Vol.49 ディスコ好きベーシスト定番ソング!『Forget Me Nots / Patrice Rushen』
公開日:
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最終更新日:2018/07/23
ANALYZE GANO's ANALYZE, Patrice Rushen
Forget Me Nots / Patrice Rushen
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
ディスコソングという括りは音楽ジャンルようにも聞こえますが、正確にはディスコで流れている音楽でして、今でいうクラブミュージックにあたります。
ディスコが流行っていた時代は70年代80年代なので、その時代の踊れる曲が『ディスコソング』になるわけですね。ジャンルで言えばソウル・ファンク・R&Bといったブラックミュージックが主流ですね。
そんなディスコソングの音作りとして重要なのは気持ちの良いキックとベースの重低音です。特にベースはスラップベースが気持ち良く多くのディスコ好きベーシストがディスコソングのスラップベースをカヴァーしたと思います。
今回紹介する曲もディスコど真ん中、スラップベースが気持ち良い定番ソングです!
Patrice Rushen – Forget Me Nots
まさしくディスコで踊っている曲となっていますね!4つ打ちのキックとスラップベースがとっても気持ち良い!
歌い踊ってたらサックスが目の前で吹き始めたりとなかなかにダサ面白いMVとなっております。82年の曲なのでその時代の雰囲気がとっても出ていますね。
Forget Me Notsのスラップベースが弾きたい!けど良く聞き取れないって方はこちらの動画がオススメ
時々出るドヤ顔で分かるように、ノリノリで弾いていて楽しい曲となっています。ブリブリのスラップベースってディスコ時代の特徴ですよね!
では楽曲に戻ります。歌詞、コード進行を見ていきたいと思います。
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歌詞について
ディスコ=直球ラブソングという印象があるぐらい、分かりやすく恋を歌った曲が多いです。Forget Me Notsもその1曲。
Sending you forget me nots
To help me to remember
Baby please forget me not
I want you to remember
1度目のForget me notsは「忘れな草」です。花言葉は『私を忘れないで』と『真実の愛』、あなたのことを強く愛しているということが分かりますね。2度目は語尾のsを無くしたForget me not、これはそのまま『私を忘れないで』の意味です。
1度目では花をそっと渡して、「これは忘れな草、忘れたりしないようにおまじないよ」と若干控えめですが、2度目では「ねぇお願い私を忘れないで!覚えていて!!」と感情が出てしまっているような言い回しとなっています。
ディスコソングらしく強く直球な歌詞が繰り返されます。
Those were the times we had
Sharing a joy that we thought would last
Memories of love and affection
Never really was just like a dream
やはり別れた後の未練タラタラソングのようです。女性は失恋後はスッパリ切り替えられるような話も聞きますので、もしかしたら別れて間もない話なのかもしれません。忘れな草を送れるくらいには近い存在なのでしょう。
Was it the simple things
That made me so crazy about you
Was it your charm or your passion
It’s not hard to believe
I love you and i need you so I…
確かな言葉は出てきませんが、相手の男性はとても魅力的だったようです。魅力的が故に信じすぎてしまい、浮気をされて捨てられてしまった。そんな印象です。
僕はこの最後の「I love you and I need you so I…』が大好きでして、この曲を聴くたび口ずさんでしまいます。歌詞の翻訳からは少しずれますが、LoveとNeedの一番相手に伝えたい言葉がしっかり1拍目と3拍目の強拍きているんです。
特にLoveは前の拍にまでかかるほど前のめりに伝えようとしています。それに対して3回も出てくるIは常に裏拍、弱く低い立場に出ているように感じます。でも!3回出てくるので、低い立場ながらも覚えておいて欲しい想いが込められています。とても口ずさみたくなるフレーズです。
歌詞としては、全体を通して未練が残っているのであなたに覚えておいて欲しい、できればまた一緒になりたい!という内容になっています。こんな切ない内容なのに、踊りながら歌っちゃうところがディスコですよね!
コード進行について
サビの繰り返させれる4小節をピックアップです。
Patrice Rushenはピアニストなのでコード進行の展開が分数コードを使ったりと凝ったものになっています。
1小節ごとにコードが切り替わるシンプルなものとしても成立するのですが、しっかりディスコソングとして踊れるようにピアノでもアクセントを多く加えています。
特に3小節目の頭部分、すぐにF#m7に映るのではなく、2小節目最後のC#m7の音を残して半拍ずらしてF#m7へと移っています。これをすることにより3小節目のコードバッキングが弾んだものになり、裏拍が強調されたグルービーな展開となっています。
また4小節目もF#m7へ行くためのトゥーファイブもG#m7→C#7とあからさまに進行するのではなく、G#m7/C#として柔らかく上品な響きでの進行となっています。これは僕も多用するのですが、ガッチガチのトゥーファイブでは雰囲気に合わないな〜というときに使うと効果的です。
最後に
このForget Me Notsはディスコソングでも人気な曲でして、Hip Hop系でも多くサンプリングされています。有名なのはこちら
Will Smith – Men In Black
サビ部分を丸使いしていますね。実はサンプリングではなく弾き直しているのですが、ベースラインはそのままですね。
ディスコソングをサンプリングしたHip Hopは多くありますので、元ネタを調べると楽しいですよ!
GANO
Nu Discoはいかがでしょう?
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