Vol.113 この愛自体がただの通り雨だったの。『みずいろの雨 / 八神純子』

公開日: : ANALYZE ,

みずいろの雨 / 八神純子

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

通り雨やスコール、ゲリラ豪雨なんて最近は言いますね。

一瞬力強くドバッと降って、降り終わってしまえば何もなかったように清々しさすら残ります。

今回紹介するのはこの曲!

八神純子 みずいろの雨

強い! 歌がすごい強い!

日本のシンガーソングライター、八神純子さんの1978年の楽曲です。作曲も八神純子さんですね。

かなり力強い歌なのですが、その力強さが逆に悲しさを感じさせてしまう曲となっているようです。

では、歌詞とコード進行を見ていきたいと思います。

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みずいろの雨の歌詞について

歌詞の一部を引用して見ていきましょう!

ああ みずいろの雨
私の肩を抱いて つつんで
降り続くの・・・
ああ くずれてしまえ
あとかたもなく 流されてゆく
愛のかたち

雨が肩を抱いて包んでいる、つまり雨の中傘もささずに立っているってことなんですね。

雨に色はありませんが、雨の絵を描くときは水色を使いますよね。『みずいろの雨』と表現することで雨の度合いを強めているように感じます。

悲しみの雨ですね、愛したこと自体を消していく悲しみの雨です。

やさしい人ね あなたって人は
見ないふりしていたの 私のあやまち
ひとときの気まぐれ 通りすぎるまで
忘れてよ 忘れてよ 愛したことなど

相手のダメなところを見ないようにして、やり過ごしていたようです。

ダメなところを見ないで誤魔化してきた分、別れの時が辛くなってしまうんですね〜。

この愛自体が雨のようなもの、すぐに終わるものだったんだと悟っています。

明確に何がダメだったのかはわからないのですが、こういう曲を聴くとすぐ不倫では? と思ってしまいますね。

悲しみの雨の中で叫ぶような悲しさと強さの曲です。

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みずいろの雨のコード進行について

では、コード進行を見ていきましょう。

コーラス、ヴァースと考えていきたいと思います。

コーラス

コーラス1 譜面で
ma1

キーエディターで
ma2

キーはDマイナーです。

Dm7→Dm7/C→B♭M7→Am7なのでⅠm7→Ⅰm7/Ⅶ→ⅥM7→Ⅴm7です。

Dm7→Dm7/C→B♭M7まではDmを抑えながらベースを下降していくような形になっています。

悲しみの中に落ちていくようなコード進行だと思います。

ダイアトニックコードを使いベースを下降させていくだけなので、比較的使いやすいのではないでしょうか?

降り注ぐ雨を表現しているようなコード進行です。

コーラス2 譜面で
ma3

キーエディターで
ma4

Gm7→A7→Dm7→Em7/D→Dm7→A7♭5なのでⅣm7→Ⅴ7→Ⅰm7→Ⅱm7/Ⅰ→Ⅰm7→Ⅴ7♭5です。

Gm7→A7→Dm7までは普通のヨンゴーイチですね。特徴的なのは後半です。

メロディが登っていくと同様にコードもトップノートが登っていくようになっています。

そして最後のA7♭5は、不安感をあおるジャズやボサノバで使われるコードですね。

どんなに大声で叫んでも雨にかき消されていく、届かぬ叫びのような表現がコード進行からも感じます。

コーラス3 譜面で
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キーエディターで
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コーラス1を繰り返したのち、コーラス3となります。

Gm7→A7→Dm7なのでⅣm7→Ⅴ7→Ⅰm7です。

これはスリーコードを使ったシンプルなヨンゴーイチですね。

マイナーキーの曲でのわかりやすい終止ができるコード進行です。

ヴァース

ヴァース1 譜面で
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キーエディターで
ma8

コーラス3と同じコード進行を繰り返したのち、ヴァース1となります。

Dm7→Gm7→C7→FM7なのでⅠm7→Ⅳm7→Ⅶ7→ⅢM7です。

トニックから始まり強進行で突き進んでいく力強さを感じるコード進行です。

ヴァース2 譜面で
ma9

キーエディターで
ma10

B♭M7→A7なのでⅥM7→Ⅴ7です。

ドミナントセブンスで終わるコード進行です。

ドミナントセブンスは次に進みたい、終止したいというエネルギーが強いコードなので、このコードで終わると緊張が高まります。

次への強い期待感を出したい時に使えますね。

ヴァース3 譜面で
ma11

キーエディターで
ma12

コーラス3と同じコード進行を繰り返したのち、ヴァース3となります。

Gm7→C7→FM7→B♭M7なのでⅣm7→Ⅶ7→ⅢM7→ⅥM7です。

ヴァース1と同じように強進行で進んでいくのですが、こちらはスタート位置が異なります。

ヴァース1との対比と考えると、1歩気持ちが前に進んだ感じでしょうか。

ヴァース4 譜面で
ma13

キーエディターで
ma14

Em7♭5→A7→Dm7なのでⅡm7♭5→Ⅴ7→Ⅰm7です。

マイナーキーでのダイアトニックコードを使ったニーゴーイチですね。

Em7♭5はGm7の代理ですので、Gm7→A7→Dm7と考えると散々出てくるヨンゴーイチですね!

Em7♭5を使うことでより絶望感が出ます。ただし、使いすぎるとクセが強いので注意ですね。

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
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最後に

圧倒的歌唱力があってこそのこの曲、強さの裏の悲しみが見える曲ではないでしょうか?

雨の歌はしみるなぁ。

GANO

雨の歌といえばこれ



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  • gano1
    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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