Vol.40 電気グルーヴ”Shangri-La”の元ネタの曲!『Spring Rain / Silvetti』
公開日:
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最終更新日:2018/07/23
ANALYZE GANO's ANALYZE, Silvetti

Spring Rain / Silvetti
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
電気グルーヴが1997年にリリースした『Shangri-La』はご存知でしょうか?
僕らの世代もドンピシャではないですが、電気グルーヴといえばこれだよね!ってほどに定番になっています。
この曲には元ネタがあります。それがこれ!
イントロやサビの部分はほとんど丸使いされていますね。スペインを拠点に活動していた、アルゼンチン出身のジャズピアノストSilvetti(もしくはBebu Silvetti)のSpring Rainです。
リリースは1977年。コードを弾むようにバッキングするピアノ、旋律を奏でるストリングス、4つ打ちのキック、16分音符で刻まれるタンバリンが特徴的で、ハウス・ミュージックの走りとも言われています。電子化が進むにつれて90年代2000年代に盛り上がっていったハウスですが、原型は70年代のディスコにあるようです!
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コード進行について
6分近くある長い曲ですが、コード進行は1種類です。
譜面で
キーエディターで
Dm7(9)とEm7の2つのコードを2小節ごとに入れ替えるのみです。そして途中途中に駆け上がるストリングスやドラムのフィルによってこのコード進行が半音上がったE♭m7(9)とFm7(上がったと考えるとD#m7(9)とE#m7ですが)へと突然変わったり、また戻ったりします。それ以外の変化といえば音の差し引きぐらいです。聴く人によってはとっても退屈かと思います。
『同じことを飽きもせず何回も繰り返している曲』ですが、これが当時の『簡単に乗れて、知らなくても踊れる曲』だったのでしょう。
また、タイトルの『Spring Rain,春の雨』、あなたは春の雨にどんなイメージを持っていますか?夏の雨はジメジメとしたイメージ、秋の雨は乾燥した空気を潤してくれる、冬は凍えるほど冷たいイメージを僕は持っていますが、春の雨には特に何のイメージも持っていません。
強い主張はないのだけれど、でもないとなんだか寂しいような。まさに『Spring Rain』な曲だと感じます。
きっとこの曲は、ディスコやバーで会話を邪魔することなく流れることを想定して作られた曲なんだと僕は思います。音楽がメインではなくBGMとして使用されることを狙って作られたからこそ、ヒットしたのではないかと感じます。
最後に
Silvettiの曲はイージーリスニング的なものも多く、うっすらと流しておくにはうってつけと言えます。アルバム内でいえばContigoもオススメです!
梅雨の時期はジメジメとして嫌ですが、この曲を聴いて爽やかな気持ちで乗り切るってのはどうでしょうか?
GANO
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