Vol.6 ネチネチとした感情をコード進行でも表現した楽曲。『Somebody That I Used To Know / Gotye feat. Kimbra』
公開日:
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最終更新日:2018/07/23
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Somebody That I Used To Know / Gotye feat. Kimbra
こんにちは、GANO(@Past_Orange)です。
イライラが怒りになって爆発するまでの時間が長い人と短い人がいます。
徐々にイライラがたまっていく人のことをホットプレートタイプ。
すぐに沸点に達する人をチャッカマンタイプと僕は呼んでいます。
今回紹介するのはホットプレートタイプの曲。
Somebody That I Used To Know / Gotye feat. Kimbra
Gotyeはオーストラリアで活動しているベルギー生まれのシンガーソングライターです。
なので、少し英語がなまっているような印象を受けます。
楽曲はどれもパーカッションを多用していてアレンジはとても独特です。きっとパーカッショニストなんでしょう。
日本に来日した際、赤坂ブリッツのライブを見に行ったのですが、
パーカッションやサンプラーなんかがズラリ!
叩きながら押しながら歌うというスタイルで、面白かったです。
器用だな、音楽オタクなんだなという印象でした。
また、少し民族音楽っぽさ、アジアンテイストな部分もあり、怪しげな雰囲気も魅力です。
あと親日でして、日本にホームステイしてたって話も。
ライブでも半分は日本語で、進行が分かりやすかった!
関係ないけど、あごの骨格がでかい。これいつも気になる
そしてKimbraもオーストラリアで活躍するシンガーですね。
話を戻して、歌詞とコード進行を勉強していきましょう。
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Somebody That I Used To Knowの歌詞について
歌詞を引用して見ていきましょう。
Now and then I think of when we were together
Like when you said you felt so happy you could die
Told myself that you were right for me
But felt so lonely in your company
But that was love and it’s an ache I still remember
思い出話から歌詞は始まります。
MVを見て分かる通り、GotyeとKimbraの別れた後の喧嘩って感じなんですよ。
付き合っていた頃から上辺だけの甘い言葉を吐いてきてたんだ、本心じゃなかった。
となんとも思い出を踏みにじるような歌い出しです。
You can get addicted to a certain kind of sadness
Like resignation to the end, always the end
So when we found that we could not make sense
Well you said that we would still be friends
But I’ll admit that I was glad that it was over
まだまだ相手の優位に立とうという姿勢が見えますね。
別れ話になって良かったと感じたよ、清々したという歌詞になっています。
こんなこと言われたらかなり腹が立ちますが、別れた後の男女なんてこんなものなのかもしれませんね。
But you didn’t have to cut me off
Make out like it never happened and that we were nothing
And I don’t even need your love
But you treat me like a stranger and that feels so rough
No you didn’t have to stoop so low
Have your friends collect your records and then change your number
I guess that I don’t need that though
Now you’re just somebody that I used to know
ここにきて男側の本音が爆発です。ホットプレートタイプでしょ
相手の振る舞いを全面否定しながらも、未練はないよアピールは続きます。
これ、未練タラタラですよね!
別れられて清々しているのに、過去の人になるのは嫌なんですよ。
他人に成り下がりたくはない、昔の恋人という綺麗な存在でありたいという身勝手な感情が前に出ています。
ネチっこいですね〜。
Now and then I think of all the times you screwed me over
But had me believing it was always something that I’d done
But I don’t wanna live that way
Reading into every word you say
You said that you could let it go
And I wouldn’t catch you hung up on somebody that you used to know
ここはKimbraが歌う女性パート。
実は付き合っていた時から怯えていたのよと告白しています。
やっと顔色伺えわずに生きていけると強気に出ていますね。
女性はもう過去にしてしまいたいと言っています。
なんともリアリティあるやりとりではないでしょうか?
男性の未練タラタラさ加減、女性の別れたら過去に捨ててしまうところがモロに出ていて、えぐられますね!
歌詞を書く際の参考にしてくださいね。
続いて、コード進行との関わりです。
Somebody That I Used To Knowのコード進行とメロディについて
ではコード進行を見ていきましょう。
ヴァース・コーラスとして考えていきます。
ヴァース
譜面で
キーエディターで
Somebody That I Used To KnowのキーはDマイナーになります。
Dm→CなのでⅠm→Ⅶです。
2拍ごとに淡々と繰り返すのみとなっていますね。
スケール上のお隣のコードをゆらゆらと動くだけのコード進行でして、変化をあまり感じません。
ただブツブツとつぶやいているだけ、まさに歌詞に沿ったコード進行です。
コーラス
譜面で
キーエディターで
Dm→C→B♭→CなのでⅠm→Ⅶ→Ⅵ→Ⅶです。
こちらもスケール上のお隣のコードを繊細に動くだけのコード進行です。
ヴァースとの違いはB♭が入るかどうかですよね。
先ほどまでブツブツと言っていたのが、だんだんイライラが募りエスカレートしたような印象をコード進行からも受けます。
しかし大きな変化はしない、あくまでブツブツ呟いている延長線上だと言えます。
大きく動きたいけど、動けない。結局同じところに戻ってきてしまう。
そんなもどかしさを表現出来るコード進行です。
メロディの注目点
そして何よりも注目したい場所はコーラス最後のメロディ部分です。
『Now you’re just somebody that I used to know』と歌う部分ですね。
同じ歌詞を2回繰り返すので2段で書いています。
上段と下段にて違う部分は1ヶ所だけ、歌詞の「I」つまり「僕、私」の部分です。
「僕は!もう他人なんだね・・・」と、2回目にして強めています。そうとう悔しいんでしょうね。
でも大幅に跳躍はしない。この少しだけ強気に出てすぐ元に戻ってしまう。
こういう少しの表現の違いがこの曲のネチッコさを引き立たせます。
このような些細なメロディのつけ方でも細やかな感情を表現できるんですね。うまい
Somebody That I Used To Knowのカヴァー集
Somebody That I Used To Knowを5人組のWalk off the earthがカヴァーしてます。
彼らはいろいろなカヴァーをしてしているのですが、特にこの曲をギター1本で表現しているのは圧巻!
原曲のイメージにピッタリ合っています。面白いよね、こういうの
続きまして、こちらも5人組のPentatonixによるカヴァーです。
彼らは声だけで表現しています。
不思議なことに楽器がいっぱいの原曲よりも、そしてギター1本のカヴァーよりも豪華に聴こえます。
アレンジの仕方や、肉声に含まれる倍音が原因ですね。
この2組は多くのカヴァー曲を披露しているのでそちらもぜひ聴いてみてください。
最後に
Gotyeは独特の世界観があるシンガーソングライターだと感じます。
この曲に限らず、毒を持った楽曲を世に出し続けているミュージシャンの1人ですね。
他の曲も魅力いっぱいなので、ぜひ聴いてみてください!
GANO
Gotyeの不思議な曲たち
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