音楽やるならやっぱり大事!部屋を防音してみました。防音とは何か、音の伝わり方も勉強します。
公開日:
:
最終更新日:2016/08/14
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自作防音室を作ったこおろぎさんの記事
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
今回は僕が行った部屋の防音対策についてです。
先日、こちらの記事を読みました。
作曲家として活動されているこおろぎさんのブログ記事になります。
この記事は自作防音室の紹介や作り方が載っているのですが、最後の方に鋭い一言が。
演奏家が楽器を買うように、ボーカリストは防音室を買ってもいいんじゃないの、と前から言っております。
この『言っております』の部分で音楽をやっている身として、怒られてるような気分になります。
怒られてる気分ってことは自覚があるってことなので、部屋の防音対策をしてみました。
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音の伝わり方
音楽室って防音されてますよね。壁に穴ぼこが空いていたり、窓が2重だったり。
僕はなんとなく、壁に穴が空いていると防音効果がある、窓が2重になっていると防音効果があると安直に考えていました。
でも防音って、音を防ぐと書いて『防音』です。
どうやって音を防ぐのかを考えてなかった
防音する構造を無視してました。アホみたいに防音防音言ってました。
防音対策をするためには、知識として音がどのように伝わるかを知らなければいけません。
まず、音はどのように伝わるかを考えます。
音の種類とは?
音は2種類の方法で僕たちの耳に入ってきます。
『固体音』
壁や床など物を振動させ、そこに触れている体から耳に伝わってくる。
『空気音』
空気を振動させて直に耳に伝わってくる。
この固体音と空気音の2つが生活する中で耳に入ってきています。
言葉だけだと分かりづらいので、絵を描いてみました。
・固体音
隣の部屋の人が床を殴ると、建物を伝って音が伝わってきます。
・空気音
口から出された声(音)が空気を振動させて伝わってきます。
糸電話や骨伝導を推した携帯を体に付けて聞こえる音は固体音ですし、だだっ広い草原で叫んだ際に聞こえる声は空気音です。
この2種類ですが、片方どちらかしか聞こえないってことはほとんどありえません。
空気音が壁にぶつかれば壁が振動して固体音に変わります。
つまり『個体音』と『空気音』が合わさったものを僕たちは聞いているわけです。
どちらもしっかりと防音したい。
音の防ぎ方
音の種類が分かった次は、音をどうやって防ぐかを考えます。
防音方法は3種類
『吸音』
音のエネルギーを吸収し熱のエネルギーに変えて音を小さくする。
『遮音』
音を跳ね返して通らないようにする。
『防振』
振動するエネルギーを吸収して減らす。
それぞれの防音方法を絵にしてみました。
・吸音
・遮音
・防振
この3種類です。これらを組み合わせて『防音』と言います。
音楽室は窓を2重にして遮音し、壁の穴(の中の素材)で吸音し、床をコンクリートやその上にフワッフワのやつを敷いて防振してたのです。
音楽室のような部屋を作るにはかなりの資金が必要です。
ボーカルブースは小さな音楽室
この音楽室の構造を小さくしたのがボーカルブースだと思います。
こおろぎさんの自作防音室もしっかりと吸音と遮音がされてます。
改善点のところに防振も入っているので、やはりこの3点セットだと思います。
これで音の種類と防音方法が分かりました。
続いて自作での防音室を試していきたいと思います。
自作防音室はやめました。
こおろぎさんの記事には防音室の作り方も載っています。
防音室も設計図も載ってるんです。
でも、この防音室を作るのはやめました。ごめんなさい。理由はいっぱいあります。
自作の防音室をやめた理由
・5万以上かかりそう
こおろぎさん本人も他の方に頼んだようで実際の価格を確認できていないそうです。
僕も後に載せますが、これだけの材料を発注するともっとかかると思います。きっと吸音材と遮音シートで5万なんじゃ...
・150kgは重い
築30年の僕の賃貸物件では150kgは耐えられません。
しかもこの中に機材と僕が入るわけで。痩せてるけど無理でしょう。
万が一を考えると賃貸物件では手が出しづらいですね。
・狭い
できればベースやギターやピアノを鳴らしたいのですが(今も鳴らしてますが)、どうやらそれほどのスペースはないようです。
歌録りも圧迫感なく余裕を持って歌いたい場合にはこのサイズでは不向きのようです。
・暑いのも寒いのも嫌!
夏場では暑く、冬場では寒いのが自作の防音室ですね。
エアコンのダクトをつけるとなるとさらに費用がかかります。
寒暖を我慢するか、お金をかけてエアコンを設置するかになりますが、それなら既存のものを買った方が早いかもしれません。
こんな理由で断念しました。
市販の防音室の紹介もあるのですが、やはり高い。そして重い。
簡易防音室「だんぼっち」
8万円の「だんぼっち」というものもあるのですが、これは僕は信用してません。
僕は八百屋での勤務歴が10年以上あり、段ボールを触る機会も人の何十倍もありました。
耐久性やそれこそ防音効果なども実際に触っているのでわかるのですが、そこまで大したものではありません。
何か補強したりするのであれば良いのですが、単品では導入したくありませんでした。
なので、そのすべての条件をクリアする方法を考えました。
『安く部屋全体を防音しよう』
こうなるわけです。原点に帰ってきましたね。
防音壁を作る 準備
防音対策をする度合いと金額は比例します。本格的に部屋を防音するとなると、金額も大きくなります。
今回はコスト削減のため、『固体音』と『空気音』のどちらの音を防ぎたいかを考えます。
僕が楽曲制作にもっとも録音するものは『歌』です。
そしていつも録音中に気になるのは外を歩く人の『話し声』です。
どちらも人が口から発して、多くは空気を伝わって入ってくる『空気音』です。
僕は『空気音』を防音することに決めました。
ちなみにドラムなどのパーカッションやベースなど重低音系を多く演奏や録音される方は、個体音がものスゴイ出てます。
なので、いくら空気音を防いでも壁や床を通って近所に伝わっているので、固体音を防ぎましょう。
(僕もたまにベース弾くけどそんな激しく弾かないしアンプバンバン鳴らさないし良しとします)
防音壁を作るための材料を調達
『空気音』を防ぐために『吸音』と『遮音』をしたいと思います。
防振はコスト削減のためにシカトし、安い吸音材と遮音シートを探しました。
価格は全て2015年2月現在のものです。
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合計3点、送料合わせて26,000円です!
この3点を組み合わせてMy防音壁を作ります。
僕の部屋の間取りはこんな感じです。
玄関、風呂、トイレは別スペースのため割愛。
キッチンと作業部屋はスライド式の仕切りになっています。
やはりベランダに沿ってある窓からの音の出入りが一番大きいと思うので、そこに防音壁を立てます。
イメージはこんな感じ。キッチンとの間に仕切りをしてしまえば防音室っぽいです。これならいける!
早速購入してみました。
防音壁を作る 実践
防音素材が届きました。
開封する前の準備としては、必ず長袖長ズボン。そして手袋にマスク。できればゴーグル。
ロックウールは細かい素材なので、肌が敏感な方は少し痒くなると思います。
万が一飲み込んだりするかもしれないので、マスクもなるべくしてください。
(僕は風呂上がりにホクホクしながら腕まくりして素手で作業しました。
非常に後悔しました。匂いも付くし風呂も後で入ってください)
届いた3点を部屋に置いてみました。でかいです。
ロックウールは保温がメインなんですね。
この箱はでかいだけで結構軽いです。5kgぐらいかな。
開けると畳のような板が入っています。
触り心地は高反発マットのようで、しゃりしゃりします。綿の塊。
これは裏面なのですが、正面はガラスクロスというもので覆ってあるので安心です。
両面テープです。非常にシンナー臭いです。ちょー臭いです。
これをカットして使うのですが、ハサミではやらないほうがいいです。
刃にネチョネチョとくっつくので、カッターで切ってください。
貼り付け作業に入ります。
吸音材の側面に両面テープをつけます。
こんな感じに3枚を1つの壁にします。
この上に遮音シートを貼り付けます。
これが遮音シート。シンナー臭い。そしてゴム臭い。
何よりこれちょー重い! 40kgくらいあります。
紙を取るとこんな感じ。サラサラとした手触り。
裏面はこんな感じ。
この遮音シート、図工室にあるカッター使うときに下に敷くやつみたいです。
それを柔らかくしたような素材。
このように重ねて、余分なところをハサミで切り(こちらはハサミで大丈夫です)、両面テープで貼り付けます。
両面テープは強力ですが、遮音シートが結構重いのですぐ持ち上げると落ちます。
1日ほど張り付くまで放置してください。
できました。立てかけてみます。
でかい。白いモノリスの完成です。
追記:3ヶ月後にシートが剥がれ落ちているのを発見いたしました。テープでは重さに耐えられないようなのででかいホチキスみたいなやつで付けたほうが良さそうです。
ロックウールは8枚入りなので、3枚1セットで作ると2枚余ります。
その2枚は縦につけてみました。
60×90の板なので組み合わせ次第でなんとでもなります。
さっそく設置してみました。
バッチリです。倒れてこないようにカーテンレールに紐で結んであります。
防音壁の使用感
本当はdB計を用いて数値を出したほうがいいのでしょうが、今回取り付け前を測定し忘れたので、断念です。
さらには、完全なる防音室ではなく壁に立てかけたタイプなので、建物によって大きく差が出ると思われます。
なので今回は僕の使用感でお送りします。
部屋を防音室にした効果は?
・外からの音は多少小さくなる
少し小さくなったような気がします。
設置したことにより閉塞感も出ているのでさらに小さくなったように感じます。
・外への音は結構小さくなる
内側に吸音ボードを設置したので、部屋からベランダへの音はかなり小さくなりました。
部屋でAC/DCのHells Bellsを爆音で流しながらベランダに出たのですが、まったくブライアン・ジョンソンのシャウトが聴こえませんでした。
これはすごい。
・両面テープは足らないが、遮音シートはクソ余る。
吸音ボードと遮音シートをくっつける際に、4辺すべてに使っていたら絶対足りません。
3個セットぐらい買っとくべきでしょう。僕は妥協しまくりました。
それに対して遮音シートはクソ余ります。もう1個分作れそうです。
こちらは誰かとシェアしてください。
もう一度追記:3ヶ月後にシートが剥がれ落ちているのを発見いたしました。テープでは重さに耐えられないようなのででかいホチキスみたいなやつで付けたほうが良さそうです。
・部屋が暗くなる
窓を全面覆ってしまったので暗いです。
・臭い
臭いです。ゴムなのかシンナーなのか、とりあえず臭いです。
1週間でだいぶ薄れ、2週間もすればまったくしなくなりました。
僕みたいにキッチンが隣にある家の方は注意です。
・気休め感は否めない
立てかけてあるだけであり、キッチンへのドアも密閉していないので、気休め感が否めません。
3万円以内で防音しようとしたらこの程度です。
遮光・遮熱・遮音なので3万円のカーテンを買ったと思えば安いものです。
防音壁を設置した環境で1曲作りました
防音してから歌モノを録ってみました。そのまとめがこれです。
閉塞感もあり前以上に大声で気持ち良く歌えました。
後は歌が上手くなればいいだけです。
最後に
気休めとは書きましたが、やるとやらないとでは大違いです。
このように部屋を軽く防音して、だんぼっちと合わせて使うのも悪くないかもしれません。
それなら10万円で収まるので、市販のものを買うよりいいと思います。
吸音材は通気性が良ければもっと吸音するのでガラスクロスをはずして裸にし、こおろぎさんの防音室のように、有孔ボードを被せてあげたほうが効果的です。
お金に余裕のある方は、プラス有孔ボードを。
防音の勉強にもなったし、作ってる時のワクワク感も良かったし、金額以上の楽しさだったと思います。
おまけ
自宅で音楽をやる方は近所の方への配慮は絶対だと思います。
僕は賃貸の契約をする際に、『ピアノや歌を多少やるので了承願いたい』と伝え、大家さんにOKを出してもらってから契約しました。
さらに入居日には隣接する部屋の方に菓子折りを持って挨拶に行きました。
念には念をです。すれ違うときは必ず挨拶です。世間話もたまにします。
僕は都内で何回も引越ししてきましたが、毎回同じことをしています。
『いい人』には文句が言いづらいものです。
ある程度自分で防音し、少しうるさいかなって時も日頃の行いで見逃してもらう。
やるとやらないとは大違いです。
GANO
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