僕がクラシック音楽、特に現代音楽に抱く恐怖心と不快感。

公開日: : 最終更新日:2016/06/12 BLOG

前回記事から

どうも、GANO(@Past_Orange)です。
前回こんな記事を書きました。
Vol.23 ミニマル・ミュージックってどんな気持ちで聴けばいいの?僕は「ミニマル=生活」だと思う『Electric Counterpoint/Steve Reich』
ミニマル・ミュージックを僕はどんな気持ちで聴いているかの話をしました。

そこで冒頭部分にこんなことを書きました。

僕がこの曲を取り上げて『ANALYZE』なんて言うと、
鬼の形相で迫ってくる人やビルの屋上から高笑いしてくる人がいると思うのですが、そんなことはどうでもいい。

この文章は攻撃のようで実は防御してるんです。

僕はクラシック音楽や現代音楽が怖くてしょうがない

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小学生のころの親


小学校の時って、行事毎にみんなで合唱する機会が結構ありました。

その時はピアノ演奏のみの合唱なのですが、その演奏は生徒が行うのが当たり前のようなところがあって、
ピアノを弾ける友達がかっこいいなぁと思うような子供でした。

ピアノ=女の子がやるものっていうイメージも子供だから持ってきたのですが、
それでもなんだか憧れていて、親に「ピアノがやりたい!」と言いました。

返答は
「ピアノはお金がかかるからできません。クラシックはお金持ちがやるもの」

こうだった。僕の家は確かに貧乏だったし、その通りなんだけども、
貧乏は音楽ができない」

という現実にとっても傷ついたのを覚えています。
それと同時にピアノが弾ける子への嫉妬からくる嫌悪感も抱いていました。

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中学校の音楽のテスト


これは最悪だった。

僕が通っていた中学校の音楽の先生は、現代のポップスなども多く取り入れていて
結構好きでした。

合奏にドラムセットやエレキベースを入れたりして、音楽の授業はとっても楽しかった。

でもテストは違いました。
音楽の筆記テストで出たのは
「クラシック音楽作曲者100人丸暗記」

地獄だった。ただ100人分のカタカナの文字が書かれた紙を渡され、
さあ覚えなさい。これだ。

どの時代のどんな音楽を作ったのかは一切やらず、ただの暗記。
非常に苦痛でした。

なんだか反抗してしまって、まったく暗記せずにテストを受けて、
書けたのはバッハ、モーツァルト、ベートーヴェン。あとはシューベルトかな?

当時少年ジャンプのテニプリは読んでいたので『ベンデルスゾーン』は覚えてた。

↑メンデルスゾーンでした。ここでも間違えました。

こういった学校教育からも、僕のクラシック音楽嫌いは加速したんです。

音大を受けた時の教授


それでも音楽は好きだったので、高校時代は独学で聴音や楽典を勉強して音大を目指していました。

高校の進路指導にも、
「音大は小さい頃からレッスンに通ってる子がいくもの。やめなさい」
なんて言われて。

悔しくて中古の楽典の本や問題集を繰り返し繰り返しやりました。

音大試験当日も楽典はサラサラできて、多分満点だったんじゃないかと思います。
でも聴音がまったくできなくて、半泣き状態で試験を受けました。

その後の面接もありまして、教授と二人きりで自分の作った音楽を聴かせるというものでした。
その時はハウスを2曲持っていったかな。今思うとすごい勇気だ...

教授の反応はなぜか良くて、今度音大生がやるコンサートを見に来てそのレポートを出せば
聴音の点数が悪くても良しとしてあげると言われました。

なんとか助かった!そう思い、後日友達と一緒にコンサートを見に行きました。
友達の分も払ったので6000円かな?高いなって感じました。

そして始まった演奏。
グランドピアノとウッドベースと、トロンボーン。

ピアノの弦を弾く、ベースを叩く、トロンボーンをファッファやる。
奇声をあげたり、呪文のようなものを唱えたり。

それは現代音楽のコンサートだったんです。
クラシックもろくに聴いてない、音大にハウスを持参する僕が、いきなり現代音楽のレポートが書けるわけがない。
何も分からず頭真っ白で帰りました。

それでも食らいつこうと、音大に電話して教授につないでもらい、
どのようなレポートを書けばいいか質問しました。

返答は
「誰だ君?そんなもの自分で考えろ!」

辛かった。僕はただの客だったのです。席を埋めるための数合わせ。
レポート提出なんてさせる気は元からなかったんです。

これが現代音楽との出会い。

専門学校の先生


僕は音大を諦めて専門学校へ入りました。

同期の生徒は酷いもので、大半が遅刻、そして授業中は爆睡。それを放置する先生達。
それでも何かこの授業の向こう側にあるんじゃないかと通い続けました。

そして一人の先生の個人レッスンを受けることに。
その先生、現代音楽の作曲家だったんですけどね。

ポピュラーミュージックにも精通していた人だったので、
ポップスが作りたい僕も大丈夫だと言ってくれ、週に2日ほど通いました。

とてもソフトで分かりやすいレッスンだったのですが、
やはりそこは現代音楽作曲家、ちょいちょいトゲがありました。

「お金のない人は元から音楽はできない」
「あなたより小1の子の方ができる」
「私の実家は普通、グランドピアノが1つ」
「なぜバイトをするの?バイトをしてたら音楽はできない」

出ました、金持ちしか音楽できないってやつ。

「ポップスなんて簡単な音楽」
「キーが決まって拍子が決まって、制約だらけで分かりやすい」
「あなたの音楽は幼稚」

スノビズムという言葉があります。
Wikipediaには

「知識・教養をひけらかす見栄張りの気取り屋」「上位の者に取り入り、下の者を見下す嫌味な人物」といった意味で使われる。
引用元 スノッブ Wikipedia

まさにこのような状態でした。
レッスンは僕には苦痛だった。常に見下されていて、目標とするものまで否定されているような感覚でした。

ことごとく打ちのめされた僕は1年ちょっとでレッスンをやめました。
やめた数ヶ月は鍵盤を見ると吐き気がするほどになっていました。

『音楽は金持ちのもので、あなたの音楽は幼稚』
これが今でもトラウマです。

最後に

厳密に言うと、クラシック音楽・現代音楽が嫌いなのではなくて、
それに関わる人たちが怖くてしょうがないんです。

常に否定的で、知識を押し付け、子供には分からない。けど子供の頃からやらないと分からない。
という矛盾を押し付けてくる。

ようなイメージなんです。

もちろんそうじゃない人も大勢いるだろうし、クラシック音楽も現代音楽も素晴らしいものがあると思います。
中学の先生や専門学校の先生もいろいろなことを教えてくれたし、尊敬しています。

だけど、怖いものは怖い。

この恐怖心と不快感を払拭してくれるような人と出会いたいです。

GANO



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    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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