『ダンケルク』は体験する映画。僕らは戦場のど真ん中に突き落とされる! IMAXで体験してほしい!

公開日: : 最終更新日:2019/01/20 映画

『ダンケルク』は体験する映画。ぜひIMAXで

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

2017年9月9日に日本でも公開となった『ダンケルク』を観てきました!

映画を観るというより、体験する感覚でした!

では、まず予告編を観ていきましょう!


映画『ダンケルク』本予告

予告編を観るだけで第二次世界大戦のダンケルクの戦いを題材にした戦争映画だと分かりますね。

「ダンケルクの戦い」というのは、1940年に起きた英仏連合軍による撤退作戦のことを指します。

大まかな内容は公式動画があるので、そちらを観るとよくわかります。


林修先生が解説!3分で分かる映画『ダンケルク』

おぅ、林先生めっちゃ分かりやすい。

『ダンケルク』はこんな人にオススメ!

どんな人が『ダンケルク』を楽しめるか考えてみました。

・新しい映像体験をしたい人
・史実に基づいた映画が好きな人
・圧倒的リアリティに打ちのめされたい人

こんな感じ。

何度も言いますが、『ダンケルク』は観るというより体験する映画です。

戦争映画を次のステージに上げた映画とまで言われていますね。『ダンケルク』前、『ダンケルク』後という言われ方が今後されるとも言われています。

それぐらい今まで感じることのできなかったような体験ができる映画なんです! 何がどうすごいのって人は、ぜひIMAXでお楽しみください。

そして、史実に基づいた映画が好きな人。これは戦争に限らずですよね。

SFであったり創作感が強いと冷めてしまう、なんて人も『ダンケルク』なら大丈夫。

もちろん全部が実話ではないですが、楽しめること間違いなしです。

そして、圧倒的リアリティに打ちのめされたい人!

打ちのめされます。映画館でいちイギリス兵士にさせられると言えばそのリアリティが伝わるでしょうか。

戦場にいたらどんな音が聞こえるか、どんな精神状態に陥るか。

打ちのめされますよ。

あとですね、こんな人はNGだよってのもあります。

まずでかい音とかショックに弱い人はやめときましょう。爆撃受けるし泳ぐし打たれますから。

あとは、戦争を「考えたい」人もダメかな。考えることが重要ではない映画なので。

戦争映画ですがグロシーンはありません。エッチなシーンもないので、お子さんも連れて行けるかな〜、行けるけど結構衝撃かもな〜どうかな〜。

なぜ『ダンケルク』はIMAXがオススメなのか?

ストリーミング配信サービスの普及や4Kテレビなどの登場で、自宅で観る映画も良いと感じるようになりました。

そうだからこそ、劇場に足を運ぶ理由を映画制作に関わる人たちは考えています。

そこで近年普及が進んでいるのがIMAXや4DX、MX4Dなどのシステムです。

IMAXとは、高解像度の映像とサラウンドシステムによる音響を楽しめる次世代のシアターのことを指します。

『ダンケルク』ではその約7割をIMAXフィルムで撮影されていると言われています。

通常のシアターだと、最大で40%も映像がカットされてしまうんだとか。


こちらのサイトでは、まさに『ダンケルク』の映像を用いてIMAXの説明がされていますね。

最大で40%、これかなりでかいです。

もちろん40%カットされることも考慮した編集になっているはずなので、通常のシアターで『ダンケルク』を観ても感動するとは思うのですが、やはりできればIMAXで鑑賞していただきたい!

わざわざ海外へ行けとか、大阪へ行けとまでは言いません。

お近くのIMAX上映がある劇場で、クリストファー・ノーランが観せたい映像を最大限で楽しんでほしいと僕は思っています。

お値段も通常のシアターとほぼ変わらず、3Dでなければ数百円ぐらいの差です。数百円の差で体験は数倍に変わります。マジです!

「ノーランを100%で感じ取れないなら通常のでいいよ」

そんな人も、できれば今あるIMAXに行ってほしい!

IMAXで映画を観る人が増えれば、需要があるってことで、海外にあるようなIMAXシアターがあなたの近くの町にできるかもしれないからです。

例えば国内では大阪にしかないIMAXレーザーシアターですが、今度は東京の池袋に新設されるそうです。


まだ2年先ですが、需要がなければわざわざ建てませんよね?

未来の投資としても、ぜひ劇場へ、IMAXシアターで『ダンケルク』を体感してほしい。

これは僕からのお願いですね。宜しくお願い致します。

ではネタバレを含んだ感想を載せていきますね!

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『ダンケルク』で僕らはイギリス兵士になった


出典:YouTube

『ダンケルク』はフランスのダンケルクに追い詰められた英仏連合軍が、撤退する史実に基づいた作品です。

今までの戦争映画は、その背景と戦場の2面を表現し、客観と主観の両面を観て「戦争について考える」作品が多かったと思います。

しかしこの作品はまったく違います。

いちイギリス兵士になる映画ですので、フランスやイギリスの立ち位置とかドイツがどうとか駆け引きとか、そんな裏のことは一切よぎりません。

ただただ生き残りたい。生きて故郷に帰りたい。そう願う約100分間となります。

クリストファー・ノーラン好きは上映時間やたら短いなと思いましたよね? 『インターステラー』なんか2時間49分ありますからね。

「長い、早く終わってほしい」

通常面白くない映画に言いたくなる言葉ですが、『ダンケルク』にはこの言葉が合います。面白いのに、早く終わってほしい。


映画『ダンケルク』予告1

この予告が一番怖いと僕は思いましたね。

もう打たないでほしい、逃げ場のないところで伏せるしかない。こんな感覚、他じゃありませんよ。

『ダンケルク』は1秒の長さを引き伸ばしている


出典:YouTube

楽しい時はあっという間だし、つまらない時間は長く感じる。人間の感覚ってあいまいですよね。

『ダンケルク』は意図的に1秒の長さを引き延ばされていると感じました。

まず100分って長さじゃなかったよなと、映画全体の長さを疑いたくなります。

それはきっと、開始早々に銃撃を受けるから。

だいたい映画って最初の15分ぐらい背景の説明があって盛り上がるまでに時間がかかるじゃないですか。

最近じゃしょっぱなぶち上げて持っていくパターンもありますが、その後説明シーンが入ります。

『ダンケルク』はそうじゃない。開始早々に打たれまくって、終了ギリギリまで戦場で戦い続ける。

ぶち上げ時間が上映時間目いっぱいに設定されています。だから非常に長く感じる!

そしてクリストファー・ノーランと多くタッグを組んでいるハンス・ジマーのタイムマジックもその要因ですね。

先ほどの予告、最初と音が消える最後。時計のチクタク音と鼓動のスピードが違うのに気がつきましたか?

実は徐々に音の感覚が早くなっていってるんです。

時計の音も鼓動も刷り込まれていますよね。それが徐々に早くなっていく。

映画内での1秒の音と現実の1秒の感覚の違いが映画を長く感じさせています。ハンス・ジマーはよくチクタク音で気持ちを焦らせてきますよね。

鼓動も焦ってるときって早くなってしまいますよね。

これは映画なんだから、本当に戦場にいるわけではないんだから、焦る必要はないのに。

だんだん音に合わせて自分自身も焦っていく。目と耳、どちらも操作されている感覚です。

1秒を操作される100分間、新感覚でした!

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『ダンケルク』は3つの時間が流れる


出典:YouTube

『ダンケルク』は陸、海、空の3つの視点で話が進んでいきます。

陸は1週間前から、海は1日前から、空は1時間前から、ダンケルクから撤退するまでを描いています。

なのでちょっと、あれ? キリアン・マーフィーなんでここにおるの? となってしまいますね。その3つの時間がずれてるんでね。

この、あれ? が最後の方になると気持ち良くはまっていくんですよね。

この感覚、まるでクリストファー・ノーラン『メメント』のよう。

そりゃそうですよね、撤退作戦が成功するっていう事実上のオチはみんな知ってることですから!

オチは知ってて、じゃあオチる前は何があったのか? を描いたのが『ダンケルク』です。

船に乗っていた兵士の陸視点。船の転覆から転覆から逃げる兵士を救う海視点。船を助けるためにドイツの爆撃機を追撃する空視点。

それぞれの『ダンケルク』を味わうことができる作品です。

一番主人公っぽいのはトミー(劇中一度も名前呼ばれてない)ですが、この映画の主人公は全員ですよね。

トミーを中心に動いたそれぞれの「ダンケルクの戦い」、それがこの3つの視点となっています。

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
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『ダンケルク』で泣いた場面!


出典:YouTube

3つの時間でそれぞれの「ダンケルクの戦い」を描いてますから、それぞれの立場が見えて泣きそうになりました。

民間船でダンケルクへ向かう船長のドーソン、息子のピーター、息子の友人のジョージの3人も泣かせてきます。

劇中では多くを語りませんが、船長ドーソンの息子、つまりピーターの兄は空軍として3週間前に戦死したんだとか。

「私たちが始めた戦争で、息子たちが戦っている」

ドーソン世代が始めた戦争とは、第一次世界大戦のことでしょう。

第一次世界大戦の終結は1918年、第二次世界大戦の開戦が1939年ですから、ちょうど子世代が戦っていることになりますよね。

過ちを繰り返してしまっている、しかもそれで息子が死んだ。

そんなドーソンの立場を考えると涙が出てきます。爆撃機に詳しいのも、息子が空軍だったからなんて、、、。

キリアン・マーフィー(役名がないので俳優名で呼んじゃう)が暴れても、嫌な奴に見えても責めないのは、第一次世界大戦後にそういった、ショックで我を忘れてしまった人を多く見てきたからだと思います。


出典:YouTube

友達のジョージも助けた兵士(キリアン・マーフィーもショック状態だったからね)が暴れたせいで階段から落ち、頭を打って船の中で亡くなります。

学校の成績は最低でも、英雄になって新聞に載って父親を見返すと言って、その後ひっそりと亡くなるジョージ。

そのジョージの夢を、ピーターがのちに新聞社に立ち寄って叶えますよね。その新聞をピーターとドーソンが観るシーンで涙が。

極端に台詞が少ない映画ですから、それぞれの表情で心境を汲み取っていくわけで。言葉では伝わらない感情がより伝わってきます。

ただ生きて帰りたかったフランス兵


出典:YouTube

実はフランス兵だったギブソン。ギブソンも本名ではないですが。

彼はイギリス兵と同じ服を着ていました。きっと最初に埋めていた兵士の服だったのでしょうね。

じゃあ彼はイギリス兵のフリをした悪人だったでしょうか? 死体から身ぐるみ剥いだ野蛮人?

そうじゃない、彼はただ生きていたかっただけ。必死だったんです。

そんな彼も、英語がうまく聞き取れないがために逃げ遅れて沈む船の中で亡くなります。

彼もただの若者です。僕より若かったんだろうな、徴兵制で駆り出されたんだろうな。そう考えると、泣けてきます。

何事にも動じず戦い続けた空の戦士


出典:YouTube

トム・ハーディ演じるファリアはカッコ良いですよね! 隊長機がやられても、燃料メーターが壊れても淡々と状況を確認し行動する。

ダンケルクから1人でも多く兵士を救い出すために最善を尽くすその姿勢は、男でも惚れます。トム・ハーディはいつも強いね、そしていつも顔を隠されているね。

燃料が切れてエンジンが止まってもドイツ軍を撃退する、最後まで戦う姿勢に胸が熱くなります。一緒にガッツポーズしたかった!

そんな彼も最後はドイツ兵に捕まってしまいます。その後捕虜となったのか、殺されたのかはわかりませんよね。

なんで途中でパラシュートで逃げなかったのでしょう?

これは僕の見解なのですが、ドイツ軍に戦闘機スピットファイアが渡ってしまうことを恐れたのかもしれません。

もしくはスピットファイアと共に散ることを覚悟していたのか。

どちらにしても、最後はスピットファイアを燃やしてましたよね。ちゃんと燃え尽きるまで見守る必要があったのかもしれません。

自分の命と引き換えに多くの兵士を助けたファリアに泣いてしまいます。

ダンケルク・スピリットに涙する

ちょっとおまけ。

『ダンケルク』ではドイツ兵はほぼ写りません。

これは「ドイツ兵が敵である」ということより「一致団結して兵士を救った」ことにフォーカスを当てたかったからだと思います。

撤退したこと、失敗したこと、でも多くの命を助けたことを讃える映画だったんですよね。

ボルトン中佐が助けに来た民間船を見て「どこから来たんだ?ありがとう!」と叫ぶシーンは泣けてきます。

またその裏では、ドイツ軍を足止めするためにダンケルクの西側にあるカレーで戦い続けた兵士たちもいます。

名もなき英雄たちが一致団結した、その魂に涙しました。

大きな勝利には犠牲が必要だった。その犠牲を生まないためにも、一致団結して戦争が起きないようにしないといけませんね。

『ダンケルク』の成功で映画の今後はどうなる?


出典:YouTube

『ダンケルク』が今までとは異なる戦争映画ということは冒頭でお話ししました。

この作品がヒットし続けると、今後映画はどうなっていくのでしょう?

僕は『ダンケルク』が大好きです。戦場に落とされるその感覚は今までにない恐怖でした。

でも、『ダンケルク』は『ダンケルク』でしかないんですよね。

例えばノーラン作品で言えば、ダークナイト三部作であったら、それぞれ人間の奥底にある黒い部分が見えるじゃないですか。

インセプションなら過去に囚われてしまう自分、夢と現実がわからなくなる感覚。

そんな、今の自分と向き合うきっかけにもなっていたわけですよね。映画というフィクションで今ある現実をみせられていた。

でも『ダンケルク』は、イギリス人にとってはより身近なことかもしれませんが、僕にとっては史実でしかありません。

もちろんこの戦いがあったから今の世界があると言えるのですが、決して「今」ではない。

そして体験する作品であるがゆえに、客観視することはできない。

『ダンケルク』は『ダンケルク』でしかない。これは良いことなのか悪いことなのか。

今後、史実に基づいた映画作品がバンバン出てきて、すべてその場を体験するような作品だったなら。

映画で深く考えることが減ってしまうかもしれない。その場にいる感覚のみ研ぎ澄まされて、映画館を出たら何も残らないかもしれない。

そう考えると、クリストファー・ノーランは開けてはいけない扉を開けてしまったのかもしれません。

今後映画がどうなっていくか、注目ですね!

最後に

映画『ダンケルク』は非常に良かったです。ノーラン作品大好きですよ。あ、プレステージはちょっとね。

公開されたばかりですが、次のノーラン作品がもう待ち遠しいです笑

GANO

音楽とのシンクロがたまらないぜベイビー!



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    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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