Vol.148 満島ひかりさんの澄んだボーカルが迷宮に魅かれる。『ラビリンス / MONDO GROSSO』
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最終更新日:2018/07/23
ANALYZE GANO's ANALYZE, MONDO GROSSO

ラビリンス / MONDO GROSSO
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
大沢伸一のソロプロジェクト、MONDO GROSSOが再始動! ニューアルバムをリリースです。
MONDO GROSSO / ラビリンス
MONDO GROSSOらしい1曲となっていますね〜。2017年6月にリリースされたアルバム「何度でも新しく生まれる」に収録されていますよ。
ボーカルは女優の満島ひかりさん。
今は女優業をやっていますが、昔は沖縄アクターズスクールのグループFolder(のちにFolder5)として歌手活動もされていました。三浦大知さんと同じグループですね。
声が澄んでいてさすがといった感じ。
そして作詞は東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦さん。いつも切ない歌詞を書きますよね〜。
では、歌詞とコード進行を勉強していきましょう!
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ラビリンスの歌詞について
歌詞の一部を引用して見ていきましょう。
見つめないで 哀しい方を
目を瞑って 口づけしよう
甘く溶けるメロディー
歌詞の出だしから少し悲しげな雰囲気が漂っています。
哀しい方を見つめないでほしい、ネガティブにならないでほしいと言っているようです。
これから悲しいことが起きる、もしくは辛い状況にいるのかもしれません。
でも、目をつぶって口づけをすれば何も見えなくなる。そうすれば悲しみは消えるだろう、そんな印象を受けます。
迷い込んで
白夜のように
痺れたまま どちらからも
帰ろうとはせずに
ラビリンスというタイトル通り、迷宮に紛れ込んだ2人の歌のようです。
すべて忘れて2人だけの世界に溶け込んでいたい、終わりを意識しない、時間のない空間に身を投じているような印象です。
2人だけの世界、幸せなようでどことなく虚しさを感じるのは「逃避」を感じるからでしょうか?
目をつぶって2人きりの世界を感じていても、心のどこかにはこれは一時的なもので現実ではないと感じてしまうのでしょう。
作詞は東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦さん。
美しく燃える森 / 東京スカパラダイスオーケストラと近い印象を受けますね。
美しく燃える森は1人で目隠しをして森に入っていく孤独な歌でした。
1人から2人に、目隠しから口づけに、森から迷宮になって、少しだけ寂しさが薄らいでいます。
薄らいではいるんだけど、そこには嘘があって。
まるで映画「インセプション」の虚無の世界ですね。主人公コブと妻モルは虚無の世界で、2人きりで50年も過したとされています。
でも、やはりこれは現実ではないとコブが判断し、現実に戻る。どこか虚しさがあったためでしょう。
2人きりの世界を求めるということは、みんながいる環境に辛さがあるからだということが分かります。
思い当たる部分があったりしますか?
歌詞を書く際の参考にしてくださいね。
続いて、コード進行との関わりです。
ラビリンスのコード進行について
ではコード進行を見ていきましょう。
大きな展開はなく、コード進行も3つのみなので、今回は順番に紹介していきます。
ラビリンスその1 譜面で

キーエディターで

ラビリンスのキーはE♭マイナーになります。メロディー的に。
A♭m7→D♭7→G♭M7なのでⅣm7→Ⅶ7→ⅢM7です。
これは平行調Fメジャーで考えるとトゥーファイブワンになりますね。
ところどころD♭7ではなく、A♭m7/D♭の部分もあって、非常にリッチな響きになっています。
このコード進行プラス何かという展開もありまして、
などで使われています。
ラビリンスその2 譜面で

キーエディターで

B♭m7→E♭m7なのでⅤm7→Ⅰm7です。
2コードのみ、強進行でトニックで終止するシンプルなコード進行ですね。
その1、その2どちらもダイアトニックコードでシンプルです!
Fool To Love / Naoでも同じコード進行が使われています。
ラビリンスその3 譜面で

キーエディターで

B♭m7→B♭7→E♭m7→G♭7→G♭7♭5なのでⅤm7→Ⅴ7→Ⅰm7→Ⅲ7→Ⅲ7♭5です。
その2のコード進行の置き換え、リハーモナイズとして中盤に少しだけ登場するのですが、ここが気持ち良いですね〜。
B♭7はE♭m7へ進むためのセカンダリードミナントです。
内声がレ♭→レ→ミ♭→ミと半音で進んでいくのが美しいですね。
半音で登っていく反面、B♭7からはレ→レ♭→(レ♭→)レ♭♭と下っていく半音の流れもあります。
ついでに次のコードがA♭m7なのでレ→レ♭→(レ♭→)レ♭♭→ド♭となっています。
逆方向に進む2つの半音進行が美しいコード進行。ここぞって時に使いたいですね!
最後に
14年ぶりにMONDO GROSSO名義でのリリースで嬉しい限りです。
内容としては大沢伸一名義のアルバムに近い感じがしますね。
GANO
初期MONDO GROSSOはAcid Jazzです

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