映画『フォードvsフェラーリ』 勝利の形は1つではない。経営陣vs現場でもあるクリエイター必見の激アツ映画!
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映画『フォードvsフェラーリ』 勝利の形は1つではない
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
2020年1月10日に日本公開となった『フォードvsフェラーリ』を観てきました!
60年代のレースに魅了された人たちの実話をベースにした映画です
では、まず予告編を観ていきましょう!
映画『フォードvsフェラーリ』予告編
男たちの熱い戦いが描かれていますね。
レースの撮影、再現度も気になるところです。
映画『フォードvsフェラーリ』はこんな人にオススメ!
どんな人が『フォードvsフェラーリ』を楽しめるか考えてみました。
・車やレースが好きな人
・クリエイター
・ブロマンス好きな人
こんな感じ。
そりゃタイトル通りの映画なので、車やレースが好きな人は大興奮です。車もレースもかなり忠実に再現されているようです!
そしてクリエイター。商業的なモノづくりに関わっている人は心揺さぶられるものがあります。作曲やってる僕もガツンときました。
最後にブロマンス好きな人! 熱い男たちのやりとりが続くので好きな人はたまらないですよ。
ではネタバレを含んだ感想を載せていきますね!
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『フォードvsフェラーリ』 経営vs現場の物語
タイトルが直球だし予告編でも推されているように、主軸となるのはフォードとフェラーリが対決するル・マン24時間耐久レースです。
車もレースも知らない人にとってなんでそんな長くて過酷なレースをするんだろうと疑問なんですが、映画を観ると納得。
車の性能をアピールする自動車メーカーのプロモーションの場でもあるレースなんですよね。F1と違って2人乗りになっているのもその側面があるから。
だから自動車メーカーの勝利はレース後に車が飛ぶように売れること。フォードにとっての勝利と、キャロル・シェルビーとケン・マイルズにとっての勝利は違うんですよ。そこが面白い!
『フォードvsフェラーリ』であるだけでなく『経営vs現場』であるために困難とそれを越える瞬間が何度もくる、ここに痺れましたね!
本作がアメリカでヒットして、おそらく日本でも多く観られると思うんですが、それは車ファンやレースファンが多く映画館に足を運ぶからではないですよね。
この『経営vs現場』な部分が多くの共感を呼ぶから観られる映画となっているんです。
監督のジェームズ・マンゴールドはインタビューで”優れた映画を作る苦しみを描いている”と言っています。
お金を出す人たちがいて、多くの客さんを集めなくてはいけなくて、でも制作側が求める表現したい形もあって。絶妙なバランスで成り立っているんです。
ケン・マイルズは記録上2位になってしまい、個人の偉業達成はできなかったんですが、それでもその2位があったからこそフォード3チーム同時優勝的な展開を作れたんです。
企業の勝利が必ずしもチームの勝利とはならないってことですよね。現場を知らない経営側の干渉が通ってしまう方が長期的に考える(資金面でね)と正解なのかも。
でも! それでも戦ったシェルビーとケンは素晴らしかったし、むしろ経営的勝利よりもっと美しいものがあるよねと言っているような気がしました。
音楽もそうですね。売れるためにはこっちでしょと名ばかりプロデューサーが修正修正と言ってきて腹が立つこともあるんですよ。みんなクリエイターは戦ってるんです。
そのクリエイター側の気持ちを理解してもらうための映画のように、クリエイターの僕は感じました。
『フォードvsフェラーリ』 死後の評価を美化しすぎないこと
ラストにて個人的な勝利よりも、今まで一緒に戦ってくれ勝利してくれたシェルビーの事、今後もフォードからお金をもらって家族を養っていく事を考えてスピードを落とすケンに涙したんですけども。
そのケンが、映画で描いた通りテスト中に事故死してしまうんですよね。もうホント、辛すぎますよ。
そんなケン、フォードの商業的勝利のためにスピードを落としたが故(と言いたい)、名前も残らず。日本語版ウィキペディアもないんですよ。
こんな情熱を持って車を作って運転して、危険なレースに挑んだ人が一般的に知られていないだけでなくレース界でもあまり認められていなかったんです。
もしかしたら映画では語られていない部分が影響しているのかもしれない、知識のない僕のような人には分からない何かがあるのかもしれない。
としても、ここまでの挑戦をした人が当時もそうだし、今まで評価されていなかったことは良いことではないですよね。
本作のおかげで報われる部分はあるでしょうし、ケン本人からしたら妻と子供にカッコ良い背中を見せ、速さを追求するだけで良かったかもしれないんですけど。
死後の評価は、死後だから。その時評価されるべきだったこと、そこも考えたいなと思うんです。毎回こんなこと言ってるな、泣きそうだな。
なんかこう、目立つ人=すごい人な部分って強いじゃないですか。グーグルやツイッターを攻略した人が売れる人みたいな、YouTubeもね。
そういった宣伝とか下手な人の方が圧倒的に多くて、ケンのことはフォードがしっかり評価すべきだったのではと悔しくもあります。
ケンをレースにて認めたエンツォ・フェラーリはそういうタイプじゃなかったじゃないですか。ケン本人はそれで満足なら良いのかもしれませんが、見ているこっちは悔しいんですよね。
だから今のケン・マイルズ的な人も生きているうちに評価できるようになって欲しい!
商業的な部分の成功だけでなく純粋な勝利(映画なら芸術的な作品かどうか)も大切にされるようになって欲しいです。音楽もね! お金があるから作れるのは重々承知ですぜ
『フォードvsフェラーリ』 CGに頼らない映像に度肝抜かれた!
話の面白さもそうなんですが、この映画撮影も半端じゃないですね。
パンフ読むとありえないこといっぱい書いてあるんですが、車とか本物使ってたり忠実なレプリカ作ったり、全然CG使ってないんですよ。
コースも忠実に再現しているし、レース自体も実際にプロのドライバーに走ってもらってカメラ回して撮ってるんです。
でかつ、俳優も運転していたり、スタンドドライバーが操作する車に俳優乗せて走ってたりするんですよ。
だから映像としては生々しさが出てる。というかあのギリギリの撮影もレースもちょっとドライバーがミスれば大事故ですよ!
その緊張感が伝わってきまして、車に乗せられたフォード2世みたいなものですね。同じく号泣したし。違うけど
映像の迫力と音の使い方が素晴らしくて痺れました。エンジン、ペダル、ギア。こんなレーシングカーって音が気持ち良いのか! ってうっとりです。
戦場に放り込まれた『ダンケルク』
宇宙船に詰め込まれた『ファースト・マン』
ときてレーシングカーに乗せられる『フォードvsフェラーリ』になりましたね。
どれも史実に基づく映画ってのが面白いですね!
最後に
もう超笑ったし超泣いたし、清々しさと悔しさが残る素敵な映画でした。
現場側だけでなくフォード経営陣が感情がない悪役としてだけでなく人柄が見えるように描かれていたのも良かったです。みんな何かを目指す人間だからね。
GANO
下ネタ満載でも可愛い!


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