Vol.107 終わらない夏が怪しく誘う。『The Bay / Metronomy』
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最終更新日:2018/07/23
ANALYZE GANO's ANALYZE, Metronomy

The Bay / Metronomy
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
夏が近づいていますね。冬よりも夏が好きな方は海にでも遊びに行くのでしょうか?
その夏が永遠に終わらなかったら、まだ夏を好きでいるのでしょうか?
今回紹介するのはこの曲!
Metronomy – The Bay
イギリスのエレクトロ・ポップバンド Metronomyの怪しい1曲です。
スッカスカアレンジですし、ざらついたシンセ音が不穏ですよね。
古臭ささえ感じてしまいます、なんだこの魅力は!!
歌詞とコード進行を見ていきましょう!!
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The Bayの歌詞について
難解な歌詞を引用して見ていきましょう!
You may have the money
But you’ve got to go
It’s sensible
It’s sensible
And those endless seasons
That go on and on
Incredible
う〜む。The Bayですので、MVもありますし夏の歌だと思うのですが。
終わりのない季節とは、夏本当に終わるのかよ!みたいに感じることあるじゃないですか、それみたいな感覚のようにも思えるし、人間の感情のことにも思える。
夏しかない場所でしょうか、リゾート地ですよね。
どうしてもそこに来てしまう、運命のようなことを歌っているような。
But I’d sooner get out
And remember where we went last year
You said everything about it moved on your career
If you want to go
I’ll take you back one day
耐えられなくなって主人公は逃げ出してしまうんだけど、それでもまた君に言われたら戻ってきてしまう。
恋仲のような関係にも思えますが、それよりもっと、『君』は怪しい存在な気がします。
魔性の女でしょうか?
Because this isn’t Paris
And this isn’t London
And it’s not Berlin
And it’s not Hong Kong
Not Tokyo
If you want to go
I’ll take you back one day
It feels so good in the bay
It feels so good in the bay
ここは世界各地の有名な都市ではないから、人もいないし自由だよ。と
この空間は最高だぜって歌ってます。怪しい、何て怪しいのだ。
You may have the body
But do you have the song?
Let’s make this happen
Let’s make this happen
And those endless beaches
That go on and on
It’s magical
君は大人だけど、子供のように歌って踊ることもできる。いろいろなことができるって意味ですね。
いろいろしちゃおうぜって、エロいですね。どこまで行っても砂浜で、ずっと夏。
映画インセプションの虚無のような異常性を感じてしまいます。
だからIncredibleでMagicalなのでしょう。竜宮城のような場所を歌っているのではないでしょうか?
難解です。ダメだと分かっていながらも取り憑かれてしまう魔性の女を相手にした曲ではないでしょうか。
怪しい!
The Bayのコード進行について
ではコード進行を見ていきましょう!
今回はヴァースとコーラスで見ていきたいと思います。
ヴァース
キーはF#マイナーです。
F#m/C#→F#m/B→DM7→A→F#mなのでⅠm/Ⅴ→Ⅰm/Ⅳ→ⅥM7→Ⅲ→Ⅰmです。
トニックの第2展開形から始まったり、分数コードだったりとやや分かりづらいコード進行かと思います。
これはキーエディターを見てもらうと分かりやすいのですが、ド#とラが鳴っている状態を保っているからなんですね。
ベースラインが動いていますが、F#mのワンコード的な感覚なのではないでしょうか。
サウンドはエレクトロですので、ドローンとかペダルポイントとはまた違う(本来これらはベース音として使われる)、シグナルのような印象です。
ベースがはっきりと動くのに対し、上に乗っかる和音はつかみどころのないフワフワした小さなシンセ音。
乗っかる和音が表情で、ベースが感情なら、常に真顔なのに心の中ではいろんなことを考えている。
そんな怪しさが感じられるコード進行です。
コーラス
D→Bm→C#なのでⅥ→Ⅳm→Ⅴです。
コーラスに入ると先ほどまで変わらなかった表情が変化しだしました!
最後のC#が怪しさを出している犯人ですね。
D→Bmではレとファ#が共通音として保留されていますが、C#ではどちらも半音で下降します。
特にファはF#ハーモニックマイナーで出てくる音です。
C#はダイアトニックコードではありますが、半音の移動が強調されることでより違和感のある存在となっています。
D→Bm→F#m→EなのでⅥ→Ⅳm→Ⅰm→Ⅶです。
今度はC#の代わりにF#m→Eを使っています。
このコード進行だけ聴くと終止感の薄い循環コードですよね。
コーラス1の次にこのコード進行が出ることで、哀愁のようなものを感じます。
安心感があるのですが、その安心感がコーラス1を聞いた後にくるため、信用できない。
展開も音数も少ないのに違和感が出せる流れ。センスあるなぁ!
最後に
歌詞、コード進行ともに不確かで掴みどころのない内容となっています。
でも、なんだかわからないけど快楽に流されてしまう、そんな感情を表現しているとも感じます。
快楽に脳みそがやられてしまうのか…
GANO
避暑地に行きたい…


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