Vol.140 天にも昇る心地、それは気持ちだけ? 歌詞とコード進行がガッツリ絡まる。『Cloud 9 / Jamiroquai』

公開日: : 最終更新日:2018/07/23 ANALYZE ,

Cloud 9 / Jamiroquai

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

天にも昇る心地といいますが、気持ちだけでなく体も天に昇っていたら?

雲の上に昇ったようなウキウキした気持ちを歌っているのか、それとも人間界から旅立ったのか……。

今回紹介するのはこの曲!


Jamiroquai – Cloud 9

イギリスのAcid Jazzバンド、Jamiroquaiの2017年の楽曲です。

New Album「AUTOMATON」からの先行シングル第2弾ですね。

第1弾であるタイトル曲「Automaton」のエレクトロファンクな楽曲と比べると、非常に分かりやすく昔ながらのJamiroquaiの楽曲で聴きやすい印象を受けます。


Jamiroquai – Automaton

では、歌詞とコード進行を勉強していきましょう!

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Cloud 9の歌詞について

歌詞の一部を引用して見ていきましょう。

You pick me up then you put me down.
Can’t seem to find my way around ya.
See what ya think when you don’t think it now.
You lost my love but someone found it.

どうやら異性に振り回されている模様。天真爛漫な相手に、手のひらで好きなように転がされて、飽きたら捨てられちゃったよ。

そんな感じですね。でも他の人が拾ってくれたよ! って見栄も貼っています。

And now when the rain falls upon my head,
I don’t think of you ah-much at all.
Just one thing seemed to make you care.
Who’s going to drive and take you home?

雨に打たれているところ考えると、まだ捨てられた悲しみからは完全に逃げられていないのかもしれません。

でも君のことは考えていないよと。これも見栄っぽいですね!

僕のこと捨てちゃったけど、他にアテでもあるの? 大丈夫? なんて皮肉も言っています。

Only a fool could walk away from me this time.
I look up to Heaven, every star I see is mine.
I’m walking on air and every cloud is Cloud 9.

Cloud 9(cloud nine)の意味は、ウキウキしているよ、嬉しい気持ちだとって感じですね。

コーラスに来て一気に明るくなりました!

君に恋していたバカな自分はもういなくなったよと歌います。

さっきまでは雨に打たれていたのに、いつの間にか雲の上に乗って空を見上げ、キラキラ光る星を眺めている。

この星全部僕のものさ! とやたら明るいですね。

なぜこんなに急に明るくなったのでしょう? ただ単に吹っ切れて明るくなったというよりは、裏がありそうな。

気持ち自体が天にも昇っているならいいですが、もしかしたら本当に天に昇っているかも? 相手に後悔させるために命を絶った?

明るさの裏に何かがありそうな内容となっています。

歌詞を書く際の参考にしてくださいね。

続いて、コード進行との関わりです。

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Cloud 9のコード進行について

ではコード進行を見ていきましょう。

ここではヴァース・コーラスと考えていきます。

ヴァース

譜面で

キーエディターで

Cloud 9のキーはAマイナーになります。

Am7→G/A→B♭M7/A→D/AなのでⅠm7→Ⅶ/Ⅰ→♭ⅡM7/Ⅰ→Ⅳ/Ⅰです。

ベースがトニックであるラから動かないので、実際はAmのワンコードということになります。

飽きがこないように背景を移動させているけど、実際はトニックで動いていないよってことですね。

Acid Jazzらしい響きを感じる部分は、B♭M7/A→D/Aですよね。

B♭M7はフラット系のコードで、Dはシャープ系。Aマイナー自体は調号がつきませんから、どちらも借用ということになります。

唯一流れをもっているには半音下降する内声、ド→シ→シ♭→ラですね。これがないとつながらない。

本来出てこない、そしてつながりとしても唐突なコードたちを、内声の半音下降のみを粘着テープのように使いつなげると、このような浮遊感あり調性が決めづらいコード進行となります。

マイナーで怪しい感じなんだけど、明るさもにじむ。歌詞と連動してますね!

コーラス

譜面で

キーエディターで

A→Dm→F→AなのでⅠ→Ⅳm→Ⅵ→Ⅰです。

ヴァース部分はワンコードで停滞していましたが、コーラスではしっかり動き出します。対比となって動きが大きく感じますね。

トニックがメジャーコードになったことで一気に明るくなりました。Aメジャーに転調したとも考えられます。

しかもF→Aの間にはGの響きも入るので、F→G→Aとメジャー三和音3連発でど直球に明るい。

ヴァースでマイナーキーであることをしっかり耳に定着させてから、このような明るいコード進行を使うと場面転換したことが明確に伝わり効果的です。

天にも昇る心地でウキウキしているから、直球に明るいコード進行となっています。

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
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最後に

歌詞とコード進行が意味深に絡まる楽曲でした。意味深に感じてしまいますが、考えすぎでしょうか?

Automatonというアルバムタイトルから考えると、少し深読みしたくなりますね。

GANO

Jamiroquaiライクな楽曲



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    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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