Vol.115 ベースを動かすだけでドラマチックなコード進行ができているハウスミュージック。『Crazy Talk / Space Cowboy』
公開日:
:
最終更新日:2018/07/23
ANALYZE GANO's ANALYZE, Space Cowboy
Crazy Talk / Space Cowboy
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
今回は、和音は一切動かさずにベースのみを動かしている曲を紹介します。
とっても簡単にドラマチックな印象を与えるコード進行ができちゃいますよ。
Space Cowboy – Crazy Talk
Fatboy Slimの一番弟子と言われているSpace Cowboyの2003年の楽曲です。
荒いストリングスのサンプリングとブリブリのベースがカッコ良いですね!
Acoustic Versionもかなりカッコ良いです。
Space Cowboy – Crazy Talk (Acoustic Version)
こりゃいいね。アルバムの1曲目に入っているので興味がある方は聴いてみてください。
では、歌詞とコード進行、そしてサンプリングされた元ネタを見ていきましょう!
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Crazy Talkの歌詞について
歌詞を引用して見ていきましょう。
I said I love you
when you turned around
and walked away
You said you’ll meet me
and you’ll give me love in return
“”
for we are running out of time
So baby what do you need
This is crazy talk
どうもネット上にはこの一部の歌詞しか載っていないんですよね。
一部分だけになってしまいますが、どんな内容か想像してみます。
片思いの相手にずっと愛を伝えてきたけど、振り向かせることができたら何だか怖くなって逃げてしまった模様。
以前までの追いかける立場に慣れてしまったんでしょうね。
こんなことをやっていても時間はドンドン過ぎていく。
どうすることが最善なんだい? とワザワザ聞いちゃうなんて狂ってるよなってことではないでしょうか?
う〜ん、もうちょっと確実な情報が欲しいですね。
Crazy Talkのコード進行について
ではコード進行を見ていきましょう。
Crazy Talkはコーラスもヴァースもあったもんじゃないので、A・B・C・D・EとAcosticと考えていきます。
A
A1 譜面で
キーエディターで
Crazy TalkのキーはC#マイナーです。
C#m→C#m/E→G#mなのでⅠm→Ⅰm/Ⅲ→Ⅴmです。
C#m→G#mと考えてもいいですね。
ベースラインが気持ちよいように間にC#m/Eを入れたという形です。
ダンスミュージックなのでベースが肝になっていますね。
A2 譜面で
キーエディターで
A→B→C#なのでⅥ→Ⅶ→Ⅰです。
メジャーコードをスライドして並べたコード進行ですね。
そのため非常に明るく、勇敢な印象を与えてくれます。
勝利のファンファーレ作りたいって時はこのコード進行から作ってみるとバッチリです。
B
譜面で
キーエディターで
A1を繰り返したのち、Bになります。
F#m→BなのでⅣm→Ⅶです。
強進行を使い前進する、期待感を高めるコード進行ですね。
このままEに進むと平行調のEメジャーでいうニーゴーイチになります。
C
C1 譜面で
キーエディターで
C#m→E/B→A#m7♭5→AなのでⅠm→Ⅲ/Ⅶ→#Ⅵm7♭5→Ⅵです。
ややこしく見えますが、C#mを抑えながらベースを下降していく形と考えてください。
最後のAだけはC#mを抑えたままだとAM7になってゴージャスすぎるのでご注意を。
非常にドラマチックなコード進行だと言えます。
ベースを下降していくだけでリハーモナイズができていますね!
C2 譜面で
キーエディターで
C#m→E/B→F#m→BなのでⅠm→Ⅲ/Ⅶ→Ⅳm→Ⅶです。
こちらはC1とBを組み合わせたコード進行ですね。
マイナーの響きとメジャーの響きが交互に来てバランスが良いですね。
交互に入ることで響きがより印象的に聞こえます。
D
譜面で
キーエディターで
C#m→C#m/F#→AM7→C#m7/BなのでⅠm→Ⅰm/Ⅳ→ⅥM7→Ⅰm7/Ⅶです。
これは画像を見てもらえばよりわかると思うのですが、C#mを抑えたままベースを動かすだけです!
C1でも同じような手法でしたが、こちらの方はもう全く和音を動かす必要なし。
ベースラインのみ動かせば情景が変わっていく便利なコード進行です。
リハーモナイズが上手くされていますね。
E
譜面で
キーエディターで
C#m→C#m7/B→AM7→C#m7/BなのでⅠm→Ⅰm7/Ⅶ→ⅥM7→Ⅰm7/Ⅶです。
こちらもDとほぼ同じで、C#mを抑えながらベースを順番に動かすだけです!
非常に簡単なコード進行なのに、どちらもドラマチックな印象を与えてくれますね。
メロディを変えずにコード進行だけを差し替えていくリハーモナイズが多く使われている楽曲です。
Acoustic
譜面で
キーエディターで
Acoustic Versionのキーは、一応Cマイナーとしておきます。
Dm7→Em7→Cm7→Dm7なのでⅡm7→#Ⅲm7→Ⅰm7→Ⅱm7です。
マイナーコードをスライドさせるだけの単純なコード進行です。
単純ですが、非常にファンキーでカッコ良いコード進行ですよね!
マイナーコードをキーにとらわれず繋げていくと、このようなコード進行が出来上がります。
ぜひ活用してみてくださいね!
Crazy Talkの元ネタは?
Crazy Talkはハウスミュージックですので、元ネタとなる楽曲が存在します。
Dexter Wansel – New Beginning
非常にソウルな1曲ですね!
サンプリングされているのは聴いてのとおり冒頭部分ですね。
サンプリングからハウスを作りたい方は、このようなアプローチを参考にしてみてください。
最後に
ベースを動かすだけの簡単なコード進行が多く使われている楽曲でした。
和音が変わらないので、基本的なメロディを変えずにコードを変える、リハーモナイズすることができます。
ぜひ作曲に使ってくださいね。
GANO
師匠のFatboy Slimも聴きませんか?
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