Vol.142 Funkyなワンコードからリハーモナイズし哀愁あるサウンドに変化する曲。『Souffles H / MONDO GROSSO』

公開日: : 最終更新日:2018/07/23 ANALYZE ,

Souffles H / MONDO GROSSO

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

2017年現在では、90年前後に世界的に起こったAcid Jazzブームがシティポップ系の1つとして再熱していますね。

よくよく考えると初期ブームから約20年も経っています。20年前の日本でのAcid Jazzはどんなものだったのでしょう?

今回紹介するのはこの曲!


Mondo Grosso – Souffles H

当時はまだバンド形式であったMONDO GROSSOの1993年の楽曲です。大沢伸一がめっちゃ見てきますね。

フルートのリフが非常に耳に残ります。

MONDO GROSSOは大沢伸一を残してメンバーが脱退してしまい、その後は大沢伸一のソロプロジェクトとしてハウス系に流れていきAcid Jazz要素はなくなっていきました。

僕はハウス時代のMONDO GROSSOから入ったので、過去作品であるSouffles Hなどを聴いて「こっちの路線も残して欲しかったな」とよく思ったものです。

前半と後半で印象がガラッと変わる美しい楽曲ですよね。

では、歌詞とコード進行を勉強していきましょう!

スポンサーリンク

Souffles Hの歌詞について

歌詞の一部を引用して見ていきましょう。

と、言いたいところでしたが。フランス語だし正確な歌詞も見つからないので、ここは割愛させていただきます。

続いて、コード進行との関わりです。

スポンサーリンク

Souffles Hのコード進行について

では、コード進行を見ていきましょう。

ここではヴァースはFm7のワンコードなので割愛、コーラス・セカンドヴァースと考えていきます。

コーラス

譜面で

キーエディターで

Souffles HのキーはFマイナーになります。

Fm7→B♭7なのでⅠm7→Ⅳ7です。

トニックから強進行し、E♭へ向かうためのセカンダリードミナントであるB♭7で止まるコード進行です。

実際にはE♭へは行かずトニックに戻ってきますし、マイナーコードとメジャーコードを交互に鳴らすだけなのでおちゃらけているような、スカしているような印象を受けます。

Acid Jazzなコード進行だと言えますね。

セカンドヴァース

セカンドヴァース1 譜面で

キーエディターで

D♭M7→C7→Fm7→B♭7なのでⅥM7→Ⅴ7→Ⅰm7→Ⅳ7です。

出ました、マイナーキー泣きの定番コード進行!

美しさのポイントは内声の半音下降移動です。

ファ→ミ→ミ♭→レと半音で動くようになっているんですね。この部分をエレピなんかでしれっとなぞっておくと哀愁が漂ってグッドです。

これがリハーモナイズ部分ですね。ヴァースのFm7ワンコードについていたフルートのリフが、ファンキーな印象から哀愁漂うものに変わったと感じませんか?

同じリフをコードを変えて再利用。ワンコードで長く聴かせた分、哀愁の度合いも増して聞こえますね。

このコード進行はNatural Woman / ビッケブランカでも使われています。


セカンドヴァース2 譜面で

キーエディターで

D♭7→C7→Fm7→B♭7なのでⅥ7→Ⅴ7→Ⅰm7→Ⅳ7です。

泣きのコード進行の応用編です。

頭のD♭M7がD♭7になっただけです。なのになんだかオシャレな響きに。

これも泣きのコード進行があったからこその効果ですね、このコード進行単発だけを使用してもここまでオシャレには聞こえないはず。

ⅥM7バージョンを使いつつ美味しいところでこちらのコード進行に差し替えるのが好ましいです。

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
thumbnail

最後に

ワンコード、要所で2コードで散々聴かせた後のリハーモナイズは威力がすごいですね!

長く聴かせる自信がないとできない手法だとも言えます。今の大量消費時代にはなかなか難しいでしょうか?

GANO

ネオソウルもカッコ良いですよ!



仕事依頼thumbnail

スポンサーリンク

関連記事

Vol.120 長2度上への転調を丁寧に行うためのコード進行。そして泣ける! 『Call Me / Aretha Franklin』

Call Me / Aretha Franklin どうも、GANO(@Past_Orange)で

記事を読む

Vol.33 純粋な気持ちで音楽を作ることを忘れてはいないだろうか?『Walking on the clouds / 藤原さくら』

Walking on the clouds / 藤原さくら どうも、GANO(@Past_Oran

記事を読む

Vol.88 やりきれない日常と、自分自身から逃げ出したい。『The Reeling / Passion Pit』

The Reeling / Passion Pit どうも、GANO(@Past_Orange)で

記事を読む

Vol.57 コールセンターでのイライラの曲です。『Thanks For Your Time / Gotye』

Thanks For Your Time / Gotye どうも、GANO(@Past_Orang

記事を読む

Vol.96 まっすぐな表現が可愛らしい曲!『Heartbeat / tahiti 80』

Heartbeat / tahiti 80 どうも、GANO(@Past_Orange)です。

記事を読む

Vol.74 ただ単純に素直にクリスマスを楽しもう!『Wonderful Christmas Time / Paul McCartney』

Wonderful Christmas Time / Paul McCartney どうも、GAN

記事を読む

Vol.131 近親調から”トゥーファイブワン”を借用して終止感を薄めるディスコサウンド。『Back Seat Lover / Mayer Hawthorne』

Back Seat Lover / Mayer Hawthorne どうも、GANO(@Past_

記事を読む

Vol.1 Ⅴ7の代わりにⅣ/Ⅴを使って上質で柔らかい響きに。『Rock With You / Michael Jackson』

Rock With You / Michael Jackson はじめまして、GANO(@Past

記事を読む

Vol.144 堺雅人出演、サントリーコーヒー「CRAFT BOSS」のCM曲! 『Haven’t Met You Yet / Michael Bublé』

Haven't Met You Yet / Michael Bublé どうも、GANO(@Pas

記事を読む

Vol.122 ディスコソングらしい繰り返すためのコード進行。『Take Your Time (Do It Right) / S.O.S. Band』

Take Your Time (Do It Right) / S.O.S. Band どうも、GA

記事を読む

  • gano1
    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
    詳しくはこちら
  • 仕事依頼
    thumbnail