Vol.128 NON STYLE石田とトレンディエンジェルたかしがTuxedoのようなディスコソングを歌う! 『I’m PREMIUM / NON ANGEL』

公開日: : 最終更新日:2018/07/23 ANALYZE ,

I’m PREMIUM / NON ANGEL

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

本日もYouTubeにてアナライズコーナーで紹介する動画を探していたのですが、なにやらCMで気になるものが。

お! これ、完全にTuxedo路線のディスコリバイバルソング!

そしてよく見てみると、歌っているのはなんとお笑い芸人です。こちらをどうぞ。


ノンエンジェル『I’m PREMIUM』

歌っているのはNON STYLE石田とトレンディエンジェルたかし、2人の相方たちも以前楽曲を出していました。


トレンディスタイル『YA・BA・I・DE・A・I』

どちらも面白い! キリン『氷結』のキャンペーンソングなんですね。

トレンディスタイルは日本のフリースタイルバトルのブームに沿ったもの、ノンエンジェルは海外のディスコリバイバル・Nu-Discoに沿った楽曲になっています。センスが良いですね!

ビジュアル面もDaft Punk感があります。

僕がNON ANGEL『I’m PREMIUM』を聴いて即座に思いついたのがこちらの曲。


Tuxedo – Number One

解説記事はこちら


似てますよね。このような80’sディスコの現代版が日本でも流行るといいなぁと思います。

楽曲提供は日本のポップユニット「Sugar’s Campaign」なんだそうです。だからこんなにポップなんですね!

では、歌詞とコード進行を勉強していきましょう!

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I’m PREMIUMの歌詞について

歌詞を引用して見ていきます。

プレミアム
今夜はプレミアム
It’s so good night
二人のプレミアム

キリン『氷結プレミアム』の広告ソングであるため、「プレミアム」という歌詞が多く使われています。

ディスコソングらしく「It’s so good night」という決まり文句のような歌詞も使われていますね。

今 深夜二時
発注ミスり Night
応相談
帰宅出来ん Don’t you know
あかんぞ シャンとせい
このおしゃまな Beat
Yes, so hold me tight for me

英語っぽく歌っていますが、半分は日本語です!

しかも内容は仕事でへまをして帰れないダメダメっぷり。三枚目キャラ感が出てますね。

キラキラした楽曲とのギャップが癖になります。

NON ANGEL
NON NON ANGEL
“What’s your name?”
もう戸惑いは中止
NON ANGEL
NON NON ANGEL
そういいじゃん
Oh Let’s go drinkin’ time

ここは”じゃない方芸人”に分類されるであろうNON STYLE石田とトレンディエンジェルたかしの苦悩を歌っています。

トレンディエンジェル斎藤とNON STYLE井上の方が今現在目立っていますからね、じゃない方芸人=名前が分からない方なので“What’s your name?”と言われることもあるのでしょう。

そんな時も『氷結プレミアム』を飲めば大丈夫! というポジティブな内容となっています。

ディスコな歯切れの良い所と、広告であるべき所が両立してある歌詞となっています。

歌詞を書く際の参考にしてくださいね。

続いて、コード進行との関わりです。

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I’m PREMIUMのコード進行について

では、コード進行を見ていきましょう。

ここではコーラス・ヴァースと考えていきます。

コーラス

コーラス1 譜面で
ip1

キーエディターで
ip2

I’m PREMIUMのキーはEメジャーになります。

F#m7→G#m7→G#m7/C#なのでⅡm7→Ⅲm7→Ⅲm7/Ⅵです。

マイナーが続くコード進行ですね。マイナーのみなので明るさ暗さをあまり感じません。

なんだったら平行調のC#マイナーなんじゃないかって気もします。このようなディスコソングには終止するという考えがあまりないので、調が決めづらいですね。

最後はC#m7ではなくG#m7/C#を使っています。

ここをC#m7にしてしまうとF#m7→G#m7→C#m7で平行調C#マイナーのフォーファイブワンの形になります。

すると終止感が強く出てしまうので、ここでは避けるため分数コードのG#m7/C#が使われています。響きもリッチになりますね。

コーラス2 譜面で
ip3

キーエディターで
ip4

F#m7→G#m7→G#m7/C#→Gm7/FなのでⅡm7→Ⅲm7→Ⅲm7/Ⅵ→♭Ⅲm7/♭Ⅱです。

コーラス1のコード進行の最後にGm7/Fがついた形になります。

Gm7/FはG#m7からF#m7へスライドして戻るために間に挟んであるパッシングコードですね、ベースも半音でF#に戻るためにFが使われています。

パッシングが入らないコーラス1と入るコーラス2のコード進行と交互に使うだけでも変化が出て飽きないですね!

コーラス3 譜面で
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キーエディターで
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F#m7→G#m7/B→C#M7なのでⅡm7→Ⅲm7/Ⅴ→ⅥM7です。

ベースラインを見るとトゥーファイブと動いていて終止しそうな雰囲気が出ていますね。

しかし着地はC#M7。これは平行調(C#マイナー)の同主調(C#メジャー)での終止になります。

一時転調で浮遊感のある明るい着地ができていますね!

このように近親調のトニックで終止すると完全に終わった感は出ませんが浮遊感が出るので、ディスコソングのような繰り返す系にオススメです。

コーラス4 譜面で
ip7

キーエディターで
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F#m7→G#m7→G#m7/C#→C#7なのでⅡm7→Ⅲm7→Ⅲm7/Ⅵ→Ⅵ7です。

コーラス2のコード進行に似ていますね。最後がC#7になっています。

C#7は頭のF#m7へ向かうためのドミナントです。

ドミナントモーションを使ってスムーズにコード進行を繰り返すテクニックになります。

サブコーラスはコーラスと同じコード進行が使われているので割愛しますね。

ヴァース

ヴァース1 譜面で
ip9

キーエディターで
ip10

F#m7→C#m7→A#m7♭5→AM7→AM7/BなのでⅡm7→Ⅵm7→#Ⅳm7♭5→ⅣM7→ⅣM7/Ⅴです。

A#m7♭5の響きが特徴的ですね。ここまでのマイナーばかりのコード進行に異変が起きたような感覚を得ます。

C#m7→A#m7♭5→AM7で内声がシ→ラ#→ラと半音で動くので怪しさが出ています。

ダイアトニックコードを多く使用した楽曲内でこのような借用和音を加えるとメリハリがつきます。

ここはD.A.N.C.E. / Justiceな感じも受けますね。


ヴァース2 譜面で
ip11

キーエディターで
ip12

F#m7→C#m7→A#m7♭5→AM7/BなのでⅡm7→Ⅵm7→#Ⅳm7♭5→ⅣM7/Ⅴです。

ヴァース1のコード進行からAM7を省いた形です。

ヴァース1同様に、最後にB7をリッチな響きにするためAM7/Bが使われています。

A#m7♭5の怪しい響きから、明るく上品で前進したくなるAM7/Bが来るとギャップが生まれて視界が一気に開けるような感じを受けませんか?

サビ前に使うと効果的なコード進行だと感じます。

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
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最後に

お笑い芸人の楽曲ですが、内容は非常に高級感あるものでした。

結構昔からお笑い芸人関連の楽曲ってダンスミュージック系のミュージシャンが楽曲提供することが多いんですよね。お笑い芸人はDJをやられている方も多いので、そのつながりでしょうか?

さらにおまけですが、トレンディエンジェルのたかしさん。ハゲを売りにしていらっしゃいますが、この楽曲のイメージだとカッコよく見えますね。すごい似合ってます。

ディスコソングにハゲって、カッコ良いですよね。

GANO

日本はディスコリバイバルよりアシッドジャズ・シティポップリバイバルのようです



仕事依頼thumbnail

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  • gano1
    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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