映画『ブラック・クランズマン』 描かれたKKKとの戦いは現在にスライドする。ユーモアを交えて怒り爆発! Right on!!
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映画『ブラック・クランズマン』 描かれたKKKとの戦いは現在にスライドする
どうも、GANO(@Past_Orange)です。
2019年3月22日に日本でも公開となった『ブラック・クランズマン』を観てきました!
1979年のアメリカを舞台にした映画ですね。
では、まず予告編を観ていきましょう!
『ブラック・クランズマン』本予告
なんとこれ実話に基づいた映画なんですよね。
第91回アカデミー賞・脚色賞受賞した作品でもあります。
『ブラック・クランズマン』はこんな人にオススメ!
どんな人が『ブラック・クランズマン』を楽しめるか考えてみました。
・社会問題を扱った映画が好きな人
・ファンキーな70年代が好きな人
・ホラーが好きな人
こんな感じ。
まず社会問題を扱った映画が好きな人。白人至上主義団体KKKに黒人が侵入するお話なのでね。ど直球に扱ってますよ。
そしてファンキー! アフロだし襟デカデカシャツと革ジャケット。ソウル・ファンクな音楽。はいどうぞ劇場へ。
最後に、ホラー好きな人。血がブシャー! とか急に襲いかかってくる! とかじゃなくて、人間っておぞましいなって。怖いんすわ。
ではネタバレを含んだ感想を載せていきますね!
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『ブラック・クランズマン』 がそのまま現在にスライドする
舞台は1979年であり、自由と平等を訴えるブラックパワーと白人至上主義を掲げるホワイトパワーのぶつかりを扱っています。
かなり極端に描いているように感じるし、こんなあからさまに差別意識を持って行動している人たちがいたんだなと思いがち。
でもラストで強引とも感じる仕組みで映画は現在の現実にスライドしていきます。ロンとパトリスが銃を持って不自然にスライドしていく場面ですね!
1つ芽を摘み取っても、その後はもみ消されなかったことにされ。安心したのもつかの間、玄関の前には過激な差別野郎が立っていてドアをノックする、かもしれない。
映画で描かれたような緊張感は今もなお近くにあることをラストで表現しています。
デビッド・デュークも実在する人物でしたが、「アメリカ・ファースト」を連呼してますし、最後の映像で出てくるのもあり、ドナルド・トランプのことを指しているんですよね。
トランプ大統領が誕生したことで、映画と同じように白人至上主義が過熱し悲惨な事件が起こっていったと訴える映像となっています。
先日公開された『ビール・ストリートの恋人たち』も同じなんですよね。
ごくありふれた生活のすぐそばに、差別と暴力がある。今も昔も変わらず、時に隠れて時に表立って差別意識を向けられる。
『グリーンブック』も面白く素敵な映画なんですが、強い白人が無力な黒人を助ける構図となっているため、スパイク・リー監督を含め多くの人が批判的な意見を述べました。
そりゃ怒るよね。
なのでね、この3つを合わせて観てもらえると理解が深まると思います。全然現実なんだよと。
『ブラック・クランズマン』差別意識が現実を歪ませる
差別意識や偏見が現実を曇らせ歪ませるという部分も強く前に出ていたと感じます。
ユーモラスに扱ってもいますが、とっても大事なこと。
差別されてきたロンは白人的な英語の発音も黒人的な発音も理解して使い分けられます。
それに対し、黒人の喋り方はすぐに分かるよと豪語するデュークのモノマネは白人警官もコーヒー吹き出すほどおかしなもの。
ずっと黒人と喋っていたのに「君は完璧な白人だよ〜」なんて言っちゃうのおかし過ぎますね。
結局のところ差別する側は、その意識が先にあるが故に自分の都合の良いように現実を歪めて捉えているんです。
実際には違いのないものも区別をし出すし、実際に起きた事件もないことにしようとして自分自身を洗脳していく。
ロンが黒人差別発言をバリバリできるのは、そうやって言われてきたからです。フリップも同じように差別されてきたからこそユダヤ人差別発言できたんですよね。
差別する側はできないでしょう、そんな辛い想いしてないんですから。
でも「むしろ白人が差別されているんだ」と主張する、笑いどころですね。
ユーモアを交えながらも怒っていますね! ヒリヒリするけど面白い映画です。
『ブラック・クランズマン』はどこまでが実話?
かなり極端に描いているように感じる本作、どこまでが実話なのでしょうか?
原作はロン・ストールワースが2014年に出した小説です。実在する人物ですね!
コロラドスプリングスで初めて警察官になったアフリカ系アメリカンというのも実話、しかも最年少だったらしいです。本当に肩身が狭かったんじゃないでしょうか。
じゃあ潜入捜査は? これも実話。
実際には、初めは電話ではなく手紙だったようです。映画でロンが言っていたようなことを手紙に書いて送ったんだそうです。折り返しで電話がかかってきたそうですよ。
その手紙になぜか本名を書いてしまったんだとか。ここも実話とは!
同僚の白人警官と2人1役で潜入捜査をしたそうです。
映画でも潜入時はピリピリして怖かったですが、実際に行われていたと思うと、フリップに当たる刑事の緊張感はやばかったでしょうね。
最後に
笑える部分の恐怖する部分、そして最後に現実に引きづり戻される部分の差が大きくてクラクラしましたよ。
ユーモアと怒りで差別をぶっ飛ばしましょう。
GANO
都合よくコントロールなんてさせないぜ!


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