映画『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』 本格ミステリーで人間の本性をあぶり出す! コミカルで強烈な俳優陣も見どころ
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映画
映画『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』 本格ミステリーで人間の本性をあぶり出す!
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
2020年1月31日に日本公開となった『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』を観てきました!
古典ミステリー感漂う映画ですね。
では、まず予告編を観ていきましょう!
『ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密』1.31(金)公開/60秒予告
家族全員が容疑者! ワクワクしますね。
俳優陣が豪華なところも嬉しいです。
映画『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』はこんな人にオススメ!
どんな人が『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』を楽しめるか考えてみました。
・ミステリー好きな人
・俳優好きな人
これしか言えないんすよね。
予告でわかるようにミステリーなんですよ。結構コミカルなミステリー。
紳士探偵って何それって感じで、俳優陣がいつもの役柄とは違うのも楽しめちゃう。
これ以上は何を言ってもネタバレになってしまうので、ここまで!
ではネタバレを含んだ感想を載せていきますね!
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『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』 「古畑任三郎」や「刑事コロンボ」を思い出す
誰がハーランを殺したのか? その謎を解き明かすために探偵が立ち上がる!
みたいな予告だったんですが、開始早々に犯人もわかっちゃうし、というか自殺場面も普通に出てきちゃうのでどうなるかと思ったのですが。
しっかりどんでん返しが待っていて、かつ謎解きだけでなく人種差別を否定する内容に持っていく部分もライアン・ジョンソン監督にしてやられた感があって楽しかったです。
ミステリー部分を振り返ると、最初に犯人がわかってしまう展開は『古畑任三郎』を、できるんだかできないんだかわからない謎解き係がいるのは『刑事コロンボ』的だなと思いました。
特に犯人、ではなかったんですが犯人だと本人も観客も思っていたマルタが嘘を言うと嘔吐してしまう、必ずバレてしまうという設定は『古畑任三郎』の「笑わない女」を思わせます。
「人を欺いてはいけない」というルールの中、断片的に事実を述べれば嘘にはならない、物事は見ようによっては表にも裏にもなるという運びが似ています。
はじめに犯人がわかっているというのも古畑任三郎的ですよね。って言っても違ったわけで、そこもあるのかと関心しちゃったんですけど。
紳士探偵ブノワ・ブランの視点で捜査が進むと思いきや、マルタの視点で話が進む。ブランは裏でこっそり謎解きしている設定もしてやられた感があって楽しいですね。
本作の予告から既にライアン・ジョンソン監督のトリックにハマってしまっているのが気持ちいいところ。にっこり笑って「騙されたでしょ?」と言う監督の顔が目に浮かびます。
続編も期待したいところですが、この裏切られ感は2度はできそうにないので、次作はハードルが上がりますね。でも観たい!
『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』 金が絡むと炙り出てくる差別意識
父親の遺産を巡った家族内紛争を前面に押し出して、コメディ含む本格ミステリーとして予告してお客を呼び寄せる。
蓋を開けてみると確かに本格ミステリーだが、人種差別問題を主とした映画だった! って部分が面白いんですよね。
本作ラストで文字通り炙り出しが行われていましたが、スロンビー家の本性を炙り出すための謎解きだったわけです。
このスロンビー家はアメリカのメタファーなんでしょうね。自分たちのお金さえ守られれば文句は言わないけど、やっぱりどこか見下している。
お金を持っているハーランとしてではなく、友人として接し仕事も誠実にこなすマルタにだけ遺産が渡されるとわかった途端に本性が出ちゃう!
ほんの数日前までは家族みたいなもの、今後も面倒を見るよと言っていたが、仲良くしていたメグさえも他人呼ばわりするこの酷さ!
程度は違えどそれぞれどこか差別意識が隠れているんじゃないの? みたいなことを言っているようですね。
この程度の違う差別意識は『ゲット・アウト』でも描かれています。
キース・スタンフィールドはどっちにも出てますね。
だからこそランサムの期待を裏切り、マルタがフランを助けた(その後死んでしまいますが)のも、ラストでマルタがスロンビー家を助けた方がいいか悩むのも痛快です。
マルタもどうせ金を持てば悪人になるんだろ? と思うこと自体が、自分たちがそうですよって言ってるようなものなんですよ。情けないスロンビー家。
きっとマルタは許して手を差し伸べるんでしょうね。差別意識は多かれ少なかれあろうと、少しの希望にかける! そんな終わり方のようにも感じます。
マルタの頭に向けられた(ように見える)大量のナイフも、おもちゃでマルタは傷つかない。
人種差別するお前らの言葉なんざ偽物であって痛くもかゆくもないわ! ってことなんでしょうね。
『ナイブズ・アウト / 名探偵と刃の館の秘密』 配役がすでにコメディ
本作は配役で笑かしにかかってきます。映画好きなほど「なんでこの人がこの役なの!」って笑っちゃうんでしょうね。
『007』シリーズのイメージが強いダニエル・クレイグがコミカルな紳士探偵!
MCUシリーズの正義感そのものなクリス・エヴァンスが差別意識バリバリのクソ男!
威圧的態度で怖い役所が多いマイケル・シャノンがパッとしないヘナヘナのすねかじり男!
特にクリス・エヴァンスは映画内だけでなくプライベートでも正義感が強く、白人至上主義と戦っているイメージがあります。
そんな彼がランサムみたいな役をやっているのが楽しくてしょうがない! ウァーオって顔するクリエヴァに爆笑
役者側も過去作品のイメージに引っ張られて困っている部分もあるでしょうし、このようなイメージと真逆の役が回ってくるのは嬉しいんでしょうね。
『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』の時もそうでしたが、ライアン・ジョンソン監督は壊すのがうまい!
今後も壊して再構築して新鮮さを届けて欲しいですね。
最後に
ナイフが大量に向けられた椅子に誰が座るのか! みたいな感じ、『ゲーム・オブ・スローンズ』パロディで笑いました。
楽しい監督だなって、今後も監督の名前だけで観たくなりましたよ。
GANO
こっちのコメディは号泣してしまいました
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