言われたらまったく感情移入できなくなってしまいます。現代において、この歌詞は『優しさがなくなっら怖い』でいいのではないでしょうか?

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良い曲は時代が変わっても愛される

時代は変わっても、曲そのものは変わらずに在り続けます。

時代を超えて愛される曲は、その時代ごとの解釈ができる曲だと思います。

 

その時代を生き抜いた人にしか分からない曲であっては、長く愛されはしないと思います。

 

神田川の歌詞に学生運動という言葉が入らなかったからこそ、平成生まれの僕も良い曲だと感じたのでしょう。

若い者には分からない、経験してない奴には分からないと言っていしまったら、あまりに寂しくないですか?

最後に

とは言うものの、時代背景は『あまり』気にしないと強調して言っておきます。だって当時の解釈も現代の解釈も楽しめたら2倍良いでしょ?

神田川が学生運動の活動家の歌だと知った時は、その視点だったのか!と興奮したのを覚えています。その興奮も楽しみの1つです。

時代を超えて愛される曲を作りたいものですね。

GANO



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    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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