Vol.120 長2度上への転調を丁寧に行うためのコード進行。そして泣ける! 『Call Me / Aretha Franklin』
公開日:
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最終更新日:2018/07/23
ANALYZE Aretha Franklin, GANO's ANALYZE
![](https://past-orange.com/po_sp/wp-content/uploads/2016/08/Aretha_Franklin_This_Girls_in_Love_with_You.jpg)
Call Me / Aretha Franklin
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
携帯電話やスマホが普及し、現在は電話だけでなくメールからラインなど連絡ツールがたくさんありますね。
すぐに連絡が取れてしまうからこそ、見えづらくなることもあるのかも。
今回紹介するのはこちら!
Call Me / Aretha Franklin
アメリカのソウルシンガー、Aretha Franklinの1970年の曲になります。
シンガーですのでカヴァー曲も有名な彼女ですが、このCall Meはオリジナル。
パワフルな歌声が特徴で、まさに聴く人の魂を震わすシンガーだと思います。
Aretha Franklinの歌声を聴いているだけでウルウルしちゃうのは僕だけでしょうか?
では、歌詞とコード進行を見ていきましょう!
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Call Meの歌詞について
歌詞の一部を引用して見ていきましょう
I love you
And I love you
And I love you too
Baby will you call me the moment you get there?
こんなにアイラブユーを連呼されたらちょっと重いと感じる方もいますよね。
重い、重いけどここまでの深い愛があったら幸せですよね。
今のように携帯電話があってどこでも連絡が取れるわけではないから、家に着いたらすぐに電話が欲しいと伝えているんです。
連絡が取れないからこそ、相手を想う時間が長くて愛が深まっていくのかも。
My dearest of all darling
I know we’ve got to part
It really doesn’t hurt me that bad
Because you’re takin’ me with you
And I’m keepin’ you right-a here in my heart
後半部分を愛を叫んでいますね。
どんなに遠くにいても、辛いことがあっても、心の中にあなたがいてくれるから大丈夫。
いつもそばにいて欲しい。そんな愛が詰まった歌詞になっています。
Call Meのコード進行について
では、コード進行を見ていきましょう。
ここではイントロ・コーラス・ヴァース・コーラス’として考えていきます。
イントロ
譜面で
キーエディターで
Call MeのキーはGメジャーです。
CM7→Bm7→Am7→D7→Bm7なのでⅣM7→Ⅲm7→Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅲm7です。
ダイアトニックコードのみの流れのスムーズなコード進行です。
Ⅳから順番に下降していき、ニーゴーと強進行。イチが来れば終止しますがイントロなのでⅢm7で宙ぶらりんのまま止まります。
宙ぶらりんというと中途半端なって感じですが、未だ届かぬ想いぐらいのニュアンスだと思ってください。
目の前にいて声をかけたいけど、声が出ず隠れちゃう。そんなコード進行ですね。
コーラス
コーラス1 譜面で
キーエディターで
CM7→Bm7→Am7→D7→Bm7→E7なのでⅣM7→Ⅲm7→Ⅱm7→Ⅴ7→Ⅲm7→Ⅵ7です。
イントロのコード進行の最後にE7がついた形です。
このE7はAm7へ進むためのセカンダリードミナントですね。
ドミナントによる強進行が多くあり前進する勢いを感じるコード進行です。
コーラス2 譜面で
キーエディターで
Am7→D7なのでⅡm7→Ⅴ7です。
ニーゴーですね、コード2つのみの強進行だけのコード進行です。
トニックで終止したいですね! そう感じさせる流れです。
ヴァース
譜面で
キーエディターで
GM7→G7→CM7なのでⅠM7→Ⅰ7→ⅣM7です。
メジャーな響きが続く明るいコード進行です。
G7はCM7へ進むためのセカンダリードミナントですね。
トニックで始まりメジャーセブンスで止まるコード進行なので、かなり落ち着いた響きですね!
優しい語り口に合いそうなコード進行だと言えます。
コーラス’
コーラス’1 譜面で
キーエディターで
コーラスのコード進行を繰り返したのちコーラス’に入ります。
Am7→D7→Bm7→E7なのでⅡm7→Ⅴ7→Ⅲm7→Ⅵ7です。
コーラス1のコード進行の後半部分を繰り返すのみですね。
これだけ聞くと強進行が繰り返され前向きな印象を与えるものと感じます。
曲全体から考えると、今までスムーズに流れていたのに急に細かい繰り返しが来たので、変化を予感させるコード進行です。
お、これはなんかあるぞ?
そんな部分ですね!
コーラス’2 譜面で
キーエディターで
Am7→D7→A#m7→D#7→Bm7→E7→C#m7→F#m7なのでⅡm7→Ⅴ7→#Ⅱm7→#Ⅴ7→Ⅲm7→Ⅵ7→#Ⅳm7→Ⅶm7です。
半分に切ろうかと思いましたが、流れも大事ですので今回は1つのコード進行とします。
見てわかるように、Am7→D7・A#m7→D#7・Bm7→E7と半音ずつずらしながら強進行を繰り返しています。
キーをGメジャーからAメジャーに転調するためにこのような遠回りが行われています。
遠回りですが、丁寧な転調ですよね。
聴いてる側にもキーが上がっていくのが分かりやすいです。
複雑なことをせずとも、今までの曲の流れを使えばこのように転調をすることができます。
最後に
直球な歌詞と高まる気持ちがわかるコード進行でした。
アレンジも薄く、歌唱力がないと成り立たない楽曲ですね、すごい!
スマホがない時代だからこそ、声が届くありがたみを感じていたのかもしれません。
GANO
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