Vol.5 Earth, Wind & Fire や Michael Jacksonへのリスペクトを感じるディスコソング。『Treasure / Bruno Mars』

公開日: : 最終更新日:2018/07/23 ANALYZE ,

Treasure / Bruno Mars

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

引用とパクリ、オマージュとパロディ、”どこからがセーフでどこからがアウトか”の問題は終わりがありません。

このサイトではパクリ作品だと批判する記事は書きません。主に良い曲を知ってもらうために書いています。

Bruno Marsは批判されることもありますが、先人たちへのリスペクトをすごく感じる曲を作る人だと僕は認識しています。

Treasure / Bruno Mars

3:4の画面サイズに荒い映像。

そして当て振りさえしないバックミュージシャンたち(ライブではしっかり演奏しています)。

70年代後半から80年代前半ごろに流行ったディスコソングを明らさまにオマージュしていますね。

2013年の作品ではありますが、映像込みで聴くと勘違いしそうなほどですよね!

Earth, Wind & Fire – Let’s Groove

MVの元ネタはこちらでしょう!

Let’s Grooveは1981年の楽曲です。Bruno Marsのディスコ好きが伺えますよね。

では、歌詞やコード進行を勉強していきましょう!

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Treasureの歌詞について

まず、歌詞の一部を引用して見ていきましょう。

Give me your, give me your, give me your attention, baby
I gotta tell you a little something about yourself
You’re wonderful, flawless, ooh, you’re a sexy lady
But you walk around here like you wanna be someone else

“Give me your”を3回も繰り返していますね。

これは日本語に直すと「ちょっとちょっとちょっとそこの彼女!!」ではないでしょうか?

つまり甘い言葉を巧みに使いこなすナンパ男なわけです。

過剰な表現もそれなら納得できませんか?

I know that you don’t know it, but you’re fine, so fine
Oh girl, I’m gonna show you when you’re mine, oh mine

ナンパは進みます。より話を聞いてもらうためにホラを吹いているように聞こえますね。

「君の本来の姿を引き出すために、1回僕のものになってみない?」

そんな感じですね!

交換条件を出してくるあたり、やり手です!

Treasure, that is what you are
Honey, you’re my golden star
You know you can make my wish come true
If you let me treasure you

コーラスでは「宝物」であり「星」であると口説きます。

多分これ、他の女性にも言ってますよね!

決まり文句であるとわかっていながらも、そんな彼に惹かれてしまう女性も多くいるってことなんですよね。

悪い男が好き、軽い男についつい捕まっちゃう女性は昔からいるんですね。

この歌詞の内容からも、往年のディスコソングへのリスペクトが感じられます。

歌詞を書く際の参考にしてくださいね。

続いて、コード進行との関わりです。

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Treasureのコード進行について

それでは、コード進行を見ていきましょう。

ディスコソングであるため、楽曲を通してヴァースでもコーラスでも同じコード進行が使われています。

コード進行1

譜面で
treasure1

キーエディターで
treasure2

TreasureのキーはE♭メジャーです。

A♭M7→Fm7→Gm7→Cm7なのでⅣM7→Ⅱm7→Ⅲm7→Ⅵm7です。

非常に明るい曲ですが、コード進行だけをたどると大人で落ち着きのあると感じます。

頭に明るいA♭M7が来ながらも、そこからFm7→Gm7→Cm7はマイナーコードばかり。

平行調Cマイナーのヨンゴーイチが後半にくることで、終止はしないけど落ち着いた終わり方ができています。

ベースラインが階段を降りたり登ったりするように動くのも特徴的ですね。

コード進行2

譜面で
treasure3

キーエディターで
treasure4

A♭M7→Fm7→B♭7sus4なのでⅣM7→Ⅱm7→Ⅴ7sus4です。

ほとんどコード進行1と変わりませんが、後半がB♭7sus4となっています。

Fm7→B♭7sus4とくることでニーゴーとなりイチのトニックに行きたくなりますよね。

期待感を高めさせる展開です。

B♭7であったなら明らさまですが、sus4コードにすることで完全音程の澄んだ響きで明らさま感を回避しています。

実際にトニックには行かず、頭のA♭M7に戻り繰り返すため終止はせず永遠と続けることができます。

躍らすためのディスコソングでは”あるある”ですね!

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
thumbnail

最後に

古くからのディスコファンにもウケ、現在のダンスミュージック好きにもウケるBruno Mars。

その秘密は古い音楽への大きな愛が楽曲から感じ取れるからではないでしょうか?

決してパクリではない、愛で楽曲を作る素晴らしいシンガーだと僕は思います。

GANO

Michael Jacksonへのリスペクト作品でもあります



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    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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