映画『ゴールデン・リバー』 希望と友情の物語。本当の自由とは一体何なのか? 名俳優4人の演技に酔いしれる!
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映画『ゴールデン・リバー』 希望と友情の物語
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
2019年7月5日に日本公開となった『ゴールデン・リバー』を観てきました!
名俳優4人が揃っている時点で興奮しますね。
では、まず予告編を観ていきましょう!
【公式】映画『ゴールデン・リバー』7.5(金)公開/本予告
ゴールドラッシュ時代の西部劇のようです。
サスペンス要素の強そうな西部劇っぽいですね。
映画『ゴールデン・リバー』はこんな人にオススメ!
どんな人が『ゴールデン・リバー』を楽しめるか考えてみました。
・理由はないがとにかくお金が欲しい人
・父親との関係性があまり良くない人
・復讐心にかられている人
こんな感じ。
お金欲しいな〜って人。まぁ欲しいですよね、なんとなく。そのなんとなく欲しいって感情が一体なんなのか? ってことなんですよね。
そして父親が怖かったり、縁を切っていたり、良好な関係を保てていない人にもオススメです。テーマの一つです。
最後に復讐心にかられている人。復讐して、報復して、その繰り返しにハマってしまう。そんな部分もテーマになっています。
ではネタバレを含んだ感想を載せていきますね!
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『ゴールデン・リバー』 本当の自由とは一体何なのか?
1851年のゴールドラッシュ時代、予告の始まりにあるように銃の腕が立つ者が生き残る、もしくは銃の腕が立つ者を雇うことができる金持ちが優位に立てる時代です。
殺し屋であるシスターズブラザーズも提督に雇われているわけですよね。
暴れん坊で甘えん坊な弟チャーリーは、とにかく金があれば酒が飲めるし女が抱けるというような考えを持っていて、お金自体が目的となっています。
殺し屋の仕事にうんざりしている兄イーライも、連絡係のモリスも、なんとなく仕事を続けている様子です。
そんな3人を変えていくのが科学者ウォームですね。
お金が目的ではなく、暴力と金に支配された世の中を変えることが目的なんだ。お金はその足がかりだと説きます。
呑んだくれの父親を殺し2人で生きてきたシスターズブラザーズも、父親に嫌われ家を出たと話すモリスも、暴力と金に支配された世界の住民には変わりがないんですよ。
父親の呪縛から逃れ大金を手に入れていた3人は自由になったと思い込んでいましたが、結局は提督という新しい父親に支配されていただけなんですよね。
だから3人ともどことなく悲しげ。どんなにお金が手に入ろうと誰かの指示にしたがって動いていては自由ではないんです。
そんな3人が、まるで希望そのもののようなウォームに魅せられて、協力し合いダムを作り酒を呑んで笑い合う時間は、まさに自由そのものでした。
本当の自由とは、希望を持って自分の意思で行動できることなんですよ。
3人ともなんですけど、特に強がって生きてきたチャーリーにとっては初めての自由だった、だから欲が出て薬品をもっと撒こうとしちゃったんですよね。
チャーリーはお金が欲しかったんじゃなく、その希望に向かって行動する4人の時間がもっと欲しかったんですよ。成果を出してもっと大きく前進したかった。
欲が出すぎてウォームとモリスは死んでしまいます。本当に悲しかったですよ! チャーリーの気持ちが変わるから誰も彼を責めないですし、チャーリーは自分を恥じている。だからこそ悲しい。
ずっと父親たちに支配されてきたシスターズブラザーズは、ラストで母親の元に。
父親を殺した瞬間から2人の時間は止まってたんですよね。ラストの母親との生活で、また時間が動き始めた。改めて人生が始まるんです。
予告とは違って家族と友情がテーマとなってました。肩透かし食らったって意見もありますが、ハートウォームって宣伝じゃなかなか日本で観てもらえないのかもしれませんね。
『ゴールデン・リバー』 報復が報復を呼ぶ
シスターズブラザーズは殺し屋なので、その殺した人の家族からの報復を常に警戒しています。
殺せばその親、子供、兄弟、友人などなどが現れ、そいつらを殺せばまたさらに追っ手が増える。
終わらない報復にうんざりしているイーライと、やるしかないと吹っ切れているチャーリーといった感じです。
大元である雇い主の提督を殺すことですべてを終わらせようとする2人。
計画を実行しようとするその時に、なんと提督が老衰(多分)で死んでいたんですよね。
ここすごい大事だと思ってまして。殺すとしっぺ返しがあるけど、勝手に死んでくれればもう終わりなんですよ。
人はいづれ死ぬ。殺して報復に怯えるより、勝手に死ぬから放っておく方がいいぜってことなんじゃないでしょうか。
負の連鎖にハマると自分が死ぬまで終わらないんです。だから、最初から手を出さない。
自分の意思で動き、負の連鎖にはまらないように気をつけていれば、4人は違った形で出会って友情を築いていたかもしれませんね。
『ゴールデン・リバー』 4人のキャラクターがクスリとさせる
結局ウォームとモリスは死んじゃうし、夢は叶わないし、チャーリーは片腕を失うんですが、その後半の辛さを引き立たせるように前半は笑いどころが多いです。
とにかく4人のキャラクターが良い!
イーライは女性にもらったブランケット(たぶん)を大切に持っていて、娼婦とコントしてもらうぐらいその女性を想っています。
歯ブラシを買って下手くそながらも洗って笑顔になっているのは微笑ましいですね。モリスと並んで歯磨きしているの笑いました。
チャーリーは甘えん坊! 体は大人でも心は子供のまま止まっているので、喧嘩はするし撃ちまくるし酒癖も悪い。
危なっかしくてかわいそうな存在なんだけど、ホアキン・フェニックスの演技が抜群! 魅力たっぷりなチャーリーとなっています。
モリスは几帳面な性格。毎日日記を書きターゲットの物の食べ方まで記録する几帳面さ。
補正前の道を靴が汚れないよう狭い板の上をチョンチョン歩いての登場には笑いました。いつも芸が細かいねギレンホール。
ウォームはとにかく良い人。まっすぐに理想を語り人を魅了する力を持っています。
モリスとの会社ロゴを考えて話すシーンは微笑ましかったですね! 逆さにしても一緒だよってやりとりはグッときました、なんで死んでしまったんや。
最初モリスがウォームを騙していたので、これは『ナイトクローラー』の再来かと思いましたが、善玉のギレンホールでしたね。
モリスとウォームのやりとりをずっと観られるのでオススメです。
最後に
ラストでホアキン・フェニックスが母親にお湯をかけられているシーンは、10月に公開される『ジョーカー』とでしたね。
ホアキン・フェニックスっていいよね。
GANO
ジェイク・ギレンホールがまた良い味出してます!


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