映画『1917 命をかけた伝令』 戦場で命を救うために走る兵士をゲームのように体感。死の恐怖に震えながら友のため家族のために走る姿に涙する!
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最終更新日:2020/09/19
映画
映画『1917 命をかけた伝令』 戦場で命を救うために走る兵士を体感
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
2020年2月14日に日本公開となった『1917 命をかけた伝令』を観てきました!
第一次世界大戦時の戦場を描いた映画ですね。
では、まず予告編を観ていきましょう!
『1917 命をかけた伝令』予告
全編ワンカットを推しています。
実際には擬似的なワンカットらしいのですが、どんな編集が行われているかも気になりますね!
映画『1917 命をかけた伝令』はこんな人にオススメ!
どんな人が『1917 命をかけた伝令』を楽しめるか考えてみました。
・戦場を体感したい人
・イギリスの名俳優陣を観たい人
・ゲーム好きな人
こんな感じ。
戦場を体感する映画なので1つ目が全てなんです。かなり辛いですが、そこに送られる人がいるんです。どんな酷い場所かを体感できます。
ここからはオマケ。イギリスの名俳優がどんどん出てきますよ! 彼らがなぜこんな印象的なのかにも注目です。
最後にゲーム好きな人。擬似ワンカットで描く戦争映画なので、ゲーム的な没入感がありましたよ。
ではネタバレを含んだ感想を載せていきますね!
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『1917 命をかけた伝令』と『ダンケルク』の共通点と相違点
本作の監督サム・メンデスは、同じくイギリス出身の監督クリストファー・ノーランに強く影響を受けていると言われています。
アメコミヒーローをダークに描いてその後の映画界を大きく変えた『ダークナイト』に影響され、渋くアート性の強い絵作りを優先した『007 スカイフォール』を撮った話が有名ですね。
どちらも名作なので絶対観て欲しいです。
バットマンという有名で、根強く時に保守的になりすぎるファン持つヒーローをノーランが「俺ならこう描くぜ!」と撮り大ヒット。
ならば、同じく有名で根強いファンを持つボンドを「ノーランがそうなら俺ならこう描くぜ!」撮ったサム・メンデス。対抗心のようなものを感じますね。切磋琢磨している感じ。
「戦場の恐怖を観客に味わわせるぜ!」とノーランが『ダンケルク』を撮ったのだから、
「そうきたか! なら俺はこうだ!」と本作を作った、ような気がします。どちらも戦場の一兵士の見る世界に観客をひきづりこむ映画なんですよ。非常に似ている。
『ダークナイト』『ダンケルク』を含むノーラン作品に編集で多く参加しているリー・スミスが本作にも参加しているのも、2作が似る要因ですね。
そして、戦争映画でありつつ人殺しをしに行く映画ではないことも重要な点です。
撤退・攻撃中止・退却を描き逃げて生き残ることを肯定するような内容となっています。人の命を助けたいという気持ちを全肯定しつつ、戦争の恐怖を描いているんですね。
そういった共通点がありつつ、やはり対抗しているので! 相違点があってそこも面白いんですよ。
『ダンケルク』は陸・海・空の3つの視点を3つの時間軸を同時並行して描いたんですが、本作は擬似ワンカット! まっすぐな一筋の線で描いています。対照的ですね。
3つの時間軸を扱う『ダンケルク』は映画的、擬似ワンカットは体感型アトラクション的な手法だと言えます。
またノーランは逃げる兵士や救出しようと試みる民間船を概念として描いたのに対し、サム・メンデスは一人一人をしっかり人間として描いたと感じました。
概念を描くことで体感型アトラクション的に、ヒューマンドラマを盛り込むことで映画的になっていますので、さっきと逆になっていますね。
概念的であるが故に事実とは異なる映像が多かった『ダンケルク』に対し、本作は戦場の汚さ惨たらしさが生々しく映し出されています。
第一次世界大戦と第二次世界大戦という違いはありますが、共通点と相違点を考えるとまるで2作品で1つのようにも感じてしまいますね。
お互いに補完し合っている、と思えるのでセットで観ると良いです。戦場の恐怖と、そこにいた一人一人は自分と変わらない普通の人間だったんですよね。
『1917 命をかけた伝令』で現れる名俳優陣はなぜ印象的か?
イギリスの名俳優がちょこっとなんですが出てきますね!
コリン・ファース、アンドリュー・スコット(だけはアイルランドですが)、マーク・ストロング、ベネディクト・カンバーバッチ、リチャード・マッデン。
途中で命を落とすブレイク上等兵のお兄さんがリチャード・マッデンなのも、『ゲーム・オブ・スローンズ』好きには嬉しかったり。
トメン・バラシオンのお兄ちゃんがロブ・スタークってね。
じゃあこの後コリン・ファースが第二次世界大戦をラジオで伝えるのかとか、カンバーバッチが暗号解読するのかとか、マーク・ストロングがMI6として手伝うのかとか、シャーロックだなとか言い出すとキリがないんですが。
なぜこんなにも印象的なのか。
だって彼らは大尉だったり将軍だったりして、前線で戦う兵士ではなんですよね。落ち着いた場所で指示を出している人たちなんです。
スコフィールドやブレイクのように危険な罠だらけの戦場を走り回ったりしない、だから強い印象を残せるんですよ。
歴史上でもそうですよね、名前が残るのは生き延びた偉い人たちです。
でも彼ら以外に多くの兵士がいて同じように戦って、そして死んでいったんです。
名俳優がちょこっと出て印象を残すことで、逆に名も無き兵士たちを描いているなと感じました。
『1917 命をかけた伝令』で映画がゲームに近づく
本作は擬似ワンカットで撮られています。同じく擬似ワンカットで楽しめる映画に『バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)』ってのもあるのでオススメです。
擬似ワンカットで描くことでスコフィールドと同じ時間を観客は体感できるのですが、これがなんだかゲーム的だったと思うんですよ。
そのまんまの意味でカットを切れないわけですから、退屈な絵にならないためにグルグル回ったり飛んだり落ちたり、360度どこにカメラを向けても良いようにセットを組みロケを行っているんです。
強い没入感とワンカットな映像がスコフィールドを操作するプレイヤーの気分にさせました。名俳優陣が現れるとオートセーブですね。
映画をゲームに近づける試みとしてNetflixが『ブラックミラー バンダースナッチ』という選択肢でストーリーが切り替わる作品を作ったんですけど。
やはりゲームの選択肢の多さに比べると物足りなくてですね、同じ映像を何回も観るのは退屈に感じてしまいました。攻略する気にまでならなかったですね。
逆に映画・ドラマ的なゲームの方が進んでいる印象です。例えば『デトロイト ビカムヒューマン』とか『スパイダーマン』です。
プレイヤーとなって操作することで世界に没入しつつ、ストーリーを映画やドラマのように楽しむことができるんです。2作とも良かったですよ〜映画の世界の主人公みたいな気持ちです。
(余談ですが今フォールンオーダーやってまして、これも映画的。ブレワイもクリアしたんですけどアニメ的で楽しかったです!)
ゲーム→映画の方が映画→ゲームより進んでいるなと思っていたんですが、本作は『ブラックミラー バンダースナッチ』よりゲーム的ですね!
サム・メンデスがゲーム的な映像にしたかったかは別として、観客に選択が委ねられることがゲームに近づけることではなく、擬似ワンカットが映画をゲーム的にさせる秘訣なのかもしれません。
ロジャー・ディーキンスの凄技と映像美があったからかもしれませんね。
最後に
『ダンケルク』的な恐怖と擬似ワンカットが推されていたので、そのつもりで観にいったんですけど。
まさか泣かされるとはね。最後までブレイクと2人で走っていたんだよな。号泣
GANO
コミカルなミステリーが描くものは何?
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