Vol.154 浮遊感の強いノルウェーのひんやりディスコポップ。『Fight or Flight or Dance All Night / Kommode』

公開日: : 最終更新日:2018/07/23 ANALYZE

Fight or Flight or Dance All Night / Kommode

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

一昔前はインターネットも発達していなかったし、地域ごとに音楽の”色”があったと思います。

今はそんなことないはずなんですが、どうも「この地域の音楽は〇〇だ」みたいなことがちょいちょいある。

今回紹介するのはこの曲!


Kommode – Fight or Flight or Dance All Night

ノルウェーのバンド、Kommodeの2017年の楽曲です。

Kings of ConvenienceのメンバーであるEirik Glambek Bøeが結成したバンドですね。

ポップですよね、そしてひんやりして聞こえる。ノルウェーだから?

この感覚、Röyksoppがそうなんですよ。

では、歌詞とコード進行を勉強していきましょう!

スポンサーリンク

Fight or Flight or Dance All Nightの歌詞について

歌詞の一部を引用して見ていきましょう。

…と言いたいところですが、どうやら正式な歌詞が出ていないようです。

海外サイトに言ってもなんか「?」が多めについています。

ノルウェー訛りみたいな感じの英語なのでしょうか。

今回はコード進行を中心にね。

ということで続いて、コード進行との関わりです。

スポンサーリンク

Fight or Flight or Dance All Nightのコード進行について

ではコード進行を見ていきましょう。

ここでは、コーラスとインタールードとして考えていきます。

コーラス

コーラス1 譜面で

キーエディターで

Fight or Flight or Dance All NightのキーはG#マイナーになります。

C#m→E→G#m→BなのでⅣm→Ⅵ→Ⅰm→Ⅲです。

なんとダイアトニックスケールを3度ずつ登っていくだけ!

結構変化が生まれなくてやらないほうが良いとか、アカデミックな考えでいくと禁則にもなっちゃうんですけど、やってますね。

3和音のみで聴くとカッチリとしてマイナーとメジャーの違いがほんのりわかる程度ですが、テンションを織り交ぜて綺麗な響きにしてますね。

そのままでもよく、変化が欲しければテンションボイスを加えていくと良いです。

Get Lucky / Daft Punkでも似たようなコード進行が使われています。

コーラス2 譜面で

キーエディターで

C#m→E→F#→G#mなのでⅣm→Ⅵ→Ⅶ→Ⅰmです。

こちらは変化が生まれましたね。

後半のE→F#→G#mでダイアトニックスケールを順番に上がっていくことで、最後のトニックで終止感が強く出ています。

とは言ってもテンションが多く含まれるので曲中では終止感やや強めって程度。

曲全体のバランスを考えて使うと良さそうです。

インタールード

インタールード1 譜面で

キーエディターで

E→G#m→BなのでⅥ→Ⅰm→Ⅲです。

こちらはコーラス1と同様に3度ずつ上昇するのみ。

変化がないし、トニックの終止感も薄々ですね。Bのセカンダリー感も薄々。

なにやらずっとG#m7を鳴らしている模様。

この薄く変化がない感じを楽しむコード進行だとも言えますね。使いすぎ注意!

インタールード2 譜面で

キーエディターで

E→B→B/C#なのでⅥ→Ⅲ→Ⅲ/Ⅳです。

こちらもG#m7をずっと鳴らしているような感じです。

インタールード1よりは変化がありますが、それでも薄め。

高音でのピアノリフが引き立つようなコード進行かと思います。

狙いがある場合にのみ使うのが良さそうですね。

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
thumbnail

最後に

ひんやりした空気が伝わってくるような不思議なポップソングでした。

地域の色が出ているのでしょうか? 不思議ですね!

GANO

では聞いてみましょう!



仕事依頼thumbnail

スポンサーリンク

関連記事

Vol.81 愛しているからこそ、今言わなければいけない。『Something About Us / Daft Punk』

Something About Us / Daft Punk どうも、GANO(@Past_Ora

記事を読む

Vol.50 ディスコを今風ポップにアレンジ!『Wrapped Up feat. Travie McCoy / Olly Murs』

Wrapped Up / Olly Murs どうも、GANO(@Past_Orange)です。

記事を読む

Vol.34 なんだか最近暑くなってきたから、これ聴いて涼しくなろうぜ『Eple / Röyksopp』

Eple / Röyksopp どうも、GANO(@Past_Orange)です。 僕は冬よ

記事を読む

Vol.87 フリジアン・スケールで怪しく問う。『What Do You Want? / Gotye』

What Do You Want? / Gotye どうも、GANO(@Past_Orange)で

記事を読む

Vol.63 たった2小節のループを延々使うBreakbeats。『Forget It / Cut & Paste』

Forget It / Cut & Paste どうも、GANO(@Past_Orange

記事を読む

Vol.126 マイナーキー、スリーコードのみでコード進行を展開。痛みを感じるネオソウル。『Fool To Love / Nao』

Fool To Love / Nao どうも、GANO(@Past_Orange)です。 喜

記事を読む

Vol.60 別れの気配を感じ取ってる。今日はこんなにも良い日なのに『So Good Today / Ben Westbeech』

So Good Today / Ben Westbeech どうも、GANO(@Past_Oran

記事を読む

Vol.18 分数コードとベースラインで1つのコード進行を引き延ばしている曲。『I Won’t Let You Down / OK Go』

I Won't Let You Down / OK Go どうも、GANO(@Past_Orang

記事を読む

Vol.99 レゲエの発音とエレクトロサウンドが怪しく絡む。『Go Shoppin’ / Bran Van 3000』

Go Shoppin' / Bran Van 3000 どうも、GANO(@Past_Orange

記事を読む

Vol.131 近親調から”トゥーファイブワン”を借用して終止感を薄めるディスコサウンド。『Back Seat Lover / Mayer Hawthorne』

Back Seat Lover / Mayer Hawthorne どうも、GANO(@Past_

記事を読む

  • gano1
    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
    詳しくはこちら
  • 仕事依頼
    thumbnail