Vol.157 自信満々で傲慢で悪い男、でも惹かれてしまう。わかっているから、今すぐ走り去ってほしい 『High Horse / Kacey Musgraves』
公開日:
:
最終更新日:2018/07/23
ANALYZE Kacey Musgraves

High Horse / Kacey Musgraves
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
悪いやつに惹かれてしまうってもう定番なんですけど、ミステリアスな雰囲気が魅力的なんですかね?
悪い結末だとわかっているのに恋してしまうのは、男の僕にはわからない感覚だなといつも思ってしまいます。
今回紹介するのはこの曲!
Kacey Musgraves – High Horse (Lyric Video)
アメリカのカントリー・ミュージックを歌うKacey Musgravesの2018年の楽曲です。
High Houseが収録されているアルバム『Golden Hour』は全体的にゆったりとしたカントリーなんですが、この曲だけディスコ要素バンバン入れていますね。
ディスコなんだけど歌い方やギターのリフはカントリー。バランス良くて聴きやすいです!
では、歌詞とコード進行を勉強していきましょう!
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High Horseの歌詞について
歌詞の一部を引用して見ていきましょう。
Oh, I bet you think you’re John Wayne
Showing up and shooting down everybody
You’re classic in the wrong way
And we all know the end of the story
ジョン・ウェインは映画俳優、監督ですね。1920年代から1970年代まで活躍しました。
西部劇にガンマン、カウボーイとして出ていたので強く気高い振る舞いの男=ジョン・ウェインのような使われ方です。
現れては撃ち抜く、多くの女性を落としてきたってことですね。
ハンサムで魅力的で、でも悪い男。みんな結末は悲しいとわかっているのに、落ちちゃうんですね〜。
‘Cause everyone knows someone who kills the buzz
Every time they open up their mouth
Yeah, everyone knows someone who knows someone
Who thinks they’re cooler than everybody else
魅力的だけど悪いやつだから、そのこともみんな知ってて失望している。
みんなわかってて、噂もされちゃうぐらいに有名なんだけど、でも引っかかっちゃう。
簡単に引っかけることができちゃうので、このプレイボーイの鼻高々なんですね。イチコロだとわかって振舞っている。
And I think we’ve seen enough, seen enough
To know that you ain’t ever gonna come down
So, why don’t you giddy up, giddy up
And ride straight out of this town
You and your high horse
だから取っ替え引っ替えで、飽きたらどっか行ってしまう。
わかっているから、もう早く立ち去ってほしい! そんな想いですね。
そのご立派な馬に乗って、自信満々に走り去っていくがいいわ! そんな悔しさを匂わす言い方です。
悪い男に惹かれてしまう、けど最後は悲しく別れる。定番の流れですね!
Smooth Operator / Sadeを思い出す内容です。
歌詞を書く際の参考にしてくださいね。
続いて、コード進行との関わりです。
High Horseのコード進行について
ではコード進行を見ていきましょう。
High Horseはイントロ→ヴァース→ブリッジ→コーラス→ヴァース→ブリッジ→コーラス→ブリッジ→コーラスとなっています。
ヴァース
譜面で
キーエディターで
High HorseのキーはDメジャー、でもメロディーはEに終止する感。これEドリアンですよね、教会旋法。
マイナーっぽさもメジャーっぽさもありますが、ここではDメジャーとして扱っていきます。
G→A→Bm→AなのでⅣ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅴです。
行ったり来たりするコード進行ですね、6度で落ち着いたかと思うとまた戻ってしまう。
フラフラと状況を説明するような平坦な印象を受けるコード進行です。
Kids / MGMTでも似たコード進行が使われていますね。
ブリッジ
ブリッジ1 譜面で
キーエディターで
Em→Bm→F#mなのでⅡm→Ⅵm→Ⅲmですね。
ここではマイナーコード一色、強進行もないですしヴァースより落ち着いて聞こえます。
暗いか明るいかは相対的で、メジャーコードの中にマイナーコードがあると暗いとか落ち着いているとか感じやすいんですよね。
その点、ここは雰囲気が変わらないので極端な印象は与えない箇所。嵐の前の静けさ感あります。
ブリッジ2 譜面で
キーエディターで
Em→Bm→F#m→F#なのでⅡm→Ⅵm→Ⅲm→Ⅲですね。
ブリッジ1のコード進行の最後にF#がついただけ!
F#mからF#に変化しているんですが、それだけでコーラスに進むぞ! 感が出ていますね。
このF#、Bmに進むためのセカンダリードミナントなんですね。ここから素直にBmに進むか進まないかでも印象が変わります。
コーラス
コーラス1 譜面で
キーエディターで
G→A→Bm→A→F#mなのでⅣ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅴ→Ⅲmです。
コーラスとほぼ一緒ですね、お尻にF#mがついただけ。
行ったり来たり、フワフワと状況を語っているようで動きがある。しかも暗い方に。
悪い結末だってことを受け入れているようなコード進行に聞こえます。
コーラス2 譜面で
キーエディターで
G→Em→Bm→AなのでⅣ→Ⅱm→Ⅵm→Ⅴです。
今までG→A→Bmと進んでいたものがAからEmに変わっていますね。
より落ち着き、落胆しているように感じます。コード進行の組み合わせ次第って感じですね。
Tongue Tied / Grouploveでも似たようなコード進行が使われています。
最後に
ディスコリバイバル時にカントリーミュージシャンはどうすべきか、の答えのような楽曲です。
時代を見つつ、でも本筋はブレない。温故知新を感じる楽曲でした。
GANO
1つのコード進行で十分な場合もある!


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