Vol.144 堺雅人出演、サントリーコーヒー「CRAFT BOSS」のCM曲! 『Haven’t Met You Yet / Michael Bublé』

公開日: : 最終更新日:2018/07/23 ANALYZE ,

Haven’t Met You Yet / Michael Bublé

どうも、GANO(@Past_Orange)です。

トミー・リー・ジョーンズがレギュラーで出演するサントリーコーヒー「BOSS」のCM、毎回素敵ですよね。

そのBOSSに新商品「CRAFT BOSS」が追加され、新CMが公開されました。それがこちら!


クラフトボス『新しい風・いいコンビ』篇 30秒 堺雅人 杉咲花 成田凌 小澤慎一朗 ゆりやんレトリィバァ トミー・リー・ジョーンズ サントリー CM

「新しい風が、吹いた。」のフレーズが印象的ですね。

昨今の働き方改革を題材としたCMとなっています。素敵な職場ですね。

ヴァージョンは3つ、新しい働き方を見せてくれて堺雅人さんがタジタジ(なのかどうなのか)で面白いです。

さて、このサントリーコーヒー「BOSS」CMに流れているのが今回紹介するこの曲。


Michael Bublé – Haven’t Met You Yet

カナダのシンガーソングライター、Michael Bubléの2009年の楽曲です。

芯がありつつも柔らかい歌声が素敵なMichael Bublé、アルバムリリースのスピードが速い印象です。良曲を量産できちゃう才能がうらやましい!

では、歌詞とコード進行を勉強していきましょう!

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Haven’t Met You Yetの歌詞について

歌詞の一部を引用して見ていきましょう。

I’m not surprised
Not everything lasts
I’ve broken my heart so many times
I stopped keepin’ track
Talk myself in
I talk myself out
I get all worked up
Then I let myself down

自分自身に歌いかけているような、独り言のような感じですね。

何事も続かない、だから傷ついてきた過去からも前進するよと前向きな姿勢を感じます。

そして熱しやすく冷めやすい自分の性格も理解しようと努力してますね。

I tried so very hard not to lose it
I came up with a million excuses
I thought, I thought of every possibility

でも反省とは過去を振り返り検証すること。今までのことを振り返らなきゃ新しい自分にはなれないんですよね。

今までの経験を踏まえて、より良い選択をしていこうとしています。

And I know someday that it’ll all turn out
You’ll make me work so we can work to work it out
And I promise you kid, that I’ll give so much more than I get
I just haven’t met you yet

いつか出会う運命の相手に対して、これ以上ない愛を注ぐよと約束しています。

だからMVの最後は出会っていないんですね、歌詞と連動したオチがついた内容となっています。

まだ見ぬ恋人に対して愛を誓うなんて、ちょっと浮かれてて今度も失敗しそうだなと感じてしまうのは僕だけでしょうか?

歌詞を書く際の参考にしてくださいね。

続いて、コード進行との関わりです。

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Haven’t Met You Yetのコード進行について

ではコード進行を見ていきましょう。

ここではヴァース・ブリッジ・コーラス・セカンドブリッジと考えていきます。

ヴァース

ヴァース1 譜面で

キーエディターで

Haven’t Met You YetのキーはD♭メジャーです。

D♭→G♭M7→E♭m9→B♭m7→Fm7/A♭なのでⅠ→ⅣM7→Ⅱm9→Ⅵm7→Ⅲm7/Ⅴです。

複雑に見えますが、レ♭とファの2音を持続させたままベースラインを動かしているだけのコード進行です。

最後のFm7/A♭だけレ♭を半音下げ導音とすることで、ドミナントセブンスを使わずとも終止感を感じさせることができるようになっています。

ダイアトニックコードのみですし、ベースラインもなだらかで素朴な印象を受けますね!

ヴァース2 譜面で

キーエディターで

D♭→G♭M7→E♭m9→B♭m7→Dm♭5なのでⅠ→ⅣM7→Ⅱm9→Ⅵm7→#Ⅰm♭5です。

ヴァース1のコード進行のラストをDm♭5にしただけですね。

m♭5という不穏な響きを使うことで、早く着地したいという気持ちにさせることができます。

B♭m7→Dm♭5で内声がレ♭→レと動いているので、次はミ♭を含むコードにすると綺麗に着地できます。

ブリッジ

ブリッジ1 譜面で

キーエディターで

E♭m→Fm→E♭m→A♭なのでⅡm→Ⅲm→Ⅱm→Ⅴです。

三和音のみダイアトニックコードのシンプルなコード進行です。

E♭m→Fmを2回繰り返すのではなく、最後は強進行してA♭に行くところに少し前向きな姿勢を感じますね。

A♭にセブンスがつかないのでトニックへ向かわずとも”すかし”感が弱く、このまま繰り返してもOKです。

ブリッジ2 譜面で

キーエディターで

E♭m→Fm→G♭→A♭7なのでⅡm→Ⅲm→Ⅳ→Ⅴ7です。

2度から始まり、ダイアトニックコードを順番に登っていく期待感の高い定番コード進行です。

コーラスにいくぞ! という気迫を感じますよね。明るく王道なコード進行です。

コーラス

コーラス1 譜面で

キーエディターで

E♭m7→A♭7→D♭なのでⅡm7→Ⅴ7→Ⅰです。

トゥーファイブワン! 出ました強進行でわかりやすい終止感。こちらも王道のコード進行です。

順序立てて終わりますよ、終止して落ち着きますよと伝えるような丁寧なコード進行だと言えます。

A Dream Goes On Forever / Todd Rundgrenでも同じコード進行が使われています。

コーラス2 譜面で

キーエディターで

E♭m7→A♭7→B♭m7なのでⅡm7→Ⅴ7→Ⅵm7です。

コーラス1の最後をトニックで終止せずに、6度に進んだコード進行です。こちらも定番ですね。

もう1度トニックで明るく終止するかと思いきや、代理コードの6度でちょっと暗さを出す。少し切なさが出ますね。

完全に終止しないことで次に展開できる便利なコード進行だと言えます。

コーラス3 譜面で

キーエディターで

E♭m7→F7→B♭m7→B♭m7/A♭なのでⅡm7→Ⅲ7→Ⅵm7→Ⅵm7/Ⅴです。

F7はB♭m7へ進むためのセカンダリードミナントです。

マイナーに進むためのセブンスコードって、メジャーな響きなのに切ない感じがしませんか?

第3音が半音上がっているだけで全く違って聴こえる、ほんの少しの違いで曲の表情が変わるというわかりやすい例だと思います。

最後にベースがシ♭→ラ♭ときているので、ソ♭へいく期待が高まっているコード進行です。

コーラス4 譜面で

キーエディターで

G♭→A♭なのでⅣ→Ⅴです。

サブドミナントからドミナント、トニックに向かうよ! って感じの明るいコード進行ですね。

Pots Of Gold / Mamas Gunでも同じコード進行が使われています。

セカンドブリッジ

譜面で

キーエディターで

B♭m→B♭♭aug→D♭/A♭→Gm7♭5なのでⅥm→♭Ⅵaug→Ⅰ/Ⅴ→#Ⅳm7♭5です。

レ♭とファの2音を持続させたままベースラインを動かしているだけのコード進行です。

↑はいこの言葉、実はヴァース1でも使ってます。

同じ手口なのに印象が全然違いますね! ベースラインの表現がいかに大切さがわかる対比だと思います。

このコード進行自体は、悲しさを簡単に演出できるものですので、ぜひ場面転換時に使ってみてくださいね。

↓GANOが作った作曲ツールです!↓
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最後に

働き方改革、新しい風を表現するためのCMに使われている理由。

それは、まだ見ぬ恋人(新しい風景)を歌っているからなんですね。しっかり繋がるような選曲となっています。

働き方改革で、より暮らしやすい日本になると良いですね!

GANO

こちらもCM曲のお話



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  • gano1
    作詞曲家・DTMer・WEBライター。DTMを中心に歌モノ・BGMを制作しています。シティポップ系やブレイクビーツなどを好んでます。
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