映画『リメンバー・ミー』 写真や音楽は記憶を呼び覚ます装置だ。人は記憶の中で生き続ける。
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最終更新日:2019/01/20
映画

映画『リメンバー・ミー』 写真や音楽は記憶を呼び覚ます装置
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
2018年3月16日に日本でも公開となった『リメンバー・ミー』を観てきました!
メキシコを舞台にしたディズニー映画ですね。
では、まず予告編を観ていきましょう!
「リメンバー・ミー」本予告
死者の国の街並みがとっても綺麗ですね!
メキシコを舞台にした映画という部分も注目です。
『リメンバー・ミー』はこんな人にオススメ!
どんな人が『リメンバー・ミー』を楽しめるか考えてみました。
・自分の夢を家族に反対されている人
・遠く離れた家族が恋しい人
・伝統を重んじる人
こんな感じ。
予告を観るとわかるように、主人公ミゲルは音楽が大好き。なのに家族に反対されています。そんなミゲルがどうなっていくのか、家族に夢を反対されている人に刺さる部分だと思います。
また、遠く離れた家族が恋しい人。『リメンバー・ミー』は死んだ家族との交流を描く映画なんですね。家族と離れ離れな人、身近な人を亡くした人は心にくるものがあると思います。
最後に伝統を重んじる人。メキシコの伝統である「死者の日」についてのお話でして、日本でいうお盆のようなものですね。古くからある伝統を重んじる人は楽しめそうです。
ではネタバレを含んだ感想を載せていきますね!
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『リメンバー・ミー』で夢を反対されている人の辛さが見える
メキシコって陽気で音楽の鳴り止まない国というイメージがあります。映画を観るかぎり、イメージ通りな気がします。
主人公ミゲルもそんなメキシコで生きる普通の子供、家を一歩出れば音楽溢れる世界なのでミュージシャンを目指したくなるのも分かりますね。
そんな当たり前とも思える夢が、家の中では一切言えない。ひいひいおじいちゃんは家族を捨ててミュージシャンの道を歩んだから、代々音楽は禁止なんだとか。
一番反対しているエレナおばあちゃんがなかなか強烈でして、音楽やってる身としてはオープニング部分は結構面食らいました。
エレナおばあちゃん、ミゲルが自力でメンテナンスしたギターぶっ壊しちゃうんだもん。やりすぎだよ〜辛い。
しょげて家を飛び出すミゲルがかわいそうでかわいそうで。伝統なんて糞食らえ的になっていますよね。
このオープニングは無闇に伝統を押し付ける親たちへの説教パートだなと思ったんです。
子供の夢を邪険に扱ってまで行う伝統は、子供にとっては逆効果。無理強いしても何も伝わらないんだよ、子供はこんなに辛いんだよと説教しているようなオープニングになっています。
親子で観に行ってるなら、耳が痛い方も多いと思いますね。
親子で観ていて辛いオープニング、なんで辛いかって身に覚えがあるからなんですね。
ひいひいおじいちゃんはメキシコで1番有名なギタリストのデラクルスだ(違うんだけども)と主張しても、音楽が嫌いな一家には全く響かないシーンもあるあるすぎて泣けますね、、、
『リメンバー・ミー』 写真や音楽は思い出を取り出す鍵
『リメンバー・ミー』でキーとなるのが写真と音楽です。
記念写真って見返すと、撮った時の状況を思い出しますよね。
写真は一瞬の景色を残すものですが、そのペラペラの紙切れの向こうには膨大な時間と情報が収められていると言えます。
そしてその情報を取り出せるのは写真に紐ずく人だけ。写真は記憶を呼び覚ます装置、思い出を取り出す鍵なんですよね。『ブレードランナー』のデッカードを思い出します。
音楽も同じです。ある音楽を聴くと思い出がふわっと蘇ることがありませんか?
ラストシーンでヘクターの写真を落としてしまったミゲルは、ココに向かってリメンバー・ミーを歌います。
するとココは忘れかけていたヘクターのことを見る見る思い出していくんですよね。僕はここで号泣したんだけど。なんなら今も号泣してるけど。
思い出した! なんて言わないんだけど、表情がどんどん変わっていく。この表現が抜群ででしてね、もう素晴らしいねピクサー!
ココの中のヘクターは、自分に歌を歌ってくれる優しいミュージシャンの父親だったんですよね。ヘクターはリメンバー・ミーという曲の中で生きていた。
たった一瞬を写しただけのもの、たった数分のメロディ、なだけじゃなくてその向こうには膨大な情報が隠れている。
写真も音楽もその情報に触れられるかどうかによって価値が変わってくるんですよね。
人は忘れられた時に本当の死が訪れる
人は肉体が死んでも、誰かの記憶の中で生きていれば死者の国で生き続けている、という考えで『リメンバー・ミー』はできていますよね。
誰かの記憶に残っていればずっと生きられるし、写真を飾ってもらえれば1年に1度会いに行ける。
これって亡くなった人たちの救いでもあれば、大切な人を亡くした人たちの救いでもありますよね。
人はいつ死ぬか分かりません。病気だったり事故だったり震災だったり。死は急に訪れます。
急に亡くなってしなったあの人も、美しく楽しい死者の国で楽しく過ごしている、自分が忘れなければいつかまた会えて抱きしめることができる。
そう思えると少し救われる気がしますよね。いつか会えるその日まで、忘れないよう、次の世代にも語り継いでいこう。そんな明るい気持ちになれます。
『インターステラー』で娘マーフとの別れの際、父クーパーは亡き妻の言葉を借りて言います。「親は子供の記憶の中で生き続ける」
故人としては、肉体の死よりも忘れ去られることの方が悲しいのかもしれませんね。
『リメンバー・ミー』でチラリと観える貧困
オープニング部分でミゲルは広場にいるマリアッチの靴磨きをしています。
ミゲルの年齢はわかりませんが、小学生か中学生ぐらいの年齢のように思えます。
そんな子供も靴磨きをして家族を養わなければならない? お金をもらっている描写はありませんが、そのような立場にあるように感じます。
そうそう、学校に行っているようなシーンもありませんよね?
靴磨きから昇進して靴職人になるんだよ! なんて家族に言われるシーンがありますが、学校に行くという選択は元からないように思えます。
メキシコは日本と同じで中学生まで義務教育のようですが、ミゲルが高校生くらいの年齢だとして、望んで靴磨きをしているようにも見えません。
明るく美しいディズニー映画に潜む現代社会に向けたメッセージのように感じますね。
アカデミー賞にて長編アニメ映画賞と主題歌賞を受賞したのも、アメリカに向けたメッセージのような気がします。
壁を築くより橋を架けよう。『ブラックパンサー』でも呼びかけられたメッセージが、『リメンバー・ミー』にもあるのかもしれませんね。
最後に
家族を愛し大切な人を亡くした経験のある人にはものすごく刺さるアニメーション映画だと感じました。
夢を反対する理由、伝統を重んじる理由をしっかり伝えてあげてください。そして夢を応援してあげる心も忘れないでくださいね。
GANO
マイノリティも同じ人間で、愛されていい

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