『ゴースト・イン・ザ・シェル』は原作知らなくてもOK! サイバーパンクな映像とアクションを楽しむ映画
公開日:
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最終更新日:2019/01/20
映画
『ゴースト・イン・ザ・シェル』は原作知らなくてもOK!
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
2017年4月7日に日本でも公開となった『ゴースト・イン・ザ・シェル』を観てきました!
アニメシリーズや映画化もされている、士郎正宗の漫画『攻殻機動隊』を原作とした作品です。
原作が有名でコアファンも多いので、期待している方と不安な方の二極化している印象です。
では、まず予告編を観ていきましょう!
ゴースト・イン・ザ・シェル』 本予告
予告を観るだけでもサイバーパンクな近未来であることはわかりますし、アクションがすごそうなことも伝わってきますね。
予告と本編の印象が全然ちがう! なんてことも多々ありますが、これに関してはもう予告をそのまま信じて大丈夫です!
そして原作を知らなくても楽しめるし、知っていても楽しめる作品となっています。どっちのニーズにも応えられている、これは大事ですね。
ちなみに僕は原作をちゃんと観たことはないです。ちょっと知ってるぐらい。
『ゴースト・イン・ザ・シェル』はこんな人にオススメ!
どんな人が『ゴースト・イン・ザ・シェル』を楽しめるか考えてみました。
・サイバーパンクな作品が好きな人
・SFアクションが好きな人
・原作が好きな人、知らない人どちらも!
まずサイバーパンクな世界観が好きな人、観たら興奮しますよ。映像が非常に美しくて、興奮します。
そしてSFアクション好き、もちろん楽しめます。ガンアクションやロボットとの戦闘など飽きさせないよう作られています。
ではネタバレを含んだ感想を載せていきますね!
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『ゴースト・イン・ザ・シェル』はブレードランナーでマトリックス
なんと言ってもサイバーパンク! その映像美は圧巻です。
『ブレードランナー』のサイバーパンクな近未来(といいつつあれは2019年設定だったはず)の世界観が好きな方は確実にはまります。
ビルにかぶさるように映る、巨大なホログラムの広告はテクノロジーの進歩を感じつつ、不気味さも感じます。
高いところから街を眺めると美しいですが、実際に地上に降りてみるとまぁ汚い。テクノロジーの進歩が格差を生み廃れていく、この世界観がたまりませんね。
そしてアクションシーン満載! サイバーパンクではないですが、『マトリックス』で感じた感覚をまた味わえるようになっています。『マトリックス』自体、原作の攻殻機動隊から影響を受けているので当然ちゃあ当然ですね。
登場するロボットたちも魅力的です。予告にも出てくる芸者ロボット、四つん這いで這って動く姿はまぁ不気味! ブレードランナーでも芸者が不気味だった……。
六足の戦闘ロボットもうねうねと動いて気持ち悪いですね〜! 機能性を重視して進化していったマシンはきっとこんな感じなのでしょう。
やたら角ばった車ばかり出てくる感じも、『エイリアン』や『プロメテウス』を感じさせます。強度と機能性のみを追求して、曲線美や空気抵抗をフル無視したらこうなるんだろうな。
リドリー・スコット作品ばかり例えに挙がってきますが、リドリー・スコットのような映像の暗さはありません。結構はっきり見せてくれますよ。
『ゴースト・イン・ザ・シェル』はわかりやすく作られている
しっかりとした原作があると、そのファンのために作られているから事前に知識を深めていないと楽しめなさそう、そんな気持ちになりますよね。
でも大丈夫、『ゴースト・イン・ザ・シェル』は事前学習なしでしっかり楽しめます!
どんな世界なのかの説明を頭にしっかりしてくれますし、ストーリーも非常に簡単。
スカーレット・ヨハンソン演じる少佐の自分探しがメインでして、それを順番に追っておくのみなので分かりやすいです。
記憶喪失系でよくある時系列バラバラとかいろんな問題がボコボコ出てきて最後に全部繋がるとか、そういった頭使う感じではまったくありません。
どうやら悪い奴がいる! 倒す!! それぐらい簡単。子供と観に行っても大丈夫ですよ!
『ゴースト・イン・ザ・シェル』に深みを求めない方がいい?
分かりやすいがために、深みに欠けるとも言えます。僕はちょっと物足りなさを感じちゃいましたね。
良くも悪くも少佐の自分探しに終始しているため、人間とは何か? 人間とロボットの違いってどこなのか? というテーマには深く切り込んでいかなかったと感じます。
少佐は、自分は作られた兵器なのか、それとも人間なのか悩んでいて、街で娼婦と出会うんですよね。
この娼婦は街で客を待っている時に、口は義体化してある風にシールでカモフラージュしているんです。まったくの人間なのにあえて部分的に義体化しているように振舞っているんです。
これは、義体化してある方が娼婦として客引きができるからですよね。義体化してあった方がまったくの人間よりより良いサービスを提供できるから。
でもお金がないからシールで義体化しているように振る舞う。
人間は幸せになるためにお金を稼ぎますが、その幸せは人間じゃなくなることだったりして。その矛盾が見えるシーンだったと思います。こういった部分を掘り下げて欲しかった。
出典:YouTube
(ウルヴァリンっぽさある)
あとは、バトーが義眼になって後、世話をしていた野良犬たちが怖がるから少佐に餌やりを頼むんですよね。
もう完全な人間じゃないから犬は寄り付かないとバトーが悲しむんですが、後に野良犬と一緒に過ごしているシーンもあるんですよ。
野良犬はロボットには近寄らないけど、人間には寄り添う。見た目じゃなく中身を判断している存在で、どんなに義体化しようと心があれば人間なんだと訴えているような気がしました。ここも掘って欲しかったですね。
オウレイ博士を襲撃した容疑者も、脳をハックさせる前の「娘がいてヴァイオリンを習っている」記憶すらも現実じゃなかったシーンもグッときたのですが、もっと掘り下げてくれても良かったんじゃないかなと思いましたね。これイノセンスでトグサもこんな感じになってましたよね?
『ゴースト・イン・ザ・シェル』は少佐とバトーに惚れる
スカーレット・ヨハンソン演じる少佐、めちゃめちゃカッコ良いです。
脳以外義体化している設定なので、もう最強。と言いつつ捕まったりもしちゃうんだけど、でもカッコ良い。俊敏に動いて攻撃をかわしたり、壁を蹴りながらのガンアクションだったり、かなりカッコ良いです。スカーレット・ヨハンソンは女性だけど男前。
少佐に負けず劣らず、バトーもカッコ良いです、惚れます。少佐を一番近くで支えてくれる良き同僚なんですが、その優しさと強さのギャップにやられます。ガンアクションはかなりシビれますね!
『ゴースト・イン・ザ・シェル』のホワイトウォッシュ問題は気にならない?
さて、キャスティングの時点で問題となっていたお話。ホワイトウォッシュ問題ですね、なぜ原作ではアジア系の少佐をスカーレット・ヨハンソンにしたの? 結局白人がいいんでしょ? ってやつですね。
映画を見る限り、少佐がスカーレット・ヨハンソンであることに違和感は感じませんでした。原作の方も軽くは知っていますが、そんな気になりませんでしたよ。
そもそも脳以外はモトコではないのでわざわざアジア人に作る意味もないですし、むしろモトコのころの顔とかけ離れた方が記憶を取り戻さず危険性も低くなるとハンカ社も考えているはずです。
ハリウッド版であると考えれば、問題はないと感じます。スカーレット・ヨハンソンははまり役だと思いますよ。
というのが、日本で育った日本人の感想です。
『ゴースト・イン・ザ・シェル』内での日本語に違和感を感じる
それより気になったのは日本語ですよ!
まずビートたけし演じる荒巻がずっと日本語だったこと。なぜ?
少佐は脳以外義体化しているから、何語でも話せるからなのかと思ってましたが、少佐以外の公安9課も日本語と英語で話しちゃう。これは違和感。
日本人には日本語で話さすのかと思っていたら、日本人役の桃井かおりはなんと英語! どうなっとんねん! 少佐が英語だから英語でしゃべってるのかと思ったら、娘のモトコだったと分かっても英語。じゃあなんでビートたけしだけ日本語なんだ。
そこ以外も気になる点があります。少佐はモトコでクゼがヒデオだったと分かってからお互いに「ヒィデェオゥ」と「モォトゥコゥ」と、英語的発音。これは骨格がアメリカ人だから記憶を取り戻してもこう発音してしまうってことなのでしょうか。
記憶の中では「ヒデオー!」「モトコー!」と叫びあっているだけに、このやりとりには苦笑い。しっかりと日本語として発音できるぐらいの機能はついていても良いはずと感じました。2017年の今、アプリですぐ翻訳してネイティブな発音で音声出してくれますから、そこはスラッと言って欲しかったです。
最後に
素晴らしい作品だと感じる部分もあれば、おやっ? と急に冷めてしまうシーンもあり、超名作とは言えないなと感じます。
原作をしっかり観た後に、もう一度、今度はアニメと同じ声優の吹き替え版を観るとまた違うかもしれません。
GANO
マイノリティの苦悩を知る映画
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