Vol.33 純粋な気持ちで音楽を作ることを忘れてはいないだろうか?『Walking on the clouds / 藤原さくら』

公開日: : 最終更新日:2018/07/23 ANALYZE ,

Walking on the clouds / 藤原さくら

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

お店の有線に最新チャンネルってものがありまして、2ヶ月ほどの最近のJ-POP楽曲をチョイスして流すチャンネルがあります。

最近はこ〜ゆ〜のが流行りなのね〜なんつって耳を傾けているのですが、突然洋楽が流れてきた!となりました。こちらです。


日本の楽曲でした。驚き!いい声してますよね。

現在の日本ではダンスロック・EDM系・アイドルソング・アニソンが人気だと感じてまして、デジタルな音色と歌を幾重にも重ねたアレンジが多いです。

その中でこの曲が流れてきたので、良い意味で『浮いていた』

 

藤原さくらさんはとっても若いシンガーソングライターです。現在19歳!にしてはとっても味のある歌声。

さて、どんな曲なのでしょうか?

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歌詞について。優しい愛の歌

全て英詞なのですが、本人が作詞作曲なだけあってとっても簡単な文章です。ありがたい!

Rainy day the rain falls down on my face
But meeting you, seeing you, my darling

Rain falls down on my faceという表現は『雨が顔に落ちる』って直訳になりますが、基本的に傘さすでしょ?さしてなかったら顔だけじゃなく全身ビショビショですし。

あえて顔に落ちると表現することで、『泣いている』『悲しいことがあった』ということを言っています。だからそのあとのbut『でも』につながるわけですね。

『悲しいことがあったけど、でもあなたに会えるんだわ』そんな感じ。

You make me feel warm inside
I feel like I’m walking on the clouds

いいですね、好きな一節です。さっきまでは雨の中ちょっぴり悲しい気持ちだったのに、あなたに会うと優しい気持ちになって雲の上に登った気持ちになったということですね。

幸せでふわふわと浮かぶような、暖かい気持ち。

Hand in Hand I got it I got it all
Don’t even need to say “Please stay with me”

ここがちょっと切なさを感じる部分です。あなたと手をつなぐとすべてを手にしたと感じてるんですが、その後に『そばにいてなんて言う必要ないの』と続きます。

言う必要がないのに、そのことをわざわざ言っている。これは自分に言い聞かせているんだと思います。

 

ちょっと悲しいことがあって、でも大好きなあなたがいる。手をつなぐだけで幸せ。今は手をつないでいられるのに、あなたがいなくなることが怖くなってしまう。

 

こんな気持ちを歌っているんじゃないかと思います。このちょっと切ない気持ちをコード進行でも表現されています。

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コード進行について。シンプルだ!

サビの部分のコード進行を引用しました。

譜面で
huziwara

キーエディターで
huziwara2

歌詞でもわかるように、この曲はとっても純粋で素直な曲。なのでコード進行もシンプル!!

キーはCメジャー、そしてC・F・G(Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ)とCの代理のAm(Am7)で構成されています。ストレートな気持ちなんだ、基本のお手本な曲だ!

 

やはり注目すべきはF→GときてあえてAm7を使うのか。これはちょっとした不安を表現しています。

まず最初のAm7の部分の歌詞は『I got it all』です。『すべてを手にいれた』ということは、後はなくなるだけなんです。失う道しかないではないかと不安になっている、そんな気持ち。

 

そして2回目は『Please stay with me』ですね。『お願いそばにいて』がちょっと悲しい雰囲気になるわけで、あなたを失うのが怖いという気持ちがこのAm7に込められています。

不安感を表現しつつも、最後はしっかりF→G→Cという明るいコード進行と共に『あなたとならどこへでもいけるわ!』と歌っています。爽やかな曲ですね!!

ベルメゾンのCM曲も良かった

藤原さくらさん、実は以前にもCMで歌声を聴いていいなと思っていました。

寒さなんてほっとこっと〜って耳に残ります。好きですこれも。

事務所はなので、4月から移籍した星野源とのコラボが見れたら嬉しいなと勝手に思っております。

最後に

優しい歌詞とシンプルなコード進行でできた良い曲です。

藤原さくらさんが自分の心に素直に向き合って書いた曲なんだと感じています。

 

僕たちはどうでしょうか?流行りの曲調にしないと聴いてもらえない!とか、テンションボイシング入れまくって転調しまって頭良く思われたい!のように考えながら作曲してないでしょうか?

もっと自分に素直になって曲を作ると、こんな優しい曲が出てくるかもしれませんよ?

GANO



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    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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