Vol.132 DiscoからWest Coast Hip Hopの流れをオマージュした1曲。『24K Magic / Bruno Mars』
公開日:
:
最終更新日:2018/07/23
ANALYZE Bruno Mars, GANO's ANALYZE
24K Magic / Bruno Mars
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
24カラット=純金。字面見ただけでお金がなくなりそうです。
お金に目がくらむと言いますが、目どころか理性を失うほどの大金を見せられたら人はどうなっちゃうのでしょう?
今回紹介するのはこの曲!
Bruno Mars – 24K Magic
Bruno Marsの2016年の新作アルバムから先行配信されていた楽曲です。
2016年らしからぬDiscoな楽曲ですね! そしてディスコからの流れでHip Hopな Bruno Marsはいつも古い楽曲をオマージュしている印象。憧れがあるんですね。わかります!
今回の24K MagicはMr. TalkBoxのイントロからZapp感満載です。
Zapp & Roger – California Love
Uptown Funkに引き続き古くさ〜って感じですが、ディスコリバイバルな流れを意識しているのは間違いありませんね。
では、歌詞とコード進行を勉強していきましょう!
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24K Magicの歌詞について
歌詞の一部を引用してみていきましょう。
Tonight
I just want to take you higher
Throw your hands up in the sky
Let’s set this party off right
今夜、君をハイにさせたいで始まる歌詞なので、すでに危ない感じがプンプンしてますね。
両手を上げてパーティー開始! チャラチャラしています。もうこれがこの曲のすべてな気がしますね!
Players, put yo’ pinky rings up to the moon
Girls, what y’all trying to do?
Twenty four karat magic in the air
Head to toe soul player
ピンキーリングは小指につける指輪ですね。24カラットとは純金のこと。指輪やら金やら遊び人やら、ギラギラしてますね。
金にまみれて遊びまくろうぜ! そんなコーラスです。危ない男の歌だ、ディスコソングで古くからあるやつですね!
全体を通してこんな感じの歌詞です! 特に読み解いていくと深みが出たり、とかはしません。
やはり80年代のオマージュ的な内容となっています。危ないってわかっていても理性もぶっ飛ぶほどのお金を見せられるとダメなんですね〜。恐ろしい!
歌詞を書く際の参考にしてくださいね。
続いて、コード進行との関わりです。
24K Magicのコード進行について
ではコード進行を見ていきましょう。
ここではイントロ・コーラス・ヴァース・ブリッジとして考えていきます。
イントロ
イントロ1 譜面で
キーエディターで
24K MagicのキーはFマイナーになります。
Fm7→Cm7→Am♭5なのでⅠm7→Ⅴm7→#Ⅲm♭5です。
安定のトニックから始まるコード進行です。
Cm7→Am♭5で構成音がシ♭→ラと下降してきますね。この次はさらに半音下降させるのが好ましいです。
m♭5の響きは不安定で、コードとコードの間につなぎとして入れることが多いので、なにかの予兆として使うと良いです。
イントロ2 譜面で
キーエディターで
A♭m6→G7sus4→A♭aug/CなのでⅢm6→Ⅱ7sus4→Ⅲaug/Ⅴです。
A♭m6はFm7/A♭と同じ構成音なので安定感がありますね。ベースをFに持ってきてしまうと安定しすぎるため、A♭をベースにしていると考えられます。
そしてG7sus4→A♭aug/C、これはベースラインだけ見るとトゥーファイブになっていますね。
トニックに向かうベースラインに、ファ→ミという半音の流れを作ってFm7へ戻ろうとするコード進行となっています。
不安定で怪しいコード進行ですね!
余談、A♭aug/CはCaugと同じ構成音です。ではなぜA♭aug/Cとわざわざ分数コードにするのでしょう?
Caugの構成音はド・ミ・ソ#です。しかし楽曲はFマイナーキー、フラット系に属します。ソが半音上がっているのではなく、ラが半音下がっていると考えます。
すると構成音はド・ミ・ラ♭、ミについた♭がナチュラルになる、こうなるとA♭augですよね。
でもベースはドなので、A♭aug/Cと表記しています。
シャープを付け足すのではなく、フラットを打ち消す方が適切だと考えました。実際にはA♭aug/CとCaugは同じ構成音です。
ただ実際には曲の流れ次第だと思います。今回はコードを繋げる際にこれが適切だと感じただけなので、他の場合はCaugの方が適切かもしれません。
イントロ3 譜面で
キーエディターで
Fm7→Cm7なのでⅠm7→Ⅴm7です。
イントロ1で使われていたコード進行のパッシングコードを抜いたものです。
マイナーコードが2つ並ぶだけ、強烈な進行感もなければ不安定な印象も受けません。
スカしているような印象です。
コーラス
コーラス1 譜面で
キーエディターで
Fm7→B♭m7なのでⅠm7→Ⅳm7です。
トニックから始まり強進行するコード進行です。
繰り返す際もサブドミナントからのトニックなので強烈な進行感を与えず繰り返します。
マイナーコードのみなので変化も少なく感じますね。
Fool To Love / Nao も同じコード進行を使っています。
コーラス2 譜面で
キーエディターで
Fm7→B♭m7→D♭M7→A♭aug/CなのでⅠm7→Ⅳm7→ⅥM7→Ⅲaug/Ⅴです。
前半部分はコーラス1と同じ、後半は頭に戻るための進行だと言えます。
D♭M7→A♭aug/Cで構成音がレ♭→ドとファ→ミと半音で下降しています。
繊細なコード進行だと感じますね!
ヴァース
譜面で
キーエディターで
D♭M7→Fm7なのでⅥM7→Ⅰm7です。
D♭M7とFm7では構成音がほとんど一緒なため、あまり変化を感じませんね。
安定感を保ちつつ、飽きないようにベースを動かしているようなコード進行です。
ブリッジ
譜面で
キーエディターで
Cm7→B♭m7なのでⅤm7→Ⅳm7です。
ドミナントからサブドミナントに戻っているので、そのままサブドミナントを持続すると不完全燃焼な印象を受けますね。
不快ではないけど、なにか物足りない。動いて欲しい、そんな風に感じさせることができるコード進行です。
最後に
もう古臭すぎ、もっと音圧がなくて音質も悪ければ80年代にリリースした曲と言われても気がつかないかも。
いつでも楽しませてくれるBruno Mars、最高です。
GANO
こっちは70年代!
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