映画『レディ・プレイヤー1』 一時停止を押して確認したいほどの情報量。なぜ人はバーチャルな世界へ行きたくなるのか? 「俺はガンダムで行く」

公開日: : 最終更新日:2019/01/20 映画

映画『レディ・プレイヤー1』 一時停止を押して確認したいほどの情報量

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

2018年4月20日に日本でも公開となった『レディ・プレイヤー1』を観てきました!

スティーブン・スピルバーグ監督が作った超オタク映画ですね。

では、まず予告編を観ていきましょう!


映画『レディ・プレイヤー1』コミコン予告

小説『ゲームウォーズ』を原作として作られたSF映画です。

VR技術が発展した近い将来な感じがする映像となっているので、未来を覗いている様な感覚もありますね。

『レディ・プレイヤー1』はこんな人にオススメ!

どんな人が『レディ・プレイヤー1』を楽しめるか考えてみました。

・オタク
・80年代を通過した方
・ヴァーチャルな世界に逃げ込みたいと考えている方

こんな感じ。

映画オタク、アニメオタク、ゲームオタク、音楽オタク。ファンボーイな人は楽しめますね。〇〇と〇〇が戦ったらどっちが勝つと思う? なんて会話で盛り上がるような人にはぴったり!

そして80年代を通過した人。80年代だけでなく60年代から90年代まで幅広くオタク要素を取り入れていますが、主軸は80年代です。リアルタイムで感じているとより面白いでしょう。

最後に現実が嫌だったり、新しい技術に触れたかったりでヴァーチャルな世界に行きたいと考えている人。VR世界を疑似体験できる映画となっています。

現実逃避のためにVR世界を利用したいと考えている人たちへのメッセージもありますよ。

ではネタバレを含んだ感想を載せていきますね!

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『レディ・プレイヤー1』は情報量多し! 劇場だけでなく家での視聴も考えている?


出典:YouTube

『レディ・プレイヤー1』はとにかく情報量が多い! これも戦略の1つだなというのが一番の印象でしたね。

あのキャラとあのキャラを戦わせたらどっちが勝つと思う? なんて話題はオタクでなくとも盛り上がりますよね。

FF好きな人は『ディシディア ファイナルファンタジー』に胸を熱くさせるだろうし、ジャンプ愛読者は『ジャンプスーパースターズ』や『ジャンプアルティメットスターズ』で作品を越えた戦いに涙する、はず。

FFとディズニー関連キャラクターが入り混じる『キングダムハーツ』シリーズは僕も何作かやりました。あのキャラとあのキャラが喋ってる! ってだけで嬉しいんですよね。

と言ってもどれも権利元が同じであることで実現しています。『キングダムハーツ』はディズニーとスクウェア・エニックスですけどね。あとカプコンは結構コラボしてる印象。

夢の共演って、なぜ夢で終わってしまうかというと、権利の問題があるわけですよね。夢の共演をするためには、権利元に許可を得つつ使用料を払わなければいけない。

その大変な権利関係をクリアして実現したのが今作『レディ・プレイヤー1』なんですね!

スピルバーグ監督作品という信頼性と莫大な制作費があってこそこの情報量があるわけです。と言っても、実現できなかった部分も多いみたいなんですが。

一瞬しか映らない、気づくか気づかないかぐらいなのになぜわざわざ権利を買ってまでキャラクターを登場させるのか?

まず、映画館に何度も観に来て欲しいからですよね。「あのキャラに気づいた?」「え、いたの!? もう1回確認しに行くか!」といった具合で数回観に行く人多いと思います。

そして円盤。DVDやBlu-rayで発売された際に買う人も増えます。だって一時停止して確認したいじゃないですか、アグモンどこにいたのよ。

最後にストリーミング。僕もそうなんですが、もう円盤買うことってないと思うんですよね。だいたい映画館行くかストリーミングで楽しんでしまう。

劇場、円盤、ストリーミングの3つ収益があれば、ここまで使用料を払っても大丈夫だろうという考えがあったのだと思います。

実際、劇場公開だけでもう黒字化(制作費の4倍以上とされている)は問題なさそうですし、内容的に円盤やストリーミングの方が伸びそうな気がする。

劇場に足を運ばない層も視野に入れた戦略があるなと感心してしまいました。そしてまんまとハマってしまっています。

あえてやっていることを忘れてはいけない

スピルバーグ監督もオタクですから、より情報量を多くしたいと思って制作しています。

なので「ファーストなのにZZのポーズなのはおかしい! わかってない!」みたいな人もいるんですが、それはあえてやっているんですよ伝えたいところ。

そりゃできることならファーストガンダムとZZを同時に出したかったでしょうよ? でもできないから、というかファーストなのにZZポーズやっちゃうってところにオタクっぽさが出てて楽しいんだと思います。

もうね、詰め込みたいのはみんな一緒ですよ。だったらシャアザク出て欲しいしユニコーン(パシフィック・リム アップライジングに出てる?)もターンエー(僕が好き)も出て欲しいですよね? スピルバーグのキュベレイ観たくない?

あれはメカゴジラじゃない! とかさ、もうあえてやっているのオンパレードだと思うんです。情報過多で何周も回っているんですよきっと。

そのあえてやってる感をぜひ楽しんで欲しいですね。

『レディ・プレイヤー1』が伝えたかったメッセージとは?


出典:YouTube

『レディ・プレイヤー1』ではVRの華やかで楽しい世界とは対照的に荒れ果てた現実世界が映し出されています。

多くの人々は現実世界の改善を諦め、VR世界に没入することだけを考えて行きている様に感じました。まさに現実逃避ですね。

VR内のお金は現実世界でも使えるため、一攫千金を狙うべく課金して負け、また課金して負け、借金まみれで死んでいく。まるでカイジの世界ですね。

技術発展して生まれたVR世界はユートピアのようですが、現実世界はディストピアです。

主人公ウェイドも現実世界を捨てVR世界で生きる1人です。そんな彼にハリデーは言います。「現実こそもっともリアルだ」

なぜVR世界が楽しいのか、なぜ逃避行してしまうのか。それは現実世界があるからですよね。

現実世界がもっともリアルで辛く苦しい、だからVR世界に逃げ込みたくなる。

じゃあVR世界しかなかったら? その中で生きていくことが辛くなる人も出てくるでしょう。結局のところ幸せとは相対的なものなんです。

だからラストでウェイドは週に2日、VR世界オアシスをお休みにします。

現実世界があってこそのVR世界。悲しみがあるからこその喜び。どれも相対的で、絶対的なものはほとんどないと言えます。

現在ヴァーチャルユーチューバーが出てきて、VR技術も発展しVRチャットなんてのも出て来ていますよね!

『レディ・プレイヤー1』は2045年設定ですが、SFのようで近い未来な気もします。全然ありえる。

そうなったときに、最大限VR世界を楽しむためにも、現実をしっかり生きないとね。そんなメッセージがあると僕は感じました。

「現実はメシがうまい」ってのもポイントですね。VR世界でラーメン食っても満たされなさそうですもんね。

年齢性別人種を越えた世界

今のヴァーチャルユーチューバーもそうですが、もう性別とか年齢とか関係なくなっていますよね。

おっさんだろうと美少女の見た目であれば愛される世界はもうできています。

見た目のコンプレックス、声のコンプレックス、性別のコンプレックス、人種のコンプレックス。

なんでこんな自分に生まれてしまったのだろう。僕もたまに思っちゃいますが、そんな悩みを無くしてくれるのがVR世界です。

好きな見た目になってコンプレックスなく生きられるVRは、とっても魅力的だなと感じました。

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『レディ・プレイヤー1』 VR世界は現実世界より権利に厳しい?


出典:YouTube

『レディ・プレイヤー1』の世界では(権利取得に頑張ってくれたおかげで)様々なキャラクターが入り混じっています。

予告を観る限りでは、この映画を製作する上で大変だったであろう権利問題は、VR世界では無法地帯と化しているのかなと思っていました。

でも映画を観るとどうやら違うみたい。しっかり運営が儲かっていて、ガンダムを2分操るためにも廃課金しないといけないような内容となっています。今と変わらないな!

むしろ今よりも廃課金の人は多そうですよね。現実世界を捨て去って、ボロボロのコンテナの中でお金はVR内につぎ込む。

今よりもクリエイターは儲かってそうな感じもします。今よりもっと権利に厳しい世界になっているような気がします。

2045年になっても80年代ポップカルチャーが人気となると、古いクリエイターばかりが儲かって新参クリエイターは苦しい世界なのかもしれません。

夢の世界のようで、実はとってもリアリティーある作品なのではないかと感じました。

『レディ・プレイヤー1』で『シャイニング』をがっつりやるとは


出典:YouTube

画像はチャッキーですけどね。いやチャッキーもがっつりだったけども!

スティーヴン・キング原作、スタンリー・キューブリック監督の映画『シャイニング』ががっつり引用されていたのには驚かされました。

その他のキャラクターたちは戦うだけであったり、またはセリフに使われる(ファルコン号出て欲しかった)程度でしたが、『シャイニング』はもろセット使ってましたよね。完コピです!

さすがにジャック・ニコルソンは出てきませんでしたが、ホテルがまんますぎて鳥肌ものでした。一番興奮したシーンだった。

特にエレベーターから大量の血が流れ出るシーン! 衝撃ですよね〜あれをがっつりやっちゃうなんてね。

ジャックでなくハリデーがホテル(写真の中心がハリデー)に囚われてしまっていたのも笑いました。

その他の映画やゲーム、アニメや音楽は知らなくても楽しめますが、このシーンだけは『シャイニング』観てないと面白くないのかもななんて思いましたね。

去年観ておいて良かったです笑

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
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最後に

実際にVRの世界を作るならライフ多めに欲しいなって思いましたね、1度死んだら最初からやり直しって結構きつくない?

俺はガンダムで行く!

GANO

ベン・メンデルスゾーン繋がり



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    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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