『オリエント急行殺人事件』は美しい映像を楽しむ映画。寝台列車で雪景色を見ながら旅に出た気持ちになる。
公開日:
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最終更新日:2019/01/20
映画
『オリエント急行殺人事件』は美しい映像を楽しむ映画
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
2017年12月8日に日本でも公開となった『オリエント急行殺人事件』を観てきました!
アガサ・クリスティの小説が原作の映画となっています。
では、まず予告編を観ていきましょう!
映画『オリエント急行殺人事件』予告B
ミステリーの名作が美しい映像で蘇った!
原作読んだんですが昔すぎてどんなだったか忘れて行きました。それでももちろん大丈夫。
『オリエント急行殺人事件』はこんな人にオススメ!
どんな人が『オリエント急行殺人事件』を楽しめるか考えてみました。
・美しい映像に酔いしれたい人
・豪華俳優陣を一度に堪能したい人
・善とは、悪とはと悩みたい人
こんな感じ。
なんといっても美しい映像ですね。寝台列車と雪景色が美しくて惹かれます。
そして豪華俳優陣。ジョニー・デップやジュディ・デンチ、ペネロペ・クルスやデイジー・リドリーなどなどやたら豪華です。
何も知らないで観ると「パイレーツの人や! あ、Mや! バニラスカイの! ライトセイバーだせ! ガストンどこや?! 船がたんね〜よ!!」ってなります。
単純にアベンジャーズみたいで嬉しいです。
そして、善と悪を考えたい人。これは主人公エルキュール・ポワロが善と悪をはっきりわけたい性格だからなんですが、ここが一番のテーマだったりします。
ではネタバレを含んだ感想を載せていきますね!
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『オリエント急行殺人事件』は3作目ぐらいだったら良かった
ちょっと残念なスタートですが、悪い映画ではないんです。
悪くはないが、どうもミステリー部分ではパッとしないんですね。結末も腑に落ちそうで落ちないのには理由がある。
各キャラクターの人物像がわかりづらい。
これですね。主人公のエルキュール・ポワロですらちょっとどんな人だったかわからないぐらいです。
エルキュール・ポワロの推理力が曖昧
映画冒頭では卵のサイズが少しでも違うと朝食を食べないシーンがあり、とっても神経質で完璧主義者なんだという感じがしました。
自分を「世界一の探偵」と言っちゃうほど自信満々。
「嘆きの壁」での推理は的確ですし、その後の犯人の行動を先読みして杖を刺しておく部分にも、すべてをお見通しなすごい奴な感じがしてワクワクしました。
チャールズ・ディケンズの小説をヒーヒヒと笑いながら読んでいるところも可笑しなキャラなんだとわかりました。
ちょっと嫌な奴だけど頼りになる、そんな人物像が出来上がりましたよ冒頭で。
なのに、いざ本編であるオリエント急行内の殺人事件になると、冒頭のポワロはどこえやら。
荒ぶってマックイーンに怒鳴ったりして、冷静さに欠ける。
真相はわからないとすぐ根をあげ、なんとなく真相に辿り着くと自分の中の「善と悪」感が揺るがされていく。
あれ? 曲がった事が大嫌い、善と悪は完全に区別する完璧主義者の世界一の名探偵ではなかったのか??
ちょっと推理ができるおじさん程度にしか見えないですよね。ここが残念!
『オリエント急行殺人事件』が1作目でなく3作目4作目あたりだったならもっと面白く観れたかもしれません。
あんなに完璧だったポワロの感情が揺らいでいる?! と興奮できたのですが、1作目だと「そういう緩いおっさんなんだ」としか思えない。
登場人物たち、それぞれの人物像が見えない
2時間ちょっとという制約がありますから、事件発生から解決までやや早足になってしまいます。
なので各キャラクターの性格がよく分からないまま進んでしまいます。
しかもポワロとブーク、殺されたラチェットを抜かしても乗客は残り14名。名前が覚えらねな〜い。
小説だと文字で確認できますし、わからなくなったら戻って読み直せば良いんですが、映画なのでそういうわけにもいかず。
ラストでのテーマ「誰が悪なのか?」も、各キャラクターたちの背景が曖昧なため感情移入できず「いや全員逮捕やろ」となってしまいます。
もっと尺を伸ばすか、他の作品を1作目にするべきだったのではと思わざるを得ません。
『オリエント急行殺人事件』に残る疑問点
腑に落ちない部分は他にも。
マックイーン家とスザンヌ
デイジー・アームストロング家の事件はラチェットが犯人だったわけですから、14人が結託してラチェットを殺しても仕方がない。という流れ。
もろもろわかるのですが、真っ先に検事のマックイーン(父)に疑われ自殺したメイドのスザンヌは、ラチェットもそうですがマックイーン家を恨んでいてもおかしくないです。
スザンヌの恋人であったハードマンやミシェルは、横にいるマックイーンを恨んだ方が良い気がします。といっても父ではなく子供の方なので仕方がないのですが。
ポワロの代わりに乗る予定だった乗客は?
名前忘れちゃったのですが、オリエント急行が出発する29分前までに手続きを終えなかった人物がいたんです。
その人物が現れなかったため、急遽ポアロがオリエント急行に乗ることになりました。
時間に間に合わなかった人物は、同じくラチェットに恨みをもっていた共犯者だったのでしょうか? それともたまたま来なかっただけ?
なんだか意味深にも感じるのですが、続編につながるヒントなのかもしれません。
ポワロとブーク以外が共犯者だったという流れが衝撃的だったのですが、もし名探偵ポワロではなくただの一般人が乗っていたら、面白くないな、なんて思ったり。それで完璧ではあるんですけど。
『オリエント急行殺人事件』の狭い空間での仕掛けが面白い
脚本には腑に落ちない部分多めなんですが、映像に関しては文句無し!
雪景色を走るオリエント急行の絵はまさに絶景。監督オレ、主演オレのケネス・ブラナーのこだわりが伝わってきます。
多彩なカメラワークも見所の一つ。狭い車内を窮屈なく撮影しています。
天井を突き破り、ポワロの頭上からの撮影はまるで部屋の見取り図を眺めているよう。コナンだったらコミカルなピアノとともにガチ見取り図を映すよね
容疑者たちを車内のガラス越しに撮るシーンでは、顔が3重に映され怪しさを醸し出していました。
そして何と言っても窓枠を使った演出の素晴らしさ! まるで額縁でしたね。
ラストシーンでは登場人物1人1人の表情を順番に眺めることができます。
ラチェットによって止められたそれぞれの人生が、事件を境に動き出した。雪が溶け前に進むようになった、そんな粋な演出で使われています。
映像部分でかなりの評価ですよ。
最後に
脚本がもっとよければ、もっとシリーズが続いた後の作品だったらと感じる映画でした。
続編の制作もありそうな終わり方だったので、次こそは完璧なポワロが観たいですね!
GANO
伝統芸能から解き放たれた
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